https://earthreview.net/submerged-california-2023/
<転載開始>
パジャロで洪水の水深を確認するカリフォルニア州警備隊員。 LA Times
今後の雪解けと共に事態がカオス化する可能性
非常に規模が大きい上に、長く継続している米カリフォルニアの洪水について、以下の記事で先日、書かせていただきました。
アメリカ最大の農業生産地であるカリフォルニアが前例のない歴史的な洪水に襲われており、過去最大の作物の損失が起きている
地球の記録 2023年3月22日
カリフォルニアは、アメリカの野菜の 3分の1以上、果物とナッツの 4分の3以上が栽培されている州であり、アメリカの食糧供給、あるいは世界の食糧供給に重要な地域です。
この記事から 2週間ほど経過していますが、洪水の状況はまったく改善しておらず、それどころか悪化しています。
そして、今後、さらに悪化する可能性が極めて高くなっています。なぜかといいいますと、カリフォルニア州の積雪量がものすごいのです。
場所によっては、平年より 422%多い積雪量となっていることなどが報じられていまして、つまり普段の 4倍などの積雪となっている場所がある。
以下は、AP 通信の記事の写真で、時期は 3月8日でしたが、その後、さらに増え続けています。
カリフォルニア州リムフォレストのリゾート施設
USA Today
カリフォルニア州のマンモスレイクという場所では、4月3日に、観測史上最大の総積雪量となったことが伝えられています。
このシーズンの総積雪量が 17メートルにも及んでいます。
そして、「まだ雪はまったく溶けていない」のです (まだ降っている)。溶けるのはこれからです。
過去にないような雪解けによる水が、すでに洪水で大きな影響を受けているカリフォルニアの多くの地域に影響を与えることが確実視されています。
アメリカの各報道をまとめていた記事をご紹介します。
食糧不足と、汚染された食糧の高インフレがアメリカの食糧供給を著しく脅かす可能性
DISASTER! Food Shortages & High Inflation for Contaminated Food Threaten Nation’s Food Supply
healthimpactnews.com 2023/04/05
現在のアメリカ国内でおそらく最も過少報告されているニュースの 1つが、アメリカの農作物の 50%を生産しているカリフォルニア州の洪水の状況が悪化の一途をたどっているということに関してだ。
ロサンゼルス・タイムズは以下のように伝えている。
テュレア湖流域の西端にあるこの場所には、サッカー場 150面分の広さの悪臭を放つ産業用地がある。
この産業用地には、1日に約 8回、ロサンゼルス郡の住民からトラック 1台分の人間の排泄物が補充されている。
2016年以来、このテュレア湖の堆肥施設は、サウスランドの下水汚泥を高品質の有機肥料に変換し、地元の埋め立て地に廃棄物を埋める面倒を、ロサンゼルス郡にもたらしている。
しかし、この春、壮大なシエラネバダの積雪がこの幻の湖底を春の流出で圧倒する恐れがあり、一連の強力な暴風雨による洪水にすでに苦しんでいる地域を、さらに浸水させる可能性があり、この堆肥施設が環境災害の発生源に変わる可能性があると懸念する人たちもいる。
引退した学校教師で環境活動家のトム・フランツ氏は以下のように言う。
「テュレア湖の南西が氾濫すると、有毒な重金属を含む何千トンものロサンゼルス郡の下水汚泥が、新たに形成された湖の混合物の一部になります」
「この廃棄物が拡散してしまった場所では、人間のための食料を育てることはもうできません」とフランツ氏は述べた。
現在、この「人間の排泄物」がすべてカリフォルニアの水供給に拡散する危険にさらされている。
また、カリフォルニアの山の記録的な量の積雪が今後溶けるため、80,000 から 100,000 エーカーの農地が水没する恐れがある。
FOX ニュースは以下のように報じている。
カリフォルニア水資源局の雪調査ユニットのマネージャーであるショーン・デ・グズマン氏は以下のように述べている。
「私たちは現在、テュレア湖地域で記録的な春の融雪を予測しています。これは、キングス川流域の平均 265% から、カーン川流域では、融雪水の平均量が 422% という途方もなく高い範囲となると予測しています」
1979年以来、農学者であり、農業ビジネスで 59年以上の経験を持つマーク・グレワル氏は、1983年の洪水を乗り切った経験を持つ。
グレワル氏は、今回はもっと悪くなると予測している。
「約 200平方マイル (320平方キロ)の農地が水中に沈むというより……おそらくもう少し範囲が大きくなると考えています」
「そして、その(洪水の)水は 2年間はそこに留まる可能性があります」と グレワル氏は言う。「それは、農地と農業に大きな影響を与えるでしょう」
グレワル氏は、それがセントラルバレーとそしてカリフォルニア州全体に少しずつ影響を与えるだろうと述べる。
「影響を受けるすべての乳牛、それらの乳牛の飼料、バター、牛乳、アイスクリーム、チーズなどすべてが影響を受けるでしょう」と彼は言った。
グレワル氏は、テュレア郡だけで、アメリカの全牛乳の 20%以上を生産していると述べている。
カリフォルニア州は、アメリカで最大の牛乳生産州であり、そしてカリフォルニアの大規模な酪農場のほとんどは、すべての洪水が発生しているセントラルバレーに存在している。
100,000頭以上の牛を、高台の仮設施設に移さなければならず、しかし、それらの施設には搾乳するための搾乳機がないため、現在すでに乳生産から除外されている。
牛を救うことに重点が置かれているが、それらの牛は現在牛乳を生産していないと報じられている。
州の一部の酪農家たちは、酪農事業を継続できるかどうか疑問に思っていると述べている。
酪農場に加えて、中央カリフォルニアには国内最大級の牛肉加工工場がいくつかある。
浸水した郡の 1つであるキングス郡には、2021年の時点で 1日あたり 1,500頭の牛を処理していたセントラル・バレー・ミート社の本社がある。
彼らはファーストフード業界への牛肉の主要な供給業者であるが、洪水が彼らの業務にどのように影響しているかについてのニュースレポートは、まだ見たことがない。しかし、大きな影響が出ていると予測される。
カリフォルニアは国の食糧の多くを生産しているため、カリフォルニアでの農産物の損失は、不足と価格の上昇を引き起こす可能性がある。
アメリカの食糧インフレの可能性について、ファーストポスト紙は以下のように報じている。
<転載終了>カリフォルニア州食品農業局によると、農地が浸水し、さらなる降雨が警告される中、カリフォルニア州はアメリカの野菜の 3分の1、果物とナッツの 4分の3を生産しているため、食品価格が上昇する可能性がある。
統計によると、カリフォルニアはアメリカ最大の農業輸出国であり、アーモンド、アーティチョーク、ナツメヤシ、ニンニクなどを含むいくつかの製品の国内唯一の輸出国でもある。
カリフォルニアは、アメリカ国内のみならず世界の食料供給源となっている。
レポートによると、カリフォルニア州は缶詰加工品のトマト生産全体の 99%を占めているため、パスタソースやピザソースのコストが影響を受ける可能性がある。
専門家たちは、来年にかけてトマトソースの価格に影響が出るだろうと述べている。また、専門家たちは、レタスの価格についても、この 4月から上昇する可能性があると警告している。
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