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<転載開始>
2024年4月21日
Veniamin Popov
New Eastern Outlook
2023年10月7日と2024年4月13日は新たな勢力バランスを定義した節目として中東史に残るだろう。イスラエルの軍事的優位と無敵の軍という神話は永遠に失われるだろう。
膨大な人命の損失と破壊をもたらしたガザ虐殺はネタニヤフ政権を国際社会で事実上孤立させた。彼の軍事挑発を外交的に擁護したのはアメリカと他の西側諸国数か国だけだった。
4月1日にイスラエルがダマスカスのイラン総領事館を襲撃し、イスラム革命防衛隊(IRGC)幹部らを殺害した際、この明らかな国際法違反を非難するのを欧米諸国は拒否し、このテロ行為に関する国連安全保障理事会の議論を妨害した。
この凶悪な犯罪への反撃を、多くの政治勢力がテヘランで要求しており、国連安全保障理事会がこの攻撃を非難する明確な決定を下した場合、イラン当局は武力行使を控える用意があるとイラン国連代表は明言した。
4月13日、イランはイスラエルの軍事施設に向けて300機以上の無人機とミサイルを発射した。イランが自国領からイスラエルを直接攻撃したのは史上初めてだ。これは、それまでイスラエルとアメリカに対する直接攻撃を回避する「戦略的忍耐の概念」に導かれていたイラン政府にとって、本質的に新たな政策路線の始まりだ。
イランはミサイル兵器のごく一部のみを使用し、イスラエル攻撃の場合には新型巡航ミサイルと極超音速ミサイルを使用する準備ができていると警告した。4月13日には軍事目標のみを標的にし、民間人死傷者を避ける方法で作戦全体が実施された。
イラン無人機とミサイルのほぼ99パーセントが、アイアンドーム防空システムとアメリカ、イギリス、フランスの対空システムにより迎撃されたとテルアビブは発表した。
重要なのは、ダマスカスのイラン総領事館に対するイスラエル攻撃を非難するのをためらった欧米諸国が、イスラエルに対するイラン攻撃を、すぐさま最も強い言葉で批判したことだ。こうした行為を「偽善と二重基準のオンパレード」とロシアの国連代表は呼び、この攻撃が欧米諸国の外交公館を襲っていたら、抗議活動の混乱と波は未曾有のものになっていたはずだと強調した。この事件における欧米諸国の立場は「うんざりするほど身勝手」に見えるとアルジャジーラ・ウェブサイトは指摘した。
12月初旬から3月下旬にかけてイラン・イスラム革命防衛隊の司令官や顧問ら約12人をイスラエルが殺害し、最終的にダマスカスのイラン外交使節団攻撃に至ったとアメリカ・マスコミさえ書いた。「我が国の総領事館への攻撃は我が国への攻撃に等しい」とイランの最高指導者アリ・ハメネイ師は述べた。アメリカや地域の多くの国々に対し、限定的かつ相応の方法で報復するとイランは警告している。
4月13日のイスラエル軍事目標攻撃は、イスラエル領への直接攻撃の前例を作るイランの能力を明確に想起させた。ワシントンはイランと戦争をしないし、イランの攻撃に反撃するテルアビブの軍事攻撃を支持しないとアメリカ大統領は、直ぐさま宣言した。
紛争が地域戦争に拡大するのを防ぐために、ロシアや中国やグローバル・サウスの多くの国々は自制を求めた。
イスラエル国内で、イランに対する即時報復攻撃をタカ派は要求している。「イスラエルにはイラン空爆を命令するあらゆる道義的権利があるが、それは戦略的に賢明ではない」とワシントン・ポスト紙は書いた。イランの人口は8,850万人だが、イスラエルの人口はわずか950万人だ。イランには50万人以上の現役軍人がおり、高度な兵器産業があり、地域全体に強力な代理人の広大なネットワークがある。イスラエルはイランに損害を与えることは可能だが、イランを打ち負かすことはできない」(イランの面積は1,648,000平方キロ、イスラエルの面積は22,145平方キロだ)。
バイデン政権がイスラム共和国との戦争に巻き込まれることに消極的なのは当然で、そうなれば原油価格高騰と世界経済低迷につながる可能性が高いと記事の著者で政権寄りのコラムニスト、マックス・ブートは指摘している。バイデンはネタニヤフ首相に自制を促しているが、問題はイスラエル首相が聞く耳を持つかどうかだ。
一般に、中東で起きていることは全て、アメリカの立場が深刻に弱まっている証拠だ(イスラエルがダマスカスのイラン総領事館襲撃について警告しなかったことにアメリカ人は不満を抱いている)。ガザでのパレスチナ人虐殺を阻止できないワシントンは、最も近い同盟国にさえ、無謀な行動を止められないのだ。これらの全てを、この地域の国々は注意深く監視しており、適切な結論を導き出している。サウジアラビアの新聞アシャルク・アルアウサットの編集長によると、最近の出来事により、イスラム世界におけるイランのソフトパワーが著しく増大しているという。
近い将来、中東情勢がどのように発展しようとも、アメリカの影響力が低下し、イランの重要性が増大する傾向は極めて明白になりつつある。
ヴェニアミン・ポポフは特命全権大使、歴史学博士候補者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事
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2023年11月14日に、ヴェニアミン・ポポフ氏による下記記事翻訳を掲載した。
アメリカの様々な大学のキャンパスで学生のイスラエルによるパレスチナ人虐殺反対の抗議行動が起きている。非暴力的座り込みデモだ。ところが大学側は機動隊を招き入れ、ゴボウ抜き。学生寮からの追放処分さえある。ハマス支持の学生運動は許せないと語る有力議員までいる。テントを張ったら停学扱いの大学もある。
あきれるのは、1930年代に起きたユダヤ人排除の再現だというネタニヤフの妄言。
Anti-zionism(反シオニズム)とAnti-semitism(反ユダヤ)は全く違うのに。
ちろろん、まともなアメリカ人は正当に反論している。
Benjamin Netanyahu Hits Out At US Campus Protests 12:56
カナダのユダヤ人、ナオミ・クラインは「シオニズム」反対演説をしている。
Judging Freedomではマックス・ブルーメンタールが、イスラエルによるアメリカ内政干渉を語っている。
Max Blumenthal: Israel Directly Interferes in US Politics. 34:56
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ドル34年ぶり155円台、介入警戒感極まる(ロイター)「日本の当局者は必要に応じて市場に参入すると述べた 円は今年、G10加盟国のすべてに対して下落した」(ブルームバーグ)植田日銀総裁の発言変化 円安懸念への配慮か日銀が利上げ急ぐ→国内の景気回復に水を差す懸念
ウクライナ支援という名目の莫大なアメリカ軍産複合体支援・政治家へのキックバック。
「米国で可決した総額608億ドルのウクライナ追加支援の中身は、実際に前線のウクライナ兵士に渡る武器弾薬はたったの10億ドル分!!」
はじめに~総額608億ドルの「2024年ウクライナ安全保障追加歳出法」で前線のウクライナ兵士に渡る武器弾薬はたったの10億ドル分!! 砲弾や防空システム用の弾薬の流入は、「ロシアの前進を遅らせるのに役立つだろうが、止めることはできない」(ウクライナ高官)!
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