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 国立感染症研究所は13日、昨年1年間の国内の梅毒感染者数が4518人(速報値)に上ったと発表した。4千人を超えたのは1974年以来、42年ぶり。大西真・細菌第一部長は「不特定多数との性行為などリスクの高い行動を取った人は、検査を受けてほしい」と呼びかけている。

 梅毒は主に性行為で広がる細菌性の感染症で、性器や唇にしこり、ただれが起き、進行すると全身に赤い発疹ができる。感染者は戦後まもない時期は年10万人を超えていたが、治療薬の普及などで減少。2012年までの20年間は1千人未満と落ち着いていたが、13年以降、急増している。


 昨年の患者を都道府県別でみると、東京1661人、大阪583人、神奈川284人、愛知255人、埼玉190人、兵庫181人、千葉139人、北海道117人、福岡107人などと都市部で多い。


 全体の約7割を占める男性は各年齢層から偏り少なく報告されているが、女性は20代が女性全体の5割超を占め、感染増加が目立つ。男性の同性間の性的接触による感染だけでなく、近年は異性間での感染も広がり、患者増加に拍車がかかっているとみられるが、原因ははっきりしない。妊婦が感染していると死産・流産のほか、胎盤を通して赤ちゃんが感染し障害や病気を持つ危険がある。