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徽宗皇帝のブログ

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子供と遊びと勉強
今の子供に昔のファミコンをさせたらどう思うか、という企画の記事の後半部分だが、今の子供の置かれた「遊び環境」の問題が少し論じられていて、これは案外大きな問題ではないか、と思うので転載しておく。
ちなみに私は40を過ぎてからテレビゲームを始めた人間で、親戚の子供の古い機器を譲り受けたのがきっかけだったが、それまではテレビゲームをやる人間は阿呆だ、という考えだった。
今でも、テレビゲームは「時間食い」の趣味だとは思うが、その時間が無駄遣いかどうかは人次第だろう。それに、趣味というものはもともとkilling time(暇つぶし)の側面がある上に、これほど安価な娯楽も無い(何しろ、同じゲームを数十回も繰り返しやることもある。これが小説だと、同じ小説を読むのはせいぜい数回が限度だろう。)のだから、老人の老後の趣味としては最適ではないか。碁や将棋がまともな趣味とされているなら、テレビゲームも同じように扱われていい。
ただし、少し極論になるが、テレビゲームは、特に子供にとっては麻薬のようなものでもあるから、「子供には」禁止してもいいとも思う。(まあ、大人でも、生活費を自分で稼いでいない人間には禁止していい。)
こんな面白いものがあっては、勉強などに使う時間がもったいないと子供が思うのは当然だろう。子供は厳しく育てて、人生の成功者にし、あわよくば自分の老後を養わせようと思っているような父母にはゲームは目の敵にされて当然だ。(なお、何が人生において成功なのかは主観的な問題でしかない。)
テレビゲームは麻薬や酒や煙草と同じ類いの「中毒性の存在」だから、「時間を決めてやる」というのは難しいだろう。あのバイオリニストの母親が子供のゲームソフトを叩き壊したのも当然であるわけだ。
ただし、あるゲームが「一生の友」となることもあり、友人は人生に不要だ、という人生観を持つ両親ならともかく、子供からそうした「人生の至福の時間」を知る機会を失なわせていいのか、ということも考えたほうがいい。要するに、「戦争と平和」も「カラマーゾフの兄弟」も「ドラゴンクエスト」も「人生を豊かにしてくれる」という点では等価だ、ということである。


(以下引用)



「せっかくだから聞いてみたいんだけど、今の子供達ってあんまり外で遊ばない、みたいな事を言われたりするけどやっぱり外ではあんまり遊ばないの?」



「え、外で鬼ごっこやったりするよ」



「僕も野球やる」



「えー、そうなんだ。野球は公園でやるの?」


 


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「それがね、酷い話なんですよ……!」


「なんか変なオッサンが急に出てきた」



「失礼な。父親です!」


 


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 そんなわけでいきなりですが紹介しておきますと、
 今回、ご自宅の提供とご子息をご紹介頂いた某お父さんです。
 ゲーム業界で活躍中。 


「いやね、近くの公園にね、壁当て用の壁がずっと昔からあったんですよ。ボールをその壁に向かって投げて練習するっていうね。タイラが入ってる野球チームってもう30年くらい歴史があるチームなんですが、その監督もコーチも、みんなその壁に向かってボールを投げて練習してきたのに、近所から『ボールが当たる音がうるさい』ってクレームが来て壁を撤去しちゃったんですよ」



「おお……! そういう話って全国で多発してそうですね……!」



「そうなんですよ! 酷い話だと思ってTwitterにも書いたんですけど、子供達に対する風当たりが強い世の中になっちゃってるんですよね。公園もね、ボール遊び禁止だとか自転車の乗り入れ禁止だとか大声出すなとかっていう注意書きがあったりするじゃないですか。そのくせに子供が家でゲームして遊んでたら『今の子供は外で遊ばない! 軟弱だ!』って言うでしょ。公園で遊べなくしてるのは大人達なのに、どうしろって言うんですか」



「ちょっと、どうしたんですか。めちゃくちゃ怒ってるじゃないですか」



「そりゃあ怒りますよ! 子供が可哀想ですよ……。公園なんて本来子供のための場所だし、公園は昔からあったわけで、後から引っ越してきた人のクレームで子供達が遊べなくなるなんてひどい話じゃないですか。だから今度役所に文句言ってやろうかと思って」



「すごい。懐かしのゲーム企画なのに、急に行政批判が飛び出した」



「それにね、子供達同士がね、遊ぶ時って僕らの時は家の前に行って『○○く~ん! あそぼ~!』って言って友達を呼んだりしてたじゃないですか。でも今はそういうのに対して『ちゃんと親の確認を取れ』とかって言われたりするんです。お互いの親に話して、親同士が連絡して、OKが出たらやっと一緒に遊べるっていう」



「なるほど。友達と遊ぶのに事前にアポ取りしなきゃいけないんだ」



「そんなのってすごく窮屈じゃないですか。ほんとね、保育園の建設反対運動とかもそうですけど、そんな風に子供を育てにくい環境にしてたら当然人口は増えないし将来の労働人口が減って税収も減るんですよ。そうなった時に真っ先に困るのはお年寄りのはずでしょう? 自分で自分の首を絞めてるんですよね」



「あ、ちょっと待って下さい」



「どうしました?」



「いや、前半のほのぼの路線からの展開が急すぎて貧血起こしそうです」



「色々すいません」


ゲームと子育て

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「お父さんは子供がゲームをする事に寛容なんですね」



「まあ僕はゲーム業界で働いてますし、ゲームのおかげでご飯を食べてこうやって子供を二人育ててますからね。何かとゲームって目の敵にされがちですけど、マサキが字を覚えたのってゲームのおかげですからそんなに悪いことばかりだとも思いません」



「え? どゆこと?」



「この子が幼稚園の頃かな? 『ポケモン』をやってたんですけど、まだ小さいからひらがなもあんまり読めないんですよ。だから、なんとなくわからない部分は飛ばしながらゲームをやってたら、お気に入りで育ててたポケモンを間違えて消しちゃったんですよ。なんだっけ?」



「ヒコザルかな?」



「そうそう。ヒコザルが消えて、『パパ! ヒコザルが居なくなっちゃった!』って。お前それ間違えて消したでしょ、って。文字が読めないからしょうがないんだけど、この子がそれでものすごく悔しがってショックを受けて、必死に勉強して、2週間でひらがなもカタカナも全部読めるようになったんですよね。だからこの子は幼稚園の中でも文字を覚えるのがすごく早かったし、その内今度は攻略本とかを読みながらやるようになって漢字も覚えて、っていう」



「おーーー。ゲームで文字を覚えたんですね」



「そうそう。だからいまだにこの子は本を読むのが好きですからね」


 


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 そんなマサキくんの机の上に置いてあった星新一のショートショート。
 将来は僕みたいなライターになったりするのかもしれない。


「でも君たちは良いよなぁ。『ポケモンGO』とかの革新的なゲームが今後も色々と出て来るだろうけど、おじさんくらいの年になるとついていけなくなるからなぁ……。僕に子供が出来たとしても、その頃の子供がやるゲームなんてついていける自信無いわ……



「大丈夫ですよ。今回証明されたみたいに、名作はいつの時代でも名作なので、昔自分がハマったゲームを子供と一緒にやれば良いんじゃないでしょうか」



「なるほど。上手くまとめましたね」



「恐縮です」


 


結局なんだかんだで遊び続ける子供達。マジで「くにおくん」は名作。
※結局なんだかんだで遊び続ける子供達。マジで「くにおくん」は名作。


 はい! というわけで今回の企画はいかがだったでしょうか!


 まあ確かに、考えてみると夏目漱石なんて死んでから100年経ちますけど、読んでみたらいまだに面白いですし、ファミコンとは言え名作と呼ばれたゲームはどの時代にやっても面白いものなのかも知れません。「子供達がやってるゲームがわけわかんなすぎてついていけない!」みたいなお父さん、お母さんは昔やったゲームを引っ張り出して、たまにはハメを外して子供達と一緒に遊んでみても良いかも知れない!

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