米国債所有国家の中の「ケイマン諸島」や「スイス」は、事実上はDSによる個人所有だろう。ルクセンブルグやアイルランドも同じではないか。
(以下引用)
・米国債の保有額のトップはダントツで日本 (2023/03/27)
米国債保有の上位 10カ国は以下となっています。
米国債のトップ外国保有者
ランク / 国 / 米国債保有額 / 全体のシェア
1 日本 1兆760億ドル (約140兆円) 14.7%
2 中国 8,670億ドル 11.9%
3 イギリス 6,550億ドル 8.9%
4 ベルギー 3,540 億ドル 4.8%
5 ルクセンブルク 3,290 億ドル 4.5%
6 ケイマン諸島 2,840 億ドル 3.9%
7 スイス 2,700億ドル 3.7%
8 アイルランド 2,550 億ドル 3.5%
9 台湾 2,260億ドル 3.1%
10 インド 2,240億ドル 3.1%
ルクセンブルクなんて国も入っていますが、ルクセンブルクは、GDP が 855億ドルであるのに対して、米国債を 3,590億ドルとか持っている…。
米国債に何かあったら国が吹っ飛ぶという構造でしょうか。
うーん……。米国債が死んだら、日本の被害も……。
オペレーション・サンドマンなんて起きないですよね… (誰に問うてる)。
うん、国債はともかく、現実として、「ドルを介在しない取引」は、ロシアや中国を中心に世界に広がっています。
急速に進んでいるドルからの離脱
ロシア政府は、昨年、ドルとルーブルの両替業務を放棄する可能性を示したり、石油や穀物の取引にもルーブルでの対応を始めています。
・モスクワ証券取引所が、ドル/ルーブルの両替業務を今後放棄する可能性を発表 (2022/09/22)
・ロシアの議員が「肥料と穀物を含むすべての輸出をルーブル支払いにするべきだ」と提案 (2022/04/01)
実際には現在どうなっているのかはよくわからないですが、ロシアの議員は、「肥料、穀物、石油、石炭、金属、木材など、ルーブル向けに輸出される商品のリストを拡大することは、私たちの国に利益をもたらす」と述べていて、すべてルーブルにする可能性が示唆されていました。
そして、すでに、ロシアと中国の貿易は、ほとんど自国通貨となってきているようです。
・[ロシアと中国の間の貿易のほぼ半分は自国の通貨で行われている]という報道 (2022/12/05)
昨日は、「インドと中国は自国通貨での取引を計画している」と報じられていました。これもケニアの報道です。
インドと中国は自国通貨での取引を計画し、米ドルの優勢を下げる
India, China plan to trade in own currency, cut US dollar dominance
The East African 2023/03/28アジアの経済大国である中国とインドは、国際取引における米ドルの支配を減らし、自国通貨での決済を可能にするためのプログラムを開始した。
ドルの上昇と不足は世界の外国為替市場に衝撃を与え、インフレと金利の急上昇につながった。
インド準備銀行は先週、タンザニア、ケニア、ウガンダを含む 18か国の中央銀行が特別なボストロ・ルピー口座 (SVRA) を開設することを承認した。
…インドのボストロ・ルピー口座プロセスは、インド準備銀行がインドルピーでの輸出入の請求、支払い、および決済のための追加の取り決めを導入することを決定したと発表した後、2022 年に始まった。
ロシアはまた、インドルピーを、貿易と「脱ドル化」に使用することに積極的だ。ロシア政府は、西側諸国がウクライナへの侵略に対して課した制裁に対応して、西側諸国にルーブルでの支払いを要求し始めた。
インド準備銀行がボストロ・ルピー口座の開設を承認したその他の国には、ボツワナ、フィジー、ドイツ、ガイアナ、イスラエル、マレーシア、モーリシャス、ミャンマー、ニュージーランド、オマーン、ロシア、セーシェル、シンガポール、スリランカ、英国が含まれる。
インド連邦財務大臣のバグワット・キシャンラオ・カラド氏は、インド準備銀行から 60件の承認が得られたと述べた。
…先週、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、中国の習近平国家主席がモスクワを公式訪問した 2日目に、人民元を選択通貨として支持した。
この「ボストロ・ルピー口座」については以下の記事にあります。
ドル支配の終わりへ: 世界18カ国の銀行が「インドルピーでの決済」専用のアカウントシステムに参加
地球の記録 2023年3月20日
上の報道は、つい最近の記事ですが、ものすごいペースで「脱ドル化」が世界中で進行していることが明白となっています。
最近、以下のようなタイトルの記事を書きました。ドルの死ということではなく、お金全体の話ですが。
過去数百年続いたマネーの「死」までの秒読み
In Deep 2023年3月21日
この記事では、スイスで、金 (ゴールド)での顧客の資産管理をおこなっているゴールド・スイッツァランド社の創設者の文章をご紹介しましたが、以下のように書いていました。
> 銀行の破綻、通貨の下落、または株式、不動産、債券などのバブル資産の 75~ 100%の崩壊によって、資産の大部分をすぐに失うことになる。
なんかこの言葉に、やや現実味が出てきたということなんでしょうか。
しかしこの、オペレーション・サンドマンみたいなことが、今後数週間ではなくとも、いつの日か起きた場合、これはまさに、
「ディーガルの世界」
となってしまう可能性があります。
先ほどのハル・ターナーさんが書かれていたように、今のアメリカでは、
「基本的に何にも作られていない」
からです。
アメリカは、農業が盛んですので、食べ物には困らないだろうと思われるかもしれないですが、農業に使う機器、資材、製品化された肥料など、農作を巡るものも、ほとんどアメリカ国内では製造されていないのではないでしょうか。
アメリカは、流通が止まった場合、最も深刻な影響を受ける国のひとつだとは思います。
ディーガルについては、比較的最近の記事としては以下にあります。
ヨーロッパが、エネルギー救済という名のポンジ・スキームによるリーマン的破綻に突き進んでいる中で思い出す「存在するとは何か」「恐怖とは何か」
In Deep 2022年9月7日
日本もいろいろと大変になるだろうとはいえ、日本には製造業自体は存在しています。
オペレーション・サンドマンというものが(数週間以内ではなくとも)いつか実施されることがあれば、ディーガルの数値に達するかもしれません。
どうなりますかね。
まずは、ウィリアム・キプチルチル・サモエイ・アラップ・ルト大統領のお名前を暗記するところから始めますかね。
ウィリアム・キムチ……ああ間違った。
いずれにしても、そんなに急速な話ではなくとも、ドルがそのうち各国で破棄されるという流れは現実に近いようには思います。世界の主導権はすでに変化していますので。
ドルにまったく価値がないことも、今ではほとんどの国がわかってしまっています。
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