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徽宗皇帝のブログ

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ベトナム戦争(枯葉剤薬害)と捕鯨禁止運動の関係
「逝きし世の面影」から転載。
歴史の或る時期に、なぜ突然世界的に鯨の保護が叫ばれるようになったのか、下の記事は実に明確にその説明をしていて、その内容は合理的で説得力がある。
ベトナム戦争と捕鯨禁止を結びつけた説は、初めて読んだ。
後で、鯨は人間並みに知能が高いから、とか、鯨の保護についていろいろ馬鹿な理屈が捏ねられたが、ぜんぶいい加減な「後付け」だろう。


(以下引用)



鯨保護はベトナム戦争のオレンジ作戦隠蔽工作2008年04月21日 | 社会・歴史

商業捕鯨の禁止は、ベトナム戦争の枯葉作戦と因果関係があったことを知っているものは、今や少なくなった。

『ベトナム戦争における枯れ葉作戦とは、』

現在のイラク戦争と同じような、長引く勝ち目のないベトナム侵略戦争のゲリラ戦に疲弊したアメリカ軍は、対空兵器に劣るベトナム軍に対して、圧倒的空軍力による徹底的な空爆で対抗しようとした。
第二次世界大戦戦時の全爆弾投下量の4倍以上の爆弾を、北ベトナムに投下し『ベトナムを石器時代に戻す』と公言していた。
特に地上戦の行われていた南ベトナムでは、密林地帯に潜む北の解放軍兵士を掃討するために、徹底的に森林をナパーム弾で焼き尽くす作戦に出たが、平坦なメコンデルタ地帯と違い、山岳地帯の密林ではナパーム弾の、焼夷爆弾としての威力が落ちる。
当時のアメリカ軍は、第二次世界大戦の中国戦線にをける日本軍のように、主要都市と主要道路だけは確保していたが、農村部はベトナムの解放戦線軍に押さえられ苦戦していた。
地上戦で苦戦を強いられた米国軍は、劣勢を挽回するために、ベトナム戦争において、有害なダイオキシンを含む除草剤を空から撒いて森林を破壊してベトナム全土を砂漠化する、恐るべき狂気の「枯れ葉作戦」を繰り広げていた。
すべての森林が枯れ木の山なら、ナパーム弾の威力は何倍にも効果的に倍増できるし、ベトナム軍の隠れ家も空から容易に発見できる。
農村の農民に依拠しているベトナム軍の兵糧を破壊でき、地上戦でのアメリカ軍の損害を少なく出来る。
以上の理由によって、強力な除草剤によって、非人道的なベトナム全土砂漠化作戦「枯葉作戦』(除草剤がオレンジ色をしていたので通称オレンジ作戦)が、アメリカ本国や世界には知らされる事なく粛々と行われていた。
当時のベトナムでは、不純物として有害なダイオキシンを含む『除草剤』の大量散布によって、森林は破壊され、奇形児が多数生まれていた。

『特別戦略諮問機関』

1970 年代初め、アメリカはベトナム戦争という泥沼に入り込み、抜きさしならぬ状況に陥りつつあった。
枯れ葉剤(除草剤)大量散布で環境への壊滅的影響と、作戦に従事した米軍兵士の健康被害。
反戦運動の盛り上がりと麻薬禍の拡散、脱走兵の続出等々、反米、反体制、反戦気運を何としても方向転換させる戦略を考え出す必要があった。
その結果、ホワイトハウスに特別戦略諮問機関が設置され、英知を絞った末の作戦として自然保護が全面に打ち出されることとなった。
そして、その象徴として鯨に照準が定められたのである。
自然保護に関してカリスマ性に富む多くの理論家、運動家が動員され、それが 1972 年のストックホルム国連人間環境会議の開催へとつながっていく。

『国連人間環境会議』

1972年6月ストックホルムで開かれた第一回国連人間環境会議で、主催国スウェーデンのパルメ首相は、『枯葉作戦』問題を環境会議で取り上げると予告していた。
ところが会議が開催されると、アメリカは買収と脅しで反対工作をやり、ベトナム戦争の枯葉作戦問題ではなく、突然の鯨保護問題が議題とされる
この時決定されたのがモラトリアムで、商業捕鯨が出来なくなったのである。
それをやったのがニクソンの懐刀で当時大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャーだった。 
ニクソン大統領はこの年の11月に再選挙を控えており、ライバルの民主党ジョージ・マクガバン上院議員はベトナム戦争反対を訴えていた。

『モラトリアム』

もし環境会議で、枯葉(オレンジ)作戦問題が取り上げられ、アメリカが国際的な非難を浴びたら、ニクソン陣営は面子丸つぶれとなる。
捕鯨モラトリアムの提案は、このような事態を避け、逆に環境問題でのリーダーシップを誇示して、マクガバンの支持層を切り崩す一石三鳥の作戦だった。
それは見事に成功した。
19世紀には捕鯨大国として太平洋の鯨を激減させ、今まで一度たりともIWCでモラトリアムなど提案したことのなかったアメリカは、この時から反捕鯨陣営(自然保護?)のリーダーに変身したのである。
19世紀には最大の捕鯨大国だったアメリカが、この当時捕鯨をしていなかった。
理由は、捕鯨は食用ではなく灯火用油としてしか利用しなかったので、国内の需要がなくなった為で、決して自然保護、環境問題が原因ではない。
このストックホルム国連人間環境会議で、のちに環境保護運動の象徴となる捕鯨のモラトリアム提案が、何の根回しもないままに電撃的に可決される。
商業捕鯨は、ベトナム戦争で評判を落としたアメリカのニクソンの選挙運動のために、当時のアメリカ人にとって利用価値(実害)のないために、禁止されたのである。
この国連人間環境会議直後の11月の大統領選挙で、ベトナム戦争反対、米軍の即時撤退、軍事支出の削減を訴えていた民主党候補のジョージ・マクガバン上院議員は、共和党現職大統領で「稀代の策士」ニクソンに対して歴史的大敗を喫する。


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