https://indeep.jp/what-s-happening-around-the-attack-on-nord-stream/
<転載開始>
ノルドストリーム事案は「破壊工作」だと各国で一致。しかし誰が?
前回の記事を書いている途中で、ロシアからの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」で原因不明の破損とガスの流出が起きていることを知りました。
その時点では、原因はわかっていなかったのですが、今日になり、以下のように報じられていました。ロイターの報道です。太字はこちらでしています。
ノルドストリームガス漏れ、破壊工作か 欧州が原因究明急ぐ
ロイター 2022/09/28
ロシアから欧州に天然ガスを送る海底パイプライン「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」で発見されたガス漏れについて、ドイツ、デンマーク、スウェーデンは27日、破壊された可能性に言及した。ただ、不明な点が多く、欧州は原因究明を急いでいる。
ドイツのハーベック経済相は、ガス漏れはガス管を狙った攻撃によるもので自然現象や消耗が原因ではないことは確かだと述べた。
デンマークのフレデリクセン首相とスウェーデンのアンデション首相は意図的な行為によるもので、恐らく破壊工作との認識を示した。ポーランドのモラウィエツキ首相は、証拠を示さずに破壊工作と断言した。
ロシアはウクライナ侵攻を巡る西側諸国の制裁に反発し、ノルドストリーム経由のガス輸出を削減してきた。両パイプラインは現在稼働していないが、冬が到来する前にノルドストリーム1が欧州へのガス供給を再開するとの期待は失われるとみられる。
ロシアも破壊工作の可能性があるとの見方を表明し、ガス漏れで欧州のエネルギー安全保障が損なわれたと指摘した。
……デンマーク・グリーンランド地質調査所は、地震とは異なる活動が検知され、爆発で通常記録される活動に類似していると分析した。
スウェーデンのウプサラ大学国立地震学センターは、2回目の大きな爆発が「100キログラム以上のダイナマイトに相当する」とし、爆発は海底下ではなく水中で起きたと説明した。
仮に破壊工作だったのなら、無人機によるものである可能性があるようですが、ヨーロッパの一部に致命的な影響を与えるこのようなことを「誰がやったのか」ということがあります。
普通に考えれば、これは「誰にも利益がない」ことであり、少なくともロシアにはまったく利益がありません(供給を停止し続ければいいだけですので)。米ゼロヘッジが、今年、2月の米国 ABC ニュースにバイデン大統領が記者会見で語っていた興味深い「発言」を取りあげていました。
以下のような内容で、映像は今も、ABCニュースのツイートに残っています。
2022年2月8日のバイデン大統領の発言より
記者会見でのバイデン氏 : 「もしロシアが侵略を開始すれば、ノルド・ストリーム2はもはや存在しなくなるだろう。我々はそれを終わらせることになる」
記者 : 「しかし、どうやってそれを行うのですか? このプロジェクトはドイツの管理下にあるのでは?」
バイデン氏 : 「約束する。私たちはそれを成し遂げることができるだろう」
このように、ノルドストリームの破壊を「予告していた指導者」は、今のところ、アメリカのバイデン大統領だけで、まあ、これから半年以上経っていますので、大統領本人はもうすっかり忘れているかもしれないですが、その準備はされていたのかもしれません。
また、ポーランドの元国防相であるラデク・シコルスキーさんという方が、昨日、
「ノルドストリームを破壊したのはアメリカだ」
と明言したことが伝えられています。
共に、ドイツのシュピーゲル紙が、アメリカの CIA が数週間前にドイツ政府に破壊工作の可能性について警告したと述べたことを報じたことにもふれています。
その後、この元ポーランド国防相は、以下のような、日本人などにもわかりやすいツイートを投稿しました。
「ありがとう、米国」とだけ書かれたシコルスキー元国防相の投稿
Radek Sikorski
さらに面白いのは、ノルドストリームの2本のパイプラインが攻撃された「その日」に、ヨーロッパでは以下のようなことがおこなわれていました。
「新しいパイプラインの開通」
です。
ユーロニュースの報道から一部抜粋します。
バルト海のパイプライン:ノルウェーとポーランドのガスパイプラインが開通し、これは、ロシアへの依存を削減するための重要な動きとなる
Baltic Pipe: Norway-Poland gas pipeline opens in key move to cut dependency on Russia
euronews.com 2022/09/27ポーランド、ノルウェー、デンマークの指導者たちが、新しいバルト海パイプの開通を記念する式典に出席した。これは、ロシアの天然ガスから、ポーランドとヨーロッパを引き離すための重要な段階だ。
このパイプラインは、天然ガスをノルウェー棚からデンマーク経由で、バルト海を通ってポーランドに輸送する。これは、2月にロシアがウクライナに侵攻し、世界的なエネルギー危機が引き起こされる何年も前に始まった、ロシアから離れて多様化するというポーランドの戦略の中心的存在だ。
液化ガスターミナル経由の供給とともにノルウェーからの流れは、ポーランドの計画の中心だ。同国は、ルーブルでの支払いを拒否したとして、4月にロシアのガス供給から切り離された。
ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相は、ポーランド西部のブドノでの就任式で、「ガス分野におけるロシアの支配の時代、脅迫、恐喝によって特徴づけられた時代は終わりに近づいている」と述べた。
ノルウェーのエネルギー大臣は、これは「ロシアのエネルギーからのヨーロッパの独立への重要な道の重要な一歩である」と述べた。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、「ロシアの権力の道具としてのエネルギーを排除するために、できる限りのことをしなければならない」と付け加えた。「一緒にプーチンを打ち負かしましょう」と付け加えた。
この就任式は、デンマークとスウェーデンの当局が、ロシアが運営するノルドストリーム・パイプラインで複数のガス漏れを特定し、破壊工作の懸念を引き起こした後に行われた。
デンマークのシステム オペレーターである Energinet は、デンマークでの作業が順調に進んでいるため、このバルト海のパイプは、予定より 1か月早くフル稼働できる可能性があると述べた。これにより、予定日が 1月 1日ではなく 11月末に繰り上げられる。
この新しいバイブラインは、
> 天然ガスをノルウェー棚からデンマーク経由で、バルト海を通ってポーランドに輸送する。
とありますが、最近、「ノルウェー沖で起きている不穏なこと」を思い出させてもくれます。5日ほど前に、以下の記事で取りあげました。
[記事] ノルウェーの北欧最大の石油開発事業者の石油とガス基地の周辺に「正体と目的が不明の無人機」が出現し続けている
地球の記録 2022年9月23日
北欧最大の石油および天然ガスの供給企業であるエクイノール社の「基地」の周辺に、正体不明、あるいは目的不明のドローンが飛行し続けているという報道です。
このドローンの目的と正体? ……とかいっても、わかりようがないのですが、最も重要なことは、
「今、戦争中である」
ということになりますでしょうか。戦争中には戦争中らしいことが、いつどこで起きても不思議ではありません。
ランド研究所の文書を思い出す
ノルドストリームを破壊したのが誰かはわからないですが、バイデン大統領が「約束を果たした」あるいは、ポーランドの元国防相が言うように「ありがとう、アメリカ」というようなことがあるのならば、それはそれで、以下の記事で書きました「アメリカの希望」とも一致します。
[記事] 米シンクタンク、ランド研究所から漏洩したとされる文書は「ヨーロッパを滅ぼすことを計画した主体はアメリカである」ことを示す。スウェーデンの新聞が特報として報じる
In Deep 2022年9月18日
その「アメリカの希望」とは、ここで示された文書によれば、
「ヨーロッパの没落」
です。
少なくとも、この文書では、ヨーロッパの完全な衰退あるいは滅亡を望んでいます。
ちなみに、このスウェーデンの報道の内容は、その後、「ただちにファクトチェックが動き始めた」ということで、ずいぶんと信憑性が増しています。
とるに足らない下らない内容なら、フェイスブックを始めとして、世界で一斉にファクトチェックは開始されません。
このスウェーデンの日刊紙ダグブラデットの最近の記事によれば、英国のロジカリー社 (Logically)という事実調査会社が、この内容を現在精査しており、ダグブラデット紙によれば、
「ファクトチェックより真剣な精査を行っており、じきにレビューが公開されるだろう」
とありました。
ちなみに、フェイスブックは、このランド研究所の文書に関しての情報に対して大規模な検閲を開始していまして、このランド研究所の文書、あるいは、ダグブラデットの最初の記事等にフェイスブック上でふれた場合、「虚偽」として警告されると通告しています。
こうなってきた場合、コロナワクチンのことを思い出せばいいのですが、
「ほぼ真実」
ということだと思われます。
コメント
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