という何がどうなってこうなったのかわからないような価格となっています。以下は Wikipedia からの抜粋です。
(ゾルゲンスマ - Wikipedia より)
> アメリカ合衆国では2歳以下の子供の静脈内投与製剤として2019年5月に承認された。1回の投与の費用は212.5万ドル (約2億7000万円)で、2019年時点で最も高価な薬品となった。
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> 日本では2020年2月26日に厚生労働省の専門部会、中央社会保険医療協議会(中医協)総会が国内での製造販売を了承、同年5月13日に 1回の投与の費用として1億6,707万7,222円で公的医療保険を適用する方針を決めた。日本国内で投与される薬としては、これまで最高額だった白血病治療薬「キムリア」の1回3,349万円を大きく上回り、国内最高額となる。
また、スイスインフォの「 2億円の医薬品 なぜそんなに高額なのか」という記事には、この薬価が決まった理由として以下のように記しています。
> 新薬の価値に見合った薬価を査定する非営利団体「臨床経済レビュー研究所」は、ゾルゲンスマの適正価格を 120万~210万ドル (約 1億5000万円〜 2億7000万円)とはじき出した。理由は「この致命的な病気に侵された患者家族の生活を劇的に変えるから」という。 (swissinfo.c)
これはもう狂っている薬価とそのストーリーですが、この世界で最も高価な薬を投与されたロシアの赤ちゃんが、急性肝不全で死亡したと報じられています。これは、この薬を販売しているスイスの製薬企業ノバルティス自身が発表したものです。
2億円支払って亡くなってしまうというのは、何ともいえない事例ですが、この薬は、全世界で 2,300人以上の赤ちゃんに使用されているのだとか。
もう医療と製薬の世界はムチャクチャとしかいいようがないですが、今後いろいろな疾患の分野でこのようなことは進んでいくのかもしれず、最善の方法は、「そこに近づかないこと」だとしか言いようがないです。
どうでもいいですが、この薬、「ゾルゲ」という単語から始まっている名前です。
ロシア RT の報道をご紹介します。
世界で「最も高価な薬」を服用した後、2人の乳幼児が死亡した
Two children die after taking world’s ‘most expensive drug’
RT 2022/08/12
患者たちは急性肝不全を発症したが、ゾルゲンスマの製造企業は、これは新しい「安全性への警告信号」ではないと主張している
世界で最も高価な薬と呼ばれることが多いゾルゲンスマ遺伝子治療で治療を受けた後、2人の乳幼児が急性肝不全で死亡したと医薬品メーカーのノバルティス社は 8月11日に述べた。
ノバルティス社によると、急性肝不全は、脊髄性筋萎縮症(SMA)に苦しむ患者に使用されるこの薬の「既知の有害事象」だが、この合併症によって引き起こされた死亡事例はこれが初めてだという。ノバルティス社によると、患者たちは重度の肝障害を防ぐためにコルチコステロイドを投与されていた。
死亡はロシアとカザフスタンのそれぞれの乳幼児で発生したと同社は述べ、この薬が販売されている市場の保健当局に通知し、医療従事者にも最新情報を伝えたと付け加えた。ゾルゲンスマは、患者 1人あたり約 200 万ドル (約 2億6000万円)の費用がかかる。
「保健当局の審査が待たれる中、ゾルゲンスマのラベルは更新され、致命的な急性肝不全が報告されていることを通知します」とノバルティス社は述べている。
ノバルティス社は、今回の死亡事例は「重要な安全性に関する情報」ではあるが、同社は引き続き「ゾルゲンスマの全体的な好ましいリスク/ベネフィットプロファイルを確信している」ため、 この死亡事例が「新しい安全性に関してのシグナル」とは見なされないことを強調した。
この薬は「臨床試験、管理されたアクセスプログラム、および商業環境で」世界中で 2,300人以上の患者を治療するためにすでに使用されているという。
一方、ロシアの保健規制当局は 8月12日に、ゾルゲンスマ治療を受けた患者の死亡に至った状況の「包括的な評価」を開始したと発表した。
ロシアの SMA Families(脊髄性筋萎縮症・家族の会) 慈善基金の責任者であるオルガ・ゲルマメンコ氏は、8月12日に、ロシアでは 1人ではなく 2人の患者が死亡しているとリア通信に述べた。
「死亡した最初の子どもは、薬が入手できない国で製造業者が運営する抽選を通じて薬を受け取りました。2番目に死亡した子どもは、ロシアの連邦予算により治療を受けていました」と述べた。
ゲルマメンコ氏はまた、いかなる医薬品も、その安全性を保証することは不可能であり、ゾルゲンスマの使用と死亡との間に直接的な関係があるかどうかを立証するために評価を実施する必要があることを強調した。
脊髄性筋萎縮症は、筋肉の衰弱と最終的な障害につながる遺伝病だ。重度の症状で生まれた赤ちゃんは、通常、2歳になる前に死亡する。ゾルゲンスマは 2019年に 2歳未満での使用が米国で承認され、2020年初頭には、 EU の条件付き承認を獲得した。ゾルゲンスマは、脊髄性筋萎縮症の既存の 3つの薬のうちの 1つだ。
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