「泉の波立ち」から転載。
読者コメントも面白いので載せておく。長くなるので、感想は無し。これを載せただけで私の意見は分かるだろう。
(以下引用)
読者コメントも面白いので載せておく。長くなるので、感想は無し。これを載せただけで私の意見は分かるだろう。
(以下引用)
2018年10月24日
◆ 優秀な外国人を薄給で
外国人労働者を招くのは、優秀な人材を薄給で雇用するためだ、という方針を首相が示した。
──
「優秀な人材を薄給でこき使うため」
というのは、いかにも馬鹿げているが、一国の首相が堂々と声明した。呆れた話だが。
ただし、同一文脈で語ったわけではない。これまでは「人手不足の分野で」と述べていた。つまり、「あまりにも低賃金なので、人が来なくなって、人手不足だ」という低賃金の産業で人手を補完するためだ。
これは、「低賃金・低能率」の外国人を招くためだった。該当する分野は、低賃金で有名な介護職や、3K 職場など。具体的には、下記だ。
ま、低賃金で人手不足なった産業に限定して外国人を招く……というのは、それはそれで合理的な発想だ。正しいことではないが、「他人に大迷惑をかけても、自分だけは金儲けしたい」というエゴイストの発想であれば、それなりに合理的ではある。
( ※ 泥棒も同然なので、まったくお薦めできないが。)
──
ところが、本日になって、安倍首相はこれに別の要件を追加した。「優秀な人材」ということだ。
外国人に「優秀な人材」を求めるのであれば、それなりに高給を払うべきだろう。
なのに現実には、「低賃金で人が来ない」というところで穴埋めばかりを狙っている。これはつまり、「優秀な人材を薄給で雇用したい」ということだ。
馬鹿丸出し、というしかない。
──
では、どうするべきか?
単に薄給だけを狙うのが、これまでの方針だった。これはこれで、筋が通っている。(人でなしの悪だが。)
一方、「優秀な人材を」と求めるのであれば、「高給を払う」ということを前提とするべきだ。たとえば、次のようにする。
「外国人労働者を指定業種で雇用するときには、最低賃金の3割増しの金額を払うことを条件とする」
これならば、その給料に見合うだけの優秀な人材を雇用することになる。(優秀でなければ、その金額を払う価値がないから、雇用も成立しない。)
──
上の方針ならば、「優秀な人材を雇用する」ということになる。これはこれで可能だ。
一方、安倍首相は、そういう方針を取らない。つまり、あくまで最低賃金(以下)で雇用しようとする。それでいて、「優秀な人材を」と求める。これはつまり、「優秀な人材を薄給で雇用する」ということだ。
これは、本人が夢想のつもりで冗談半分で言っているのならともかく、本気で言っているとしたら、言っている本人の頭がおかしいことを示しているだけだ。
ちなみに、そこいらの街中の中小企業の社長が、こう言ったとする。
「すごく優秀な人材を雇用したいんです。設計でも営業でもいいから、抜群の能力をもつ、エリート社員を雇用したいんです。だけど、賃金は、最低賃金しか払いません」
こんなことを言う社長がいたら、「頭がおかしい」と思われるだけだ。
で、安倍首相は、そういうことを言っているわけだ。馬鹿丸出し。国民として、恥ずかしい。
[ 付記1 ]
安倍首相の所信表明は、馬鹿丸出しなのだが、よく考えれば、安倍首相の言いそうなことだ。
そもそも、「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」というのも、やはり、「優秀な人材を薄給で」という方針だった。根は同じだ、と言えそうだ。
[ 付記2 ]
所信表明では、こう言っている。
「日本人と同等の報酬をしっかりと確保いたします」というのは、まともなことを言っているようだが、よく考えると、おかしいね。
そもそも該当の産業は、「日本人の人手が足りない」という分野であって、日本人では需給の均衡が成立していない。つまり、均衡価格になっていない。つまり、その価格は不当に低い価格である。
このような不当な価格を採用して、「日本人と同等だ」と言っても、無効だ。「比較するべき日本人がいない( or 不足する)」という状況となっている。
「日本人と同等の報酬」ではなくて、「最低賃金よりも3割以上高い金額」というふうに、絶対額で示すべきだ。
結局、安倍首相が言っているのは、(企業の望むように)「最低賃金レベルの低い賃金で雇用したい」ということであり、その一方で、「日本人にも同レベルしか払うつもりはないから、これは適正な賃金なんだ」と言い張るわけだ。実際には人が来ないような低賃金なのに、それを適正だと言い張るわけだ。
もう、メチャクチャである。頭がおかしいせいかな。
【 関連動画 】
【 関連項目 】
外国人労働者を低賃金で雇用すると、雇用した会社は利益を得るが、社会全体は損をする……という話を、別項で示しました。(朝日の記事を批判する形で。)
→ 外国人労働者の導入の記事
──
「優秀な人材を薄給でこき使うため」
というのは、いかにも馬鹿げているが、一国の首相が堂々と声明した。呆れた話だが。
ただし、同一文脈で語ったわけではない。これまでは「人手不足の分野で」と述べていた。つまり、「あまりにも低賃金なので、人が来なくなって、人手不足だ」という低賃金の産業で人手を補完するためだ。
これは、「低賃金・低能率」の外国人を招くためだった。該当する分野は、低賃金で有名な介護職や、3K 職場など。具体的には、下記だ。
政府が外国人労働者の受け入れ拡大のために新設する在留資格「特定技能」で農業や建設業など、14業種を対象に検討していることが関係者の話で分かった。技能実習制度の対象になっていない、外食業や宿泊業も含まれている。
「特定技能」の対象として政府が検討している14業種
・介護
・ビルクリーニング
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
・素形材産業(鋳造など)
・産業機械製造業
・電子、電気機器関連産業
・建設業
・造船、舶用工業
・自動車整備業
・航空業
・宿泊業
( → 新たな在留資格、自民に慎重意見 政府は14業種で検討:朝日新聞 2018-10-23 )
ま、低賃金で人手不足なった産業に限定して外国人を招く……というのは、それはそれで合理的な発想だ。正しいことではないが、「他人に大迷惑をかけても、自分だけは金儲けしたい」というエゴイストの発想であれば、それなりに合理的ではある。
( ※ 泥棒も同然なので、まったくお薦めできないが。)
──
ところが、本日になって、安倍首相はこれに別の要件を追加した。「優秀な人材」ということだ。
安倍晋三首相は同日午後の衆参両院本会議で所信表明演説を行い、外国人労働者の受け入れ拡大に伴う出入国管理法改正案の意義を訴え、(以下略)
外国人材の活用では、新たな在留資格創設を柱とする入管法改正を目指す方針を表明し、「世界中から優秀な人材が集まる日本を創り上げていく」と訴えた。
( → 安倍晋三首相 所信表明演説 第197臨時国会召集 - 産経 )
外国人に「優秀な人材」を求めるのであれば、それなりに高給を払うべきだろう。
なのに現実には、「低賃金で人が来ない」というところで穴埋めばかりを狙っている。これはつまり、「優秀な人材を薄給で雇用したい」ということだ。
馬鹿丸出し、というしかない。
──
では、どうするべきか?
単に薄給だけを狙うのが、これまでの方針だった。これはこれで、筋が通っている。(人でなしの悪だが。)
一方、「優秀な人材を」と求めるのであれば、「高給を払う」ということを前提とするべきだ。たとえば、次のようにする。
「外国人労働者を指定業種で雇用するときには、最低賃金の3割増しの金額を払うことを条件とする」
これならば、その給料に見合うだけの優秀な人材を雇用することになる。(優秀でなければ、その金額を払う価値がないから、雇用も成立しない。)
──
上の方針ならば、「優秀な人材を雇用する」ということになる。これはこれで可能だ。
一方、安倍首相は、そういう方針を取らない。つまり、あくまで最低賃金(以下)で雇用しようとする。それでいて、「優秀な人材を」と求める。これはつまり、「優秀な人材を薄給で雇用する」ということだ。
これは、本人が夢想のつもりで冗談半分で言っているのならともかく、本気で言っているとしたら、言っている本人の頭がおかしいことを示しているだけだ。
ちなみに、そこいらの街中の中小企業の社長が、こう言ったとする。
「すごく優秀な人材を雇用したいんです。設計でも営業でもいいから、抜群の能力をもつ、エリート社員を雇用したいんです。だけど、賃金は、最低賃金しか払いません」
こんなことを言う社長がいたら、「頭がおかしい」と思われるだけだ。
で、安倍首相は、そういうことを言っているわけだ。馬鹿丸出し。国民として、恥ずかしい。
[ 付記1 ]
安倍首相の所信表明は、馬鹿丸出しなのだが、よく考えれば、安倍首相の言いそうなことだ。
そもそも、「裁量労働制」「高度プロフェッショナル制度」というのも、やはり、「優秀な人材を薄給で」という方針だった。根は同じだ、と言えそうだ。
[ 付記2 ]
所信表明では、こう言っている。
入国管理法を改正し、就労を目的とした新しい在留資格を設けます。出入国在留管理庁を新たに設置し、受入企業の監督に万全を期します。社会の一員として、その生活環境の確保に取り組んでまいります。さらに、日本人と同等の報酬をしっかりと確保いたします。
( → 安倍晋三首相、所信表明演説の全文 )
「日本人と同等の報酬をしっかりと確保いたします」というのは、まともなことを言っているようだが、よく考えると、おかしいね。
そもそも該当の産業は、「日本人の人手が足りない」という分野であって、日本人では需給の均衡が成立していない。つまり、均衡価格になっていない。つまり、その価格は不当に低い価格である。
このような不当な価格を採用して、「日本人と同等だ」と言っても、無効だ。「比較するべき日本人がいない( or 不足する)」という状況となっている。
「日本人と同等の報酬」ではなくて、「最低賃金よりも3割以上高い金額」というふうに、絶対額で示すべきだ。
結局、安倍首相が言っているのは、(企業の望むように)「最低賃金レベルの低い賃金で雇用したい」ということであり、その一方で、「日本人にも同レベルしか払うつもりはないから、これは適正な賃金なんだ」と言い張るわけだ。実際には人が来ないような低賃金なのに、それを適正だと言い張るわけだ。
もう、メチャクチャである。頭がおかしいせいかな。
【 関連動画 】
【 関連項目 】
外国人労働者を低賃金で雇用すると、雇用した会社は利益を得るが、社会全体は損をする……という話を、別項で示しました。(朝日の記事を批判する形で。)
→ 外国人労働者の導入の記事
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恐らく違っています。
推測するより他を持ち合わせていませんが・・・
高度なボンボン度に
学歴、職歴、永田町度、世襲度などを勘案すると
各所で想像力や思慮に欠けているのではないかと思われますが・・・
という私も同じく欠けているのでありますが・・・
といえば、
片や、成蹊大学、学習院大学、中央大学、法政大学の出身
片や、あまたの北京大学に精華大学の出身
安倍首相は別に頭はおかしくないと思います。「優秀な人材を薄給で雇用」が馬鹿げているように思うのは、「他者には他者自身の利害も思惑もあるので、他者は自分の思い通りにならない。」というのが前提ですが、安倍首相はこれまでずっと取り巻きに守られてきました。例えば「自分達の側が、事実とは違う事を言っていました。」と言う加計学園理事長のような。ですから安倍首相は「他者は自分に忖度し、自分の良いようにするもの。自分を首相にしているのは国民なのだから、国民の側が忖度して良いようにするのが当然。」という考えなのではないかと思われます。