立憲民主党の山井和則衆院議員は11日、国会内で開かれた「『統一教会』国対ヒアリング」で、世界平和家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁が、岸田文雄首相を「岸田」と呼び捨てにした音声について取り上げた。
韓総裁の音声は教団の〝聖地〟とされる韓国・清平で、6月28日に日本の教団幹部を前に発言したものだとされている。「今の日本の政治家たちは統一教会に対して、何たる仕打ちなのか。家庭連合を追い詰めているんじゃない。政治家たち、岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい。分かっているわね」と韓総裁は同教団幹部に指示を出した。
続けて「私を〝独生女〟(救世主)だと理解できない罪は許されないといったのに、その道に向かっている日本の政治はどうなると思う。滅びるしかないわね」と自身を救世主と認めない日本に対し「滅びるしかない」と発言したという。
日本政府は同教団への解散請求に向けて「質問権」を6度にわたって行使。文部科学省は教団のこれまでの回答を踏まえ、解散命令を請求するかについての検討を進めている。
山井氏は同ヒアリングで文化庁担当者に「(教団の)悪質性という中で、韓総裁が『岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい』という発言自体が、統一教会の悪質性を補強して、解散請求を加速させるようなことにつながるのではないのか」と質問した。
同庁担当者は「この発言自体をこちらで判断したり説明できる状況ではないですけど、解散命令の要件や裁判所との関係を含めて、(韓総裁の)発言1つが、同教団の活動の事実関係を明らかにすることの証拠ということになってくるのだと思います」と答えた。
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