森友疑惑、加計疑惑で炎上中の安倍首相に追い打ちをかける「ポスト加計疑惑」が本格浮上しそうだ。これは一部事情通の間では以前から「公然の秘密」だった。(アクセスジャーナル・メルマガ版)
※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2017年6月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
政官財、あらゆる“悪”に鋭く切り込むアクセスジャーナル より
「ポスト加計疑惑」
──同じ構造の「国際医療福祉大学」医学部新設認可
いまや流行語の“忖度”されたのはどちらも一緒と見られるが、「森友疑惑」が直の関わりは安倍晋三首相の妻(昭恵夫人)という“私人”だったのに対し、「加計疑惑」は安倍首相当人が理事長と40年来の親友。
しかも、ここに来て、菅義偉官房長官が「怪文書」だとかわしていた「総理の意向」と記された文書が、文科省前次官・前川喜平氏の告白により官邸から文科省に出された“内部文書”だったことが判明。まさに炎上しそうな「加計疑惑」――。
そんななか、さらに出て来そうな「ポスト加計疑惑」がある。
ズバリいえば、それは今年4月、「国際医療福祉大学」(高木邦格理事長)の医学部が千葉県成田市に開設された件だ。
一部事情通の間では以前から「公然の秘密」だったが、こちらも加計同様、官邸(総理)の意向がもろに反映できる「国家戦略特区」として認可されたものだからだ。
「加計学園」(岡山市)の場合、52年ぶりに獣医学部新設が認められた。来年4月開校予定で、そのために特区に選ばれた愛媛県今治市はキャンパス用に36億円相当の土地を無償譲渡。さらに建設費の約半分、約96億円も市が補助金を出す。
これに対し、国際医療福祉大学の医学部新設は38年ぶりに認められた(正確には震災復興を名目に同じく特例で認めた「東北薬科大」16年4月開設を除き)。成田市は23億円相当の土地を無償貸与。また建設費用の約半分の約80億円も市・千葉県で補助金を出し負担した。
しかも国際医療福祉大の場合、医学部キャンパスの東隣にまず16年4月に同大の看護学部などを誘致し開設させた。この土地の約20億円、校舎建設の30億円も負担している。さらに、東京五輪開催の20年に市内に付属病院を開設する計画で、すでに市はその土地に10億円出すことを決めてもいる。
(*本紙はすでに東芝病院に関する記事の件で、国際医療福祉大学側に記事削除の警告を受けており訴訟必至です。同大に関する告発情報をどんどんお寄せ下さい)
この成田市の大盤振る舞いも尋常ではないが、そもそも、厚労省が医学部を新設すると医者が余ると予測し、そのため日本医師会も大反対していた医学部新設をなぜ認めたのか?
いわば、まさに「真っ黒」
成田を特区に選んだのは、成田空港があることから、「国際化」を名目として。そのため、新設された医学部の定員140名の内20名は留学生を受け入れるとした。しかし、国際化だからと何もキャンパスを同じ成田にする必然性はないし、本気で国際化を謳うなら留学生が定員の14%というのは低過ぎでは。
国際医療福祉大学グループが短期間にここまで大きくなれたのは、政治力に負うところが大きいとの見方は関係者の間では常識だ。
同グループ率いる創業者で理事長の高木邦格氏と――
(続きはご購読ください。初月無料です<残約1万文字>)
コメント