地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー
https://earthreview.net/oregon-national-guard-deploy-iraq-and-syria/
<転載開始>

一人息子を残してシリアかイラクに派遣されるシングルマザーのオレゴン州兵ラトニア・エマーソン軍曹。


アメリカのローカルニュースを見ていましたら、「オレゴン州の州兵がイラクとシリアに派遣される」という報道が出ていました。


「アメリカの州兵がシリアに?」


とは思いました。


いろいろな事情はあるのでしょうけれど、アメリカの州兵の概念は以下のようなものです。


州兵 - Wikipedia


州兵は、アメリカ合衆国における軍事組織の 1つであり、通常時に州知事の指揮下で治安維持(暴動鎮圧)や災害救援などにあたる郷土防衛隊としての側面と、戦時体制において大統領・連邦政府の指揮下に入る、連邦軍の予備役部隊としての側面を兼ね備えている。


州兵は連邦軍の中で独特の立場にある。州兵隊員は、普段は民間の仕事や学業に従事しているが、必要となれば大統領や州知事の要請で即時召集される。


とあり、あくまで、アメリカ国内の何らかの事態の部隊としての役割が強いと思っていたのですが、Wikipedia を読み進めますと、なるほど、1990年代あたりから、そういうものではなくなってきたようです。



以下も Wikipedia からです。


州兵 - Wikipedia


…湾岸戦争でも陸軍州兵 6万3,000人と空軍州兵 1万人が動員されたほか、コソボ紛争、アフガニスタン侵攻、イラク戦争にも参加している。


またアメリカ同時多発テロ事件後には、国内の重要施設の警備のために大規模な出動もなされた。


2020年は国内への出動件数は第二次世界大戦以後最大に達し、2021年1月6日に起きた連邦議会議事堂襲撃事件では、暴徒鎮圧のために、命令された約 1000人のうち約 100人の州兵がワシントンD.C.から議事堂に展開され…


とあり、いろいろと使われているようですが、しかし一方で、


> 原則として、通常時は、州知事の指揮下にある。


ともあります。


それが、「オレゴン州からシリアとイラクへ」と…。今は、少なくともアメリカは「通常時」ですよね。


やや奇妙な響きにも思えるのですが、ともかく、その報道をご紹介させていただきます。







オレゴン州兵、イラクとシリアに230人の兵士を派遣

Oregon National Guard sends off 230 soldiers to Iraq and Syria
KGW8 2024/08/09


進行中の紛争を支援するために海外に派遣されているオレゴン州兵隊員の友人や家族たちがフォレストグローブに集まり、彼らを支援した。



オレゴン州兵は、紛争が続く中東地域に派遣される準備を進めており、国内外で奉仕するという伝統を継続していると述べた。この部隊は、イラクとシリアで米国とそのパートナー国を守る主力砲兵部隊として活動する。


8月9日、オレゴン州フォレストグローブのパシフィック大学で行われた動員式で、第218野戦砲兵連隊第2大隊のメンバーが 1年間に及ぶ任務に備えた。


その中には 28歳のベス・ビッグスさんもいた。彼女はこの1年間、この瞬間のために精神的に準備してきたと語った。


「私たちは現地に行き、出発前に多くのことを学び、現地で多くのスキルを身に付けられると確信しています」とビッグスさんは語った。


当初、ビッグスさんの両親はこのことを支持していなかったが、今ではこれまで以上に誇りに思っている。


「彼女は 11カ月後には今よりも強くなって、将来の仕事に活かせるたくさんの経験を積んで戻ってくるでしょう」とベスさんの母親エイミー・ブリッグスさんは語った。


「私たちは彼女が正しいことをしていて、素晴らしい人たちと一緒にいることを知っている」とベスの父親ビル・ビッグスさんは語った。


ただひとりの子どもを残して出征するシングルマザーのラトニア・エマーソン軍曹のように、他の兵士たちには、もっと感情的になっている人々もいる。


「難しい決断ですが、多くの支援があるでしょう。私たちは皆、この状況を乗り越えるために頑張っているつもりです。時間があっという間に過ぎればいいのですが」とエマーソン軍曹は語った。


シリアとイラクに向かう前に、兵士たちはオクラホマ州フォート・シルで集中訓練を受ける。そこで彼らはロケット、大砲、ドローン防衛作戦のスキルを磨くことになる。ネイサン・ニール軍曹(30歳)はこの点に最も期待している。


「訓練してきたことを実際に実行し、実際に現場に出て任務を遂行する機会を得ました」とネイサン・ニール軍曹は語った。


ニール軍曹は、家族からの圧倒的な愛情がなければ、兵士たちは誰一人としてこれほど自信を持って出征することはできなかっただろうと付け加えた。


「これ以上素晴らしい家族は望めません。彼らは今日ここに来てくれました。そのサポートを本当に嬉しく思います。それが立ち上がって、私たちがやるべきことを実行する力を与えてくれるからです」とニール軍曹は語った。


オレゴン州軍事局によると、訓練が完了すると、タスクフォース「ディフェンダー」は「生来の決意作戦 (Operation Inherent Resolve)」を支援するためにイラクとシリアに向かい、地元の同盟国と協力して同地域の「テロリスト集団の永続的な打倒を確保する」ことになる。