経済とは「経世済民」から来た言葉だと言うが、「経世」とは「世の中を経営する(おさめる)こと」、「済民」とは「人民(の難儀)を救うこと」らしい。つまり、経済とは「人民を救うために世の中を管理する方法を研究する学問」だと言える。ところが現在の経済学で、あるいは政府の経済政策で「済民」が真剣に考えられているだろうか。
世の中というものは放っておくと弱肉強食の世界になるものである。そこに人間らしい理性と道徳性を加味していくのが真の文明であり文化だろう。すなわち、「適者生存」という、単なる弱肉強食の原理を肯定しただけの(新)自由主義思想は、ジャングルの論理でしかないのである。言い換えれば、(新)自由主義とは「政府は口を出さず、経済界の好きなようにさせろ」という思想にすぎない。
しかし、自由主義とは誰にとっての自由なのかを見ずに、「自由」という言葉だけでそれを肯定する人間が、世の中には多い。経済界にとっての自由とは、実は一般国民にとっては地獄かもしれないのである。
いわゆるセーフティネットが存在しないままで規制緩和、つまり自由主義を推し進めるとどうなるか。現在の日本になるのである。
「派遣労働者法」が規制緩和の一つである。
派遣労働者法は経済界の要請によって作られた法律である。そしてあらゆる企業が派遣労働者を利用することによって日本の労働者の賃金水準はどんどん低下していった。(それは企業の利潤が増えたということでもある。)派遣労働者の存在によって正社員もまた労働強化に苦しむようになった。つまり、いつでも派遣社員に切り替えることができることが正社員には分かっているから、会社のどのような理不尽な要求にも従わざるを得なくなるのである。すなわち、日本の労働者は企業の奴隷と化してしまったのである。
かくして、現在の日本の会社の大半はブラック企業となった。ブラック企業とは、①社会に害悪を為す企業、②社員を非人間的に扱う企業、の二つの意味がある。日本の会社の大半は、①でなければ②だろう。それは、派遣労働者法から必然的に導かれた結果なのである。賢い官僚たちにこの結果が見えていなかったはずがない。だが、企業の要望に応えて彼らはこの法律を作ったのである。
つまるところ、経済組織(企業)とは一種の怪物(リヴァイアサン)なのであり、手綱をゆるめると社会破壊的な行動に突き進むものなのだろう。簡単に言えば、経済組織とは個人における「金儲けの欲望」が実体化したものでしかないのだ。それが本来の「経済」の名に値しないことは言うまでもない。その「悪しき経済」を動かす存在である経団連とは、人間のクズの集まりだと私は思っている。
(言うまでも無いが、世の中には良心的な企業も存在することは分かっている。だが、企業が大企業になればなるほど、利益追求が自己目的化し、怪物になっていくというのが事実ではないだろうか。そして、悪質な(大)企業ほど政治を利用し、国民全体に被害を与えるものなのである。現在の消費税増税の議論が経団連から持ち出された意見であることを、我々はよく覚えておくべきだろう。官僚たちが消費税増税で直接に利益を得るわけではない。消費税で利益を得るのは「戻し税」のメリットのある輸出企業なのである。)
世の中というものは放っておくと弱肉強食の世界になるものである。そこに人間らしい理性と道徳性を加味していくのが真の文明であり文化だろう。すなわち、「適者生存」という、単なる弱肉強食の原理を肯定しただけの(新)自由主義思想は、ジャングルの論理でしかないのである。言い換えれば、(新)自由主義とは「政府は口を出さず、経済界の好きなようにさせろ」という思想にすぎない。
しかし、自由主義とは誰にとっての自由なのかを見ずに、「自由」という言葉だけでそれを肯定する人間が、世の中には多い。経済界にとっての自由とは、実は一般国民にとっては地獄かもしれないのである。
いわゆるセーフティネットが存在しないままで規制緩和、つまり自由主義を推し進めるとどうなるか。現在の日本になるのである。
「派遣労働者法」が規制緩和の一つである。
派遣労働者法は経済界の要請によって作られた法律である。そしてあらゆる企業が派遣労働者を利用することによって日本の労働者の賃金水準はどんどん低下していった。(それは企業の利潤が増えたということでもある。)派遣労働者の存在によって正社員もまた労働強化に苦しむようになった。つまり、いつでも派遣社員に切り替えることができることが正社員には分かっているから、会社のどのような理不尽な要求にも従わざるを得なくなるのである。すなわち、日本の労働者は企業の奴隷と化してしまったのである。
かくして、現在の日本の会社の大半はブラック企業となった。ブラック企業とは、①社会に害悪を為す企業、②社員を非人間的に扱う企業、の二つの意味がある。日本の会社の大半は、①でなければ②だろう。それは、派遣労働者法から必然的に導かれた結果なのである。賢い官僚たちにこの結果が見えていなかったはずがない。だが、企業の要望に応えて彼らはこの法律を作ったのである。
つまるところ、経済組織(企業)とは一種の怪物(リヴァイアサン)なのであり、手綱をゆるめると社会破壊的な行動に突き進むものなのだろう。簡単に言えば、経済組織とは個人における「金儲けの欲望」が実体化したものでしかないのだ。それが本来の「経済」の名に値しないことは言うまでもない。その「悪しき経済」を動かす存在である経団連とは、人間のクズの集まりだと私は思っている。
(言うまでも無いが、世の中には良心的な企業も存在することは分かっている。だが、企業が大企業になればなるほど、利益追求が自己目的化し、怪物になっていくというのが事実ではないだろうか。そして、悪質な(大)企業ほど政治を利用し、国民全体に被害を与えるものなのである。現在の消費税増税の議論が経団連から持ち出された意見であることを、我々はよく覚えておくべきだろう。官僚たちが消費税増税で直接に利益を得るわけではない。消費税で利益を得るのは「戻し税」のメリットのある輸出企業なのである。)
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コメント
1. 新自由主義に枠をはめるもの
ファンドやグローバル企業・財閥は既に国家の枠ではコントロールできずに、国家がこれら巨大な経済力に振り回されている状態といえます。世界の叡智でこの怪物をコントロールできる枠を作ってゆく必要があると思うのですが、良い知恵はないでしょうか。