地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/israel-commits-suicide/
<転載開始>

イスラエルからの空爆を受け続けるガザtehrantimes.com

経済の疲弊、企業の破綻危機、人口流出が鮮明に

イスラエル - ガザ戦争が始まってから 1ヵ月が経ちました。もう 1ヵ月というべきか、まだ 1ヵ月というべきかはわからないですが、この間、イスラエル経済が猛烈に縮小していることを、イランのテヘランタイムズが報じています。


イランの報道ですので、当然、反イスラエルだとはいえ、引用している内容は、フィナンシャル・タイムズ紙や米国の格付け機関などの報告によるもので、この 1ヵ月で、イスラエルはかなり激しく経済的に消耗しているようです。


顕著なのは、以下の3つです。


・戦費そのもの(現時点で GDP の約 10%を使っている)


・労働人口の急減による企業の運営危機(労働年齢の70万人以上が予備役として徴集)


・イスラエルから恒久的に出国する人が相次いでいる。


この「恒久的に出国する人が相次ぐ」というのは、国家の破綻のわりと大きな部分で、たとえば、アメリカが発展したのは、20世紀に他国から数多くの若者がアメリカにやってきて、特に、


「頭脳が流入した」


ことによります。



以下は、ディーゲルという組織の 2014年の分析からです。


2014年10月のディーゲルの説明より


米国が次の 10 年に入るプロセスを理解するための重要な要素は、移民だ。


過去において、特に 20世紀において、米国がその巨大な地位を確立することを可能にした主な要因は、信用拡大を支える人口増加と、米国に利益をもたらした世界の他の地域からの頭脳流出の恩恵を伴う移民だった。


…年金受給者が目の前で退職が消え去り、仕事がなくなるのを見ると、次に何が起こるかは想像できる。少なくとも若い人たちは他国へ移住することができる。アメリカの人口の中に現在のように多くの高齢者がいたことは、人類史上かつてなかった。


…歴史的に、経済パラダイムの変化は、主流の歴史家によってめったに強調されない死者数をもたらした。ヨーロッパで地方から大都市への移行が起こったとき、新しいパラダイムを受け入れることができなかった多くの人々が自殺した。



Deagel


若い人たちの流出や「頭脳の流出」というのは、主要国にとっては「自死に近い」ものです。


イスラエルだけではなく、今後、アメリカやヨーロッパ、あるいは日本を含めた東アジアからの頭脳流出も顕著になっていくと見られますが、それは緩慢な国家の死でもあります。


あと、関係ないですが、最近のイスラエルの状況を見ていますと、15年くらい前に、未来予測プロジェクトのウェブボットが書いていた光景と何だか似ています。


2009月1月3日のウェブボットより


・南アメリカ諸国のイスラエルボイコットが起点となって、イスラエルは戦争を拡大する。だがこの戦争にイスラエルは敗退し、イスラエル軍は縮小をよぎなくさせられる。この一連の出来事はすべて「イスラエルの過ち」というキーワードの内容の一部である。


・「イスラエルの過ち」のキーワードは今回のガザ侵攻には限らない。それは、イスラエル軍のサポートを受けたグルジア軍が南オセチアを攻撃したときから始まった。ロシア軍の反撃はイスラエルの予想を越えており、これによってイスラエルはグルジアにおける諜報網を失った。これも「イスラエルの過ち」の要素だ。


・だがイスラエルは、イスラエル軍が直接攻撃するにおよんで残虐な侵略者であることが明白となるため、イスラエルの過ちはそこで頂点に達する。これが発端となってイスラエル国民の死傷者が激増する事態が発生し、イスラエル国民はこれに大きなショックを受ける。このショックがイスラエル国内の革命の引き金となる。


現在の戦争の行方がどうなるのかわからないですが、イスラエルが勝利しようが敗北しようが、その後、非常に厳しい国内の状態が、仮に一時的であってもやってくると見られます。


主要国全体が経済的に不安定な状況ということもあり、主要国総倒れという事態もなくはないかもしれません。


イランのテヘランタイムズの報道です。

経済の低迷 - イスラエルのガザ戦争の初期費用は510億ドル(約7兆7000億円)に達し、それはGDPの約10%に相当する

Economic tailspin Initial cost of Gaza war for Tel Aviv amounts to $51B, about 10% of Israel’s GDP
Tehran Times 2023/11/08



10月7日にハマスが実施したアル・アクサ・ストーム作戦の影響で、入植者に対する政府の財政ガイドラインが欠如している中、入植者たちがこれまでに経験したことのない不慣れな状況に直面し、イスラエル企業が疲弊している。


ハマスの報復作戦から 1カ月以上が経過し、ガザ戦争はイスラエルの企業活動に壊滅的な影響を与え、数百社が倒産の危機に瀕している。


イスラエル労働省は、労働力の 18%に相当する約 76万5,000人のイスラエル人が、ガザ地区でパレスチナ人の抵抗と戦うための予備役に召集された後、労働に従事していない、と発表した。


フィナンシャル・タイムズ紙によると、この戦争が政権の経済活動に破壊的な影響を及ぼしているという証拠がすでに増えているという。


先週、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とベザレル・スモトリヒ財務大臣が発表した金融政策は、経済団体からの非難を招いた。高まる経済不安を軽減するために、イスラエル戦時内閣は新たな規定を発表した。


しかし、イスラエルの主要経済学者 300人からなるグループは、ネタニヤフ首相とスモトリヒ首相に「正気に戻る」よう呼び掛けた。


「イスラエルが受けた重大な打撃には、国家の優先事項の根本的な変更と、戦争被害、犠牲者への援助、経済再建に対処するための大規模な資金の再配分が必要だ」と彼らは公開書簡で述べた。


フィナンシャル・タイムズ紙は、経済学者らの書簡署名者の一人であるシンクタンク、スタートアップ・ネイション・ポリシー・インスティチュートの所長ユージン・カンデル氏の発言を引用し、イスラエル政府は「事態の重大性を理解していることをまだ示していない」と述べた。


経済専門家たちは、政権の経済見通しが悪化し続けた場合、破綻に陥るリスクが高い企業に対するネタニヤフ首相の約束した金融政策では十分ではないとの重大な懸念を表明している。


ネタニヤフ首相の連立パートナーである超正統派政党や入植者党は、学生の宗教遵守を奨励する計画など、戦争経済には意味がないと批評家が主張するプロジェクトに巨額の資金を振り向け続けている。


このため、ネタニヤフ首相が約束していた財政支援を受けられない企業が何百社も残っている。


フォーリン・ポリシー誌によると、イスラエルの戦時経済は永久に維持できるものではなく、ガザ近郊での政権の大規模な軍事動員が深刻な経済的緊張をもたらしており、間もなく景気後退に向かう可能性があるという。


ガザ地区での長期戦争の矢面に立つことになるセクターのリストのトップには、石油・ガス、観光、ヘルスケア、小売、テクノロジーなどが含まれる。


伝えられるところによれば、イスラエル経済は 2,000億ドル(約 30兆円)の準備金と米国からの 140億ドルの軍事援助を携えて戦争に参加したと推定されている。


それでも専門家たちは、ガザで進行中の戦争によりイスラエル経済は数十億ドルの損失が発生し、回復には過去よりもはるかに長い時間がかかるだろうと述べている。


フィッチ・レーティングスやS&P、ムーディーズ・インベスターズ・サービスなどの世界的な信用格付け会社は、戦争がさらに激化すれば政権のソブリン債格付けの引き下げにつながると警告している。


S&Pはガザ戦争が拡大し、経済への影響がさらに顕著になるリスクを理由に、イスラエルの信用見通しをすでにネガティブに引き下げている。


ある経済学者はフォーリン・ポリシー誌に対し、2006年夏のレバノンに対するイスラエル戦争と 2014年のガザ地区に対するイスラエル戦争の過去2つの戦争の費用はGDPの最大 0.5%に達し、主に観光業に影響を与えたと語った。


しかし今回は、今年の最終四半期には「年率で 15%」まで下落するとの試算が設定されている。


この間、多くの航空会社がイスラエル占領下のパレスチナ領土への運航を停止している。


航空便の欠航はイスラエル経済、何よりもまず政権が大きく依存している観光産業にさらにダメージを与えるだろう。


また、戦争と包囲されたガザ地区からのパレスチナ抵抗軍による毎日のロケット弾一斉射撃のさなか、占領地からの脱出を求める不安を抱える数十万人のイスラエル人にとって、それは困難であることも証明された。


ハマスの作戦以来 30日間で、数十万人のイスラエル人がガザ地区近くの入植地から避難または逃亡しており、彼らが戻らない兆候はすべて示されている。


イスラエル観光省によると、ホテルの客室はほぼ満室で、外国人観光客ではなく、避難所を求め、占領されたパレスチナ領土から離れる計画を立てているイスラエル人入植者によって占められている。


多くはすでに海路で出発しており、少なくとも 1隻のアメリカ船がイスラエル人をハイファ港から避難させた。


さらに多くの人々が出発を計画しており、イスラエル人全員がガザ付近や他の地域の入植地から永久に去るつもりであることを強調するオンラインキャンペーンが立ち上がり始めている。


1月初旬にネタニヤフ首相が政権を握って以来、すでに新政権に激怒していたイスラエル国民の間で頭脳流出が一般的となっている。


現在、毎日のようにミサイルが飛来し、ネタニヤフ首相とその閣僚に対する怒りが高まっているため、高度な訓練を受けた、または資格のあるイスラエル人の移住はさらに増加し​​ている。


政権が最も困難な時期の一つに直面している中、ある入植者はイスラエルのメディアに語った。


「土曜日の最初のサイレン直後、私たちはキプロスに逃げました。私たちは両親と4人の子供たちの家族です。これは普通のことではない、と私の直感は私に告げたのです」


「夢中になっていたこの国で私の神経はすり減っていました。朝10時にチケットを購入し、5時にはキプロスに着いていました。今はここで落ち着こうとしています 」


ガザでの戦争が長引く中、パレスチナ占領地全域から多くのイスラエル人とその家族がすでに海外旅行をしているか、海外旅行の意向を表明している。


彼らの主な懸念は、現代史上最大のガザ地区に対する戦争が波及し、拡大する危険性があるため、もはや安全がないことだ。多くのイスラエル人が命の危険を感じている。