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徽宗皇帝のブログ

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内田樹の狡知
「谷間の百合」ブログで、「逝きし世の面影」氏(宗純氏)が内田樹批判をしているのを知り、さらに「混沌堂主人雑記」でも宗純氏の同趣旨の記事の一部を読んだが、書かれた記事のつながりがよく分からないので、「逝きし世の面影」記事自体(過去記事)を読んでみて、やっと理解した。
まあ、内田樹が頭がいいことは私も何度か書いていると思うが、その度に、「信頼できない書き手ではある」と付け足してきたと思う。
そのどこが信頼できないのかが私にも分からず、単なる印象だったが、その原因がどこにあるのか、宗純氏が見事に分析していると思うので、その過去記事を転載する。要するに「間違ったことはひとつも書かない」が「自分の論に都合の悪い重要な事実を書かない」という手法のようだ。だから、いつも「騙されたような気分になった」のだろう。
谷間の百合さんが書いていたと思うが、トランプ批判はしながら、それ以上に悪どいバイデンの所業の批判はまったく書かなかったのもその一例だろう。

(以下引用)

内田樹の「陰謀史観」を考える

2011年09月19日 | 9・11事件と情報操作

9・11事件から十周年目の9月13日、朝日新聞の紙面審議会委員の肩書きの内田樹が、『わたしの紙面批評』欄に『情報格差の拡大』と題して、『インターネットの出現で情報貴族と情報難民の階層化が進んでいる』ので『情報の無政府状態が出現しかねない』とネット世界の拡大と、相対的にこれまで国民世論を一極支配していた新聞報道が衰退していく現状を憂える論説をしている。

(内田樹の『情報格差の拡大』を要約すると、)
横並びで均質な『日本の特徴だった「情報平等主義」がいま崩れようとしている。』
理由は、インターネット情報の出現であり、新聞情報の相対的劣化である。
『インターネットでは「クオリティーの高い情報の発信者」や「情報価値を適切に判定できる人」に良質な情報が排他的に集積する傾向がある。・・そこに良質の情報を求める人々がリンクを張る。(情報貴族の出現)
逆に、情報の良否を判断できないユーザーのところには、ジャンク情報が排他的に蓄積される傾向がある。(情報難民化)』
良否の判断ができない(能力が低い)ネットユーザーの特徴は『話を単純にしたがること』である。→その結果、『最も知的負荷の少ない世界解釈法である:陰謀史観:に飛びつく』ことになる。→
この『陰謀史観』では、『自分は世の中すべての悪の根源を知っている。』という全能感を持つことが誰でも簡単に出来る。→
この陰謀史観の『全能感』に浸てしまうと、それ以外の解釈可能性を認めなくなる。→
そして『マスメディアからの情報』を、世論操作のための『うそだ』と退ける。→
彼ら(陰謀論者)の不幸は、自分が『情報難民』だということを知らないという点にある。
と主張していて、
『私は階層社会の出現を望まない。もう一度「情報平等社会」に航路を戻さなければならない。そして、その責務は新聞が担う他ない。』と結んでいる。
内田樹は何時でもですが普通の一般論としてなら、一見すると実にまともな意見に思える仕組みなのですよ。
うっかりしていると誰もが内田論説の裏に隠されている邪悪で薄汚い真相は見えないので、全員が賛成しそうである。

『狡猾な内田樹の姑息で卑劣な陰謀』

ミッションスクールの元教授内田樹の手口ですが、相変わらず手際が良いので大勢の善良な人々が騙される。
内田樹は、例によって話の『枕』のつかみは良く出来ていて、皆さんが『なるほど!』となるのですが、その後が良くない。
内田樹の情報難民の例として出すなら、当然小林よりのりの漫画で真実の歴史を学んだと勘違いして、今まで長い間日本社会や大人や日教組の教師に『騙されていた』と怒り狂い、『自分だけは真実を知っている』と思っている嫌韓嫌中(ネットウヨ)の可哀想な若者たちがピッタリですよ。
『情報難民である。』との内田樹の指摘は、全ての客観的な科学事実に対応しており、誰にでも実に良くわかる。
インターネットの仮想空間だけに蔓延る、我々の様な大人世代では理解不能な存在である嫌韓嫌中(ネットウョ)の不思議が、内田説の『これは情報難民である』との解釈では、核心部分を突いており科学的に的確に解明されていて素晴らしい出来上がりである。
ところが世間知らずの、この内田大先生は『ネットウョ』とはいわないで突然『陰謀論』と仰られるが、今のネット世界で陰謀論とは粗9・11陰謀論に話が限定している事実は御存知ないらしい。
しかも9・11から10周年である。
世間の誰も彼もが、今は対テロ戦争の原因の9・11を思い出している時期ですよ。
そして今ではアメリカ政府の方が、何らかのインチキ(謀略)をして戦争を始めていて、最初は胡散臭いと思われていた陰謀論の方が『正しかった』と判ってきた。
しかし大手新聞しか読めない情報難民は、可哀想にWTCはツインタワーだけであると思っていて新聞が絶対に書かない47階建てのWTC7が9・11で崩壊した事実さえ知らない。

『正誤や善悪の勝敗が逆転した現在の世界』

9・11では、10年で『正論』と『陰謀論』の立場が正反対に180度逆転して仕舞ったのです。
今では大新聞のマスコミ世界だけは例外ですが、一般市民層では例外なくアメリカが何らかの謀略を企んだのは知っているので、過激派の自作自演説を筆頭にして世界の市民全員が例外なく過激派か穏健派かの程度の差があるだけで五十歩百歩の認識である。
今では一般市民全員が、『みんな仲良く陰謀論者』なのです。
陰謀論をもう一つ指摘すれば、今の日本社会で、このインチキ臭い陰謀論といえば、40年間反原発を貫いた原子力学者の京大の小出助教も、安全神話の原発村からは『陰謀論まがい』であるとか『とんでも』扱いであり、政府・経済産業省・保安院、原子力学会、電力会社、マスコミなど総ぐるみのイジメにあっていた。
しかし、半年前の3・11から世界が180度変っている。
正論が正しい平和な『安全安心』の時代は遠く昔に過ぎ去り、今では9・11陰謀論だけではなくて3・11でも正邪の勝敗が逆転する下克上の戦国時代に我が日本国は突入してしまったのです。
ところが例によって、この御仁は人一倍悪賢い。
何時ものことですが実に巧妙に批判されないように具体的な実名を絶対に出さず、わざと読者を迷宮に誘い込む手口は鮮やかである。
例によって、自説に一番ピッタリの『漫画中毒』であるとも『ネットウヨ』とも、一言も書いていないのですよ。

『9・11から10年目、3・11から半年』邪悪すぎる内田某

『恨みに報いるに徳をもってなす』と被害者側が言えば高貴な素晴らしい発想だが、加害者側なら逆にとんでもない傲慢で下劣な主張となる。
反原発の立場で清貧に甘んじた小出助教が『大事なのはお金ではない』と言えば納得するが、同じ言葉でも大金持ちの孫正義が言えば嫌味に聞こえる。
ましてや税金を払わず資産世界一になった西武の堤義明や政府の規制緩和委員会議長で濡れ手に粟の大儲けをしたオリックスの宮内義彦が言えば、これ以上に腹が立つことは無い。
『男は顔ではない』は私の口癖だが、同じ言葉をSMAPのキムタクが言えば絶対に賛成出来ない。
『お前が言うな。!』
幾ら正しい社会正義や正論でも言う場所や人物、時期によっては正反対の意味になる。
それなら、あっと驚く空中大回転。
今のネット世界の大勢である『政府や原発学者やマスコミが真っ赤な嘘を付いている。』とする反原発の風潮を苦々しく思っている既存の原発利権集団にとっては、この内田樹の今回の『不思議な主張』はピッタリなのですよ。
今の日本国民全員に蔓延する反原発の風潮を一纏めにして、乱暴にも『陰謀論』と呼んで攻撃する不思議な何とも腹立たしい、とんでもない主張なのです。

『一般市民の自然な反原発を陰謀論扱い』卑劣な印象操作

この内田樹の今回の主張は、特定の問題について述べているのではありませんが、書かれているのは9・11から10年目であるが、それ以上に日本人全体に関係していて未だ収束の目途さえ立たない3・11原発事故から半年目の節目である。
今の日本人全体の最大関心事とは嫌韓嫌中(ネットウヨ)でもないし、9・11から続く対テロ戦争でも無い。
3・11以後半年で、今や普通の日本全体の一般市民の価値観は、根本的な大変化を起こしている。
行政やマスコミへの不信感が極度に高まっている。
今まで常識であるとして一度も疑っていなかった前提条件や常識、すべてを疑う全否定の姿勢が、初めて我が日本国でも生まれたのです。
常識の根本が疑われているのですから、政府や大手マスコミとしては危機的な状況であるとも考えられる。
この内田樹の主張する、『全否定の単純化に陥ることを、一番警戒しなければなら無い。』とは何の意味か。
半年前の3・11とは、日本の政府やマスコミ等の絶対の確信だった『原発安全神話』が崩壊して全否定された、とんでもない『特別の日』であるのです。
ところが福島第一原発は爆発しても未だに原発安全神話の信者の御用学者たちA級戦犯達は誰一人も、逮捕拘留も公職追放にもならず現職のまま留まって実権を握り続けているのです。
内田樹は、電波芸者の香山リカが『反原発は引きこもり』と具体的に名指ししての、お馬鹿極まる主張をネットで行って袋叩きにあって大失敗した先例を良く知っている。
あるいは3・11直後に原発の危険性を長年訴えていた広瀬隆を『とんでも』であると個人攻撃して、その現実離れした非科学性を自分の信者からも呆れ返られたニセ科学批判教の菊池誠教祖の大失敗を知っているのですよ。
それで能天気で世間知らずの香山リカや菊池誠よりも桁違いに賢い内田樹は、このような悪質な印象操作を行っているのですね。
何とも腹が立つ忌々しい話である。

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コメント

1. 無題

過去記事といえば、「世に倦む日日」にも見事な内田樹批判があります。

内田樹の詐術と欺瞞 - 政党論の詭弁、ねじれ論の二枚舌
by thessalonike5 | 2013-07-25 23:30
https://critic5.exblog.jp/20773799/

魚拓
https://megalodon.jp/2013-0726-0013-19/critic5.exblog.jp/20773799/
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