この判決(「共産主義者呼ばわりは侮辱行為」という判決)は、共産主義者にとってはむしろ侮辱的な判決になるのではないか。黒人を黒人と呼んだら差別行為だ、というようなものだ。(これは昔の筒井康隆の短編にあったネタ。)美人だと言われて怒る美人はいない。
資本主義国では例外なく、共産主義者は悪魔扱いである。まあ、私有財産を否定する共産主義思想は資本主義の否定だから、お金持ちたちが共産主義を恐れるのは当然である。だが、貧乏人までが共産主義を排斥するのは私には意味不明である。もちろん、私も共産主義には否定的である。ただ、危険思想だから、というわけではない。むしろ理想主義的すぎる思想だからだ。言い換えれば、実現不可能な御伽噺だと思っている。全人類が釈迦かキリストにならない限り共産主義は成功しない。実際、現実に共産主義を行った国は無い。共産主義を標榜していたどの国も私有財産の完全否定はしていないのだから。
なお、そういう疑似共産主義国家のほとんどが自国民の一部を弾圧し、特にインテリ層を敵視して粛清したのが興味深い。レーニンも毛沢東もポル・ポトも知識人粛清を行っているようだ。反共産主義を弾圧するのは当然推測できる事態だが、なぜ知識人が粛清対象になるのか、自らコミュニストを名乗る紙屋高雪氏などに考察してほしいところだ。まあ、知識人の発言は社会への影響が大きいからだろう、くらいは分かる。
(以下引用)
文大統領を「共産主義者」呼ばわり、元検事に賠償命令
【AFP=時事】韓国首都ソウルの裁判所は16日、同国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領を親北派の「共産主義者」と呼んだ元政府関係者に対し、1000万ウォン(約100万円)の損害賠償の支払いを命じた。
元検事で保守活動家の高永宙(コ・ヨンジュ、Koh Young-Ju)被告は2013年1月の公開討論会で、文氏が大統領になれば韓国を「共産主義国」にするつもりだと非難。
これを受けて文大統領は2015年に、「根拠のない風評を広めた」として高被告を名誉毀損(きそん)で訴え、1000万ウォンの損害賠償の支払いを求めていた。
ソウル中央地裁は16日、高被告の発言は文大統領の「社会的評判をおとしめた」との判断を示し、「原告(文氏)は公人であるとはいえ、特にわが国における『共産主義者』という言葉に含まれる否定的な意味合いを考慮すると、公人だからといってそのような名誉を傷つける発言が言論の自由の名の下に容認されてよいわけではない」と指摘した。
© ERIC PIERMONT / AFP 仏パリで演説する韓国の文在寅大統領(2018年10月16日撮影、資料写真)。
文大統領をはじめ、韓国の左派の活動家や政治家はこれまでにも政敵らから、親北派の共産主義者だという批判を受けている。
【翻訳編集】AFPBB News
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