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 愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の実行委員会が企画展「表現の不自由展・その後」を中止したことを受け、実行委会長の大村秀章愛知県知事は5日の定例会見で、展示の中止を求めた河村たかし名古屋市長らを「憲法違反の疑いが濃厚と思う」と批判した。


 企画展は1日に始まり、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品など、各地の美術展で撤去されるなどした二十数点を展示。河村氏は2日、「日本国民の心を踏みにじる行為」などとして、展示の中止を求める抗議文を大村氏に提出した。また、日本維新の会杉本和巳衆院議員(比例東海)も「公的な施設が公的支援に支えられて行う催事として極めて不適切」として、展示の中止を求める要望書を出していた。


 大村氏は5日の会見で、こうした行為について「憲法21条で禁止された『検閲』ととられても仕方がない」と指摘。「行政や役所など公的セクターこそ表現の自由を守らなければいけないのではないか。自分の気に入らない表現でも、表現は表現として受け入れるべきだ」と述べた。企画展の費用は420万円で、全額寄付で対応するとした。


 また大村氏は、中止を判断した理由について「安全安心を第一に考えた」と説明。5日朝にも「ガソリンを散布します」などと書かれた脅迫メールが県に届いたことを明らかにした。警察と協議するという。(佐藤英彬)