マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2023/11/post-b97bfa.html
<転載開始>

2023年11月4日
Moon of Alabama


 NBCnewsウェブサイトに観測気球が掲載された。ウクライナでの敗北をアメリカとNATOが認めることに対して国民の反応を探っているのだ。


 アメリカと欧州当局がウクライナに和平交渉の話題を切り出したと情報筋 - NBCnews - 2023年11月3日


 戦争を終わらせるために、ロシアとのどのような和平交渉があり得るかについて、ワシントン-アメリカと欧州当局がウクライナ政府と密かに話し合い始めたと、この議論に詳しいある現職アメリカ高官と一人の元アメリカ高官が語った。


 ウクライナの本当の状況を考慮して、敗北を認めるのをゼレンスキーが嫌がっているというタイム誌記事が出た同じ週にだ。同じ週、エコノミスト誌がザルージ二ー将軍にインタビューしたが、軍隊が崩壊の危機に瀕しているにもかかわらず、前線の膠着状態について彼は楽観的に語った


 この三つを総合すると、ウクライナでの敗北を認めつつも、失態をウクライナ代理勢力のせいにするというアメリカ政権作戦の一環かもしれない。


 NBC記事に戻ろう。


 当局によると、合意に達するためウクライナが何をあきらめる必要があるかに関しての非常に大まかな概要が会談には含まれているという。当局者が微妙だと表現した会談の一部は、先月ウクライナ防衛コンタクトグループとして知られるNATO加盟国を含むウクライナを支援する50カ国以上の代表者会合で行われた。


 当局によると、この協議は、ウクライナ現地の軍事状況やアメリカと欧州の政治状況を尊重しているという。


 当局によると、戦争が膠着状態に達していることや、ウクライナ支援を継続する能力を米欧当局は懸念している。ウクライナの兵力が枯渇しつつあり、ロシアには無限の資源があるように見えるのをバイデン政権高官も懸念していると当局者は述べた。ウクライナも徴兵で苦闘しており、最近はウォロディミル・ゼレンスキー大統領の無期限徴兵制要件の一部に対し公然と抗議活動が行われている。



 ウクライナ軍の問題は明白だ。人が少なく、徴募できる要員が依然不足している。ウクライナ軍が受けた実際の損失を評価するのは困難だが、約300,000人の死者と約500,000+人の負傷者に上っており、彼らの多くが今や無力化されていると知っても驚くまい。


 とうとう、ウクライナの人的資源に関するこれらの懸念が認識されている。


 事情に詳しい二人の関係者によると、ウクライナ兵力の枯渇にジョー・バイデン大統領は目を向けている。


 「現在、政権最大の関心事は人的資源だ」と、ある人は言う。アメリカと同盟諸国はウクライナに武器を供与できるが「それを使う有能な兵士がいなければ殆ど役に立たない」と、この人物は言う


 最後の一文は、こう書いているタイム誌記事から引用したようだ。


 軍の一部では、武器や弾薬の不足より人員不足が更に深刻になっている。アメリカと同盟諸国が約束した全ての武器を供与したとしても「それを使う人材がいない」とゼレンスキー側近の一人が私に語った。


 ウクライナ自身が新たな旅団を作り出すより早く自分の旅団を破壊している


 ここ数日、第47旅団(レオパルト2)と第10山岳旅団(T-64BM/BV)戦車がアウディーイウカ付近で目撃され、破壊された。両旅団はつい最近、南部戦線での絶望的攻撃で壊滅的打撃を受けたばかりだった。残されたものを再構成せずに別の戦いに投入しても意味がない。これら旅団が得た経験と知識は全て失われるだろう。


 軍の職業中堅層全体、軍曹や青年将校がほとんど死傷した。彼らなしで新たな軍隊を編成するのは不可能だ。


 NBC記事は(ロシア語で)ウクライナでニュースになっている。それに対するウクライナの反応を私はまだ見ていない
 最初の政治的反応としての記事を私が掲載する間に、完全否定が現れた。


ゼレンスキー:膠着状態ではない。交渉や譲歩はあり得ない。UA Pravda 2023年11月4日


ウクライナ大統領のボロディミル・ゼレンスキーは、ウクライナ前線の状況を膠着とは見ておらず、ウクライナはロシアと交渉しないと述べた。
...
ゼレンスキー発言引用。:膠着状況ではない。ロシアは制空権を掌握している。我々は我が軍を守っている。(ウクライナの)誰も、ロシアがしているように、自国民を戦場に投げ込みたいなどと思ってはいない。


一体どうすれば克服できるのだ? F-16で、我が軍の兵士が訓練を受け、帰国するのを我々は待たなければならない。前線が防空手段が得られれば、部隊は前進して、兵器が使える」


 50年もののポンコツF-16が上昇するより早く墜落したら、彼は一体何と言うだろう。


 一方、ウクライナ政治指導部と軍事指導部間の溝が拡大している兆候は確かだ。新国防相の要請に応じて、ゼレンスキー大統領はウクライナ特殊部隊司令官を解任し、新司令官を任命したばかりだ。


 ヴィクトル・ホレンコ少将は自分の特殊作戦部隊司令官職解任理由を知らない。ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニーは彼の解任要求を出していなかった。


 上官の要請なしに将校を解雇するのは極めて異様なことだ。


 ザルジニー自身も攻撃されている。


 大統領府がウクライナ軍最高司令官に前線状況を公表せぬよう助言 - UA Pravda - 2023年11月4日


 エコノミスト誌のウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニー記事についてイホル・ジョウクワ大統領府副長官が発言し、前線で起きていることを軍は国民に知らせるべきではないと述べた。
...
 また言及した記事が掲載された後「大統領府幹部の一人」が彼に電話をかけたとジョウクワは述べた。


 「そして、彼らはパニックに陥って私にこう尋ねた。『大統領に何を報告するべきなのか? 我々は本当に膠着状態なのか?」。我々はこの記事でこの効果を達成しようとしているのだろうか」と大統領府の担当者は述べた。


 NBC記事は、ウクライナが敗北を認める時間枠さえ設定している。


 また、和平交渉に関する緊急議論をウクライナが始めるには年末か、その直後までしか残されていない可能性が高いと当局者は非公式に述べている。当局者によると、アメリカ当局は欧州の同盟諸国と、そのような予定に関する見解を共有している。


 和平交渉にロシアが同意する可能性は高い。しかし、おそらくウクライナが進んで与える以上のものを要求するだろう。少なくとも、クリミアを含む併合した五州を完全に掌握し、ウクライナとNATOの関係はない。現在のウクライナ議会は、おそらくこれら要求を拒否するだろうし、そうなれば、ロシアの更なる要求につながるだろう。


 キーウはまだ現実を認めていない。財政的にも物理的にもウクライナは失血している。戦争開始時の狙い、つまりロシアを弱体化させるはずが、逆の結果を招いたことにウクライナのご主人連中は気づいている。今やロシアは、敵となる可能性があるどの国より本物の戦争経験を持った、より大規模で優れた武装の軍隊を持っている。


 ロシアが勝ったのだ。


記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/11/the-ukraine-peace-talk-trial-balloon.html


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