なお、自民党総裁選で高市支持者がかなりいたのだから、高市派(安倍派)で新党を作れば一気に国会第一党になれないこともない、という取らぬ狸の皮算用もできるが、「自民党あっての安倍派」だったのだから、自民を離脱した代議士のどれだけが次回選挙で当選できるか分かったものではない。そもそも、高市を本気で支持する代議士ってどれだけいるのだ? 自民党にとっても彼らが出ていけば最善だろう。「銀髪の狼」も今や豺狼か? (豺狼の「豺」は山犬のこと。つまりは野良犬だ。自民党内に家の無い喪家の狗。)
先に「現代ビジネス」からこの事件の背景を示す記事を、一部を見やすく赤字にして転載する。太字も徽宗による強調。つまり新人議員への自民党総裁のご祝儀の慣例だったにすぎない。まあ、自民党内の「反石破」議員のあぶり出しができて、総理にとってはある意味良かったのではないかww
なぜ、今回、朝日新聞がいち早くスクープすることができたのか。会食があったのは3月3日と10日以上も前のことである。 自民党の安倍派の国会議員、B氏はこう明かす。 「3月5日頃だったと思うが『石破首相が手土産だと商品券10万円をくれた』と新人議員が言っていた。本当かなあと訝しんでいたら、そんな新人議員が他に何人もいるという噂が党内で広がりつつあった。 私自身も当選1回の時に、官邸で食事会があって確か20万円か30万円くらいの商品券か、それに類するものを頂戴した経験があるから本当だと思った。 そんな中、『反石破』の複数の議員がその情報を記者にささやき、朝日新聞や他のメディアも取材をはじめた。私もテレビ局にもこんな情報があるよと教えたよ。 メディアのなかで、最初に事実関係を詰められたのは、朝日新聞だったということ。石破首相にすれば身内から刺されたってことだね」 このB氏は最後にこう言った。 「これで党内政局は一気に加速する。つまり石破おろしですよ」 今年は夏に参議院選挙、6月には東京都議選と大型選挙が待ち受けている。党内では、低迷する支持率、人気のなさに石破首相では選挙の顔にならないと「首相退陣論」が水面下で渦巻いている。 3月12日、自民党の参議院総会で、西田昌司参議院議員は 「今の体制では、参議院選挙戦えない。早く総裁選をやって、新たなリーダーを選び直す必要がある」「みんな石破首相を交代させなきゃと思っている」 と石破首相に退陣を突き付けた。
(以下引用)
自民の“爆弾男”西田昌司氏がブチ上げた「石破首相の退陣要求」が支持されないワケと過去の国会で語っていたこと(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/776.html
自民の“爆弾男”西田昌司氏がブチ上げた「石破首相の退陣要求」が支持されないワケと過去の国会で語っていたこと
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/369018
2025/03/14 日刊ゲンダイ
看板を付け替えても…(C)日刊ゲンダイ
「今の体制では参院選を全く戦えない。リーダーを選び直さないといけない」
今夏の参院選で改選を迎える西田昌司議員(66)から石破茂首相(67=総裁)の退陣を求める声が上がり、党内に衝撃と波紋が広がっている。
西田氏は現状のまま参院選に臨めば「大惨敗する」との見方を示した上で、「腹の中で(首相退陣を)思っている人はたくさんいる」と持論を展開。2025年度予算の成立後に党総裁選を実施すべきだとの考えを明らかにしたという。
この発言が報じられると、党内からは「退陣を要求する暇があったら地元を回るべきだ」「首相がころころ変わるのは良くない」との声が上がった一方で、西田氏が所属していた旧安倍派(清和政策研究会)の議員からは「みんなが思っていることを言った」などと同調する意見が出たという。
西田氏は、石破政権が高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げを巡って対応を二転三転させたことや、今国会の重要法案の一つである年金制度改革関連法案についても先送り論が浮上していることなどを踏まえ、石破氏の政権担当能力に強い危機感と不満を抱いているという。
自民党は2024年末時点の党員数が102万8662人と、前年末より6万2413人も減少。世論喚起を狙って昨年9月末の総裁選で石破氏を総裁に選んだものの、直後の衆院選では惨敗。最新のNHKの世論調査によると、石破内閣の支持率は36%で、2月の前回調査より8ポイントも下落している。
このため、参院選を控えた議員らが「このままでは戦えない」と焦りを感じるのも無理はないが、そもそも「自民党離れ」を加速させた一因は、旧安倍派などの「裏金事件」に端を発した「政治とカネ」の問題ではないのか。
西田氏自身も2018年から22年の間、旧安倍派から総額411万円のキックバックを受けていたことが判明し、政治倫理審査会(政倫審)に出席して弁明していた。
政倫審では「誰が還付金(キックバック)を止めないでくれと言ったのか。ここを明らかにすることが国民への説明責任だ」「還付金が欲しいから続けてくれと言った議員と、安倍(晋三元首相・派閥会長)さんがやめろと言ったのに積極的に続けていた派閥の幹部は責任重大だ。政治家として、この責任を取ってもらわなければならない」と憤っていたはず。
石破氏が総理総裁として適任かどうかはともかく、少数与党転落のきっかけを作った“裏金議員”の身でありながら、公然と退陣を求めるのは有権者も理解しがたいと指摘せざるを得ないだろう。党内で支持する声が広がらないのも分かる話だ。
「政治とカネ」の問題や、「選挙目当ての看板付け替え」に異論を唱えていたが…
裏金問題の参院政倫審を終えて取材に応じた西田昌司氏(C)日刊ゲンダイ
さらに言えば、西田氏には別の「政治とカネ」の疑惑も指摘されていた。
月刊誌「文藝春秋」(2022年3月号)が「自民党『爆弾男』を告発する」と題して報じた「脱法・マネロン問題」だ。記事によると「爆弾男」とは西田氏で、自民党京都府連が国政選挙の際、選挙運動を手伝う府議や市議に「活動費」として1人につき現金50万円を支給。原資のカネは候補者が府連に「寄付」し、そこから地方議員の関係する政治団体や党支部に「寄付」などの名目で流していたという。
候補者が直接、府議や市議らにカネを渡せば公職選挙法違反(買収)になるため、府連に寄付して迂回させていたのではないか——とみられたわけで、京都の弁護士グループなどは府連会長の西田氏や所属する府議、市議ら計60人を公選法違反の疑いで京都地検に告発。同地検は2024年3月に不起訴処分(嫌疑不十分)としたが、このカネの流れも裏金事件と同様、脱法行為と受け取られても仕方がない。
SNS上で、今回の西田氏の発言について《党利党略というのか私利私欲というのか。とにかく自分の選挙しか考えていない》《自分の裏金問題をきちんと説明し、幹部を追及しろよ》《選挙前に看板の顔をすげ替えればいいと思っている》といった批判が出ているのも当然なのだが、「政治とカネ」の問題や、「選挙目当ての看板付け替え」に強く異論を唱えていたのは他ならぬ西田氏だ。
2010年6月15日の参院本会議。西田氏は当時の菅直人首相(78)に対し、舌鋒鋭くこう迫っていた。
「菅内閣は、鳩山内閣が総辞職を余儀なくされた原因である政治とカネの問題について、反省の気持ちが全くないばかりか、国会で説明責任を果たすという最低限のモラルさえ感じられません」
「菅総理、あなたの頭の中には参議院選挙のことしかないのではありませんか。看板の付け替え効果で支持率の高いうちに選挙をしたい。そのためには一日も早く国会を閉会したい。それがあなたの本音でしょう。予算委員会を開くという約束さえも反故にされました。この暴挙に強く抗議します」
「政治とカネの問題について、反省の気持ちが全くない」「頭の中には参議院選挙のことしかない」「看板の付け替え効果で支持率の高いうちに選挙をしたい」——。西田氏は今こそ、かつての自身の発言を振り返るべきではないか。
◇ ◇ ◇
いよいよ石破おろしの声が出始めた自民党。●関連記事【もっと読む】で《石破首相のトンデモ持論「退職金増税」に自民議員真っ青…国会で課税見直し“明言”、参院選の争点化待ったなし》【さらに読む】で《石破政権「年金制度改革」先送り模索は国民のためにあらず…高額療養費制度“改悪凍結”と同じ、党内事情を最優先》を取り上げている。
コメント