原作版「仮面ライダー」のラストの話は前にも聞いたことがあるが、おそらくマスコミで働いている人の多くにとってはマスコミが洗脳装置であるのは常識なのだろう。
(以下引用)
編集者: 国民はまさか新聞テレビが自分たちを洗脳しているなどと想像もできないでしょうが。
秋嶋(響堂): そもそも世界最初の新聞社がイギリス王室の所有であったとおり、マスメディアとは発生の段階から権力のスタビライザー(安定装置)なのです。ナポレオンだって35の新聞を廃刊して許認可制にしましたからね。レーニンは新聞やラジオを「イデオロギーの武器」と称していたし、ヒトラーはテレビを洗脳機械と位置付けていました。まして日本の報道機関はGHQによってそのまま占領統治の道具にされている。つまり終戦から70余年が経過した現在も、検閲コードがそのまま残っているわけですよ。だから反米的な記事は一切掲載できない。例えばトランプ大統領が財政法の上限を取っ払ってまで軍事予算を上積みするキチガイだとか絶対に報道しないでしょ(笑)。いずれにしろメディアは支配層が、国民層に仕掛ける心理戦争の中心ツールであると認識しなくてはなりません。
編集者: 今だ民衆は彼らが中立的な報道機関だと思っていますからね。
秋嶋 マスコミの実体は報道機関ではなく広告企業ですから、広告主である企業や官庁に言われるまま我々を欺き洗脳するのも当然なわけです。まして新聞などは購読料より広告料が上回っているわけですから、広告主である彼らに阿るのは当然です。なのに国民はそういう「主従関係」を全く理解していない。ちなみにフーコーは新聞について「教会に代わる現代の礼拝物」だと語っているんですよ。要は新聞が国民の意識を一つに束ねるエピステーメーの装置だと主張しているのです。そうやって我々の意識は規格化され作られているわけですね
編集者: もはやマスメディアは国民の敵だと言ってもいいですね。現実として我々は報道によって殺されようとしている。
秋嶋: 原作版の『仮面ライダー』の最終話を読んだことがありますか?1号ライダーと2号ライダーがショッカーの秘密基地に乗り込んで首領と対決するんですが、実は組織の正体が日本政府で、テレビを洗脳装置にして国民奴隷化計画を推進中だったというオチなんですよ。僕の社会学理論はそこから始まったようなものですが、研究を進めるうち現実は漫画の世界よりもずっと酷いと知りました(笑)。
http://www.asyura2.com/16/hihyo15/msg/429.html#c2
>響堂雪乃(きょうどう ゆきの);僕は「A日新聞系の広告代理店」で編集長に就任したとき、「読者のレベルに合わせて低劣なものをつくれ」と言われたんですよ。新聞の読者なんて馬鹿ばかり、特に高齢者や女性は低知能者ばかりだから、そういう連中のレベルに合わせて編集しろというわけです。しかたないから命令どおり極力簡単な言葉で記事を書いたのですが、それでも、まだセグメント(低知能者である読者)には難しいというわけです。
で、今度は社長が自分の女房を会社に連れてきて、「今日からコイツに書かせろ」とかいうわけですよ。しかたがないから、そのオバサンを取材に行かせて記事を書かせたら、これがまた小学3年生の作文みたいな文章で、僕の仕事はそれをかろうじて読める程度の記事に編集するという低劣なものだったわけですね。これまで何度か仕事を変わりましたが、あれほどアタマを使わない仕事を経験したことはありません。1年も続けていると、IQが 30% くらい後退するような印象です。そして、それがクオリティペーパーだとか、オピニオンリーダーだとかを自称する全国紙の実態なわけですね。
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>響堂雪乃;僕がつくっていたのはオリコミの補完媒体なのですが、本体の記事を書いている連中も同じです。調査報道なんてほとんどなく、記者クラブを経由して上がってくる官庁作文や経済団体のパブリシティをコピペするだけ。その隙間を通信社の配信や、どうでもいいスポーツ情報で埋めるだけの作業です。だから、読売も、朝日も、毎日も、全部同じわけですね。社会の木鐸(しゃかいのぼくたく:社会の人々を目覚めさせ、教え導く人)」や「権力の監視」なんていうのも題目で、今や三大紙の主筆は公然と与党幹部と飲食を繰り返しているし、一昨年の読売新聞本社の落成には安倍晋三が招聘(しょうへい:礼を尽くして人を招くこと)されていました。
新聞協会に至っては軽減税率の適用を求め、自民党に献金する始末だし、そもそも、広告媒体である新聞が、自身のクライアント(依頼人・顧客・取引先)である経団連に不都合なことを書けるわけないじゃないですか。しかし、購読者はこの自明性が全く理解できないのです。今や新聞と公権力は不可分一体であり、だからこそ、彼らはTPP批准(ひじゅん:全権委員が署名して内容の確定した条約を、条約締結権を持つ国家機関が確認し、これに同意を与えること)を慶事のごとく書き立て、放射能は安全だと絶叫し、自民党の要望に従い捏造した支持率を一面に掲載するというわけです。いずれにしろ、新聞事業の本質とは「支配装置」であると同時に「言語機能を破壊して民衆の知性を低位に保つこと」にあるわけです。言わば、購読者は「カネを払って自分を洗脳している」わけですから、全く「オメデタイ」としか言いようがありません。
・・・・「植民地化する日本、帝国化する世界」の中の『第4章 過酷な世界を どのように生きるべきなのか』より抜粋。