そういう点から見ると、カンニング竹山が下の記事のような発言をしたのは実に勇気のあることで、芸能人にしては珍しい。部分的には言葉を濁しているが、現在の政治状況をかなり正確に把握しており、見識がある。こういう発言がもっと多くの著名人の口から出るようになり、それがマスコミにも載るようになれば、この日本の未来にも少しは希望が持てる。「希望」という言葉は、小池百合子のせいで泥にまみれた汚い騙し言葉になったが、本当の希望は別のところにある。
(以下引用)
カンニング竹山「小池百合子さんと希望の党が嫌いな理由」〈dot.〉
今月22日投開票の総選挙で、新党・希望の党を立ち上げて一躍注目を集める小池百合子東京都知事、相次ぐ民進党議員の離党。「支持政党のない人には難しい選挙になった」とカンニング竹山さんは感じている。そして、“強い言葉”で変化を唱える小池都知事に対しては、反発も……。
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今回の選挙はみんな政局に巻き込まれちゃいましたね。安倍さんが勝手に選挙をやるって決めて。まあ、もともと今年8月に内閣改造したときからどこかで安倍政権は解散するんだろうって言われていたし、僕もそう思っていたけど、安倍さんは「自分の内閣の地盤を固めるなら今だ」って思ったんでしょうね。それが正しかったかわかりませんが、下心が見え見え。結局、我々はいつもそれに巻き込まれていくしかないんです。理想と現実は違うっていうこと。
蓮舫さんの代表辞任、山尾志桜里さんの不倫報道で民進党が力を失ってリベラル派の受け皿がないだろうし、北朝鮮がミサイルを打っているときに選挙をやっといた方が、安倍政権は強いからね。今なら数が取れると思っていたんじゃないですか。ちょっとだけ誤算だったのは、小池さんがあそこまで動くとは思わなかったかもしれないですね。
民進党からどんどん離党していくのも意味がわからない。こないだ民主党から民進党になったんでしょ!「蓮舫のもとで民進党でやるんだー!」ってこないだまで言ってた人が、「蓮舫じゃダメだ」って言い出して、「代表戦だー!」って前原さんと野田さんが出てきて……。今度はまた離党だって。何なんですかそれ(笑)
これは勝手な僕の見立てですが、ひょっとしたらひょっとして、安倍さんと小池さんが実は裏で話し合っていたりして。結局、小池新党は昔の旧社会党の流れを持ったリベラル派を入れないわけですよね。地方で弱くても、大阪では維新と話が付いたから、希望の党もある程度票を取ると思うんですよ。それでも安倍さんのところは創価学会の組織票もあるから、第一党は自公、その次は希望の党になると思う。そうなるとキャスティングボードを握るのは、小池さんです。
小池さんがほかの知事と違うのは、オリンピックを抱えている点にあるわけです。これは世界的にも、相当でかいと思う。小池さんが安倍さんにくっついて上手くやっていって、安倍さんが途中で辞めることになったら、「小池を総理に」っていう世の中の機運も高まってくると思うんですよね。ずっと都知事をやってて、希望の党もある程度の票は持っていて、いざ選挙となったら、そこで立候補する。小池さんはそこまで全部考えてやってると思うんですよ。小池さんが欲しいのは単純に総理大臣のイス。都知事選のときも、都議選のときもそこしか考えていなかったと思う。
僕を含め周りはずっとそう言ってたけど、本人は一言も言わないで隠してきた。深く考えずに票を入れた、こっちも悪いんだけど。それ見たことかと僕は思ってるわけですよ、言ったろあれだけ!って。時既に遅くて、結局うまい具合に小池さんに転がされちゃってる。出馬しないって言っているけど、今回、都知事の座を投げ出して出馬したら、都のことなんて一つも考えていない証拠になっちゃいますからね。
まあ国民の7割、8割は政局なんてわかんないし、日々の暮らしで精一杯だから、流れとか機運を掴んじゃえば票が取れるんですよね。選挙って昔からそういうものでしょ。2割のインテリ票はほっといていい。まんまとやられてると思いますけどね。
マスコミとか政治評論家は、理路整然と「選挙は政策だ」って当たり前のことを言っていますけど、結局、政策論が盛り上がった選挙なんていままで一度もないですよ。都議選もそうだったし、国政選挙もそう。難しいんだよ、政策は。そんなんで票なんて動かない。流れで動くんだから。でも政治家がそれを言っちゃうと「国民をバカにしてるのか!」って言われちゃう。でも、政治家って腹の中ではそう思ってるんですよ。
政治って実はものすごく簡単で、芸能界のスキャンダルと構図は一緒なんですよね。どこの事務所が強くて、どこが弱いか。誰と誰が同期で、あの人がある女優と不倫しちゃって……とか。誰が大臣になるかは、誰が番組持つかと同じ。権力争いですから、構図は似てるんですよ。選挙のたびにそう思いますけど、今回は特にそれが色濃く出てる感じしますよね。
こうなると有権者としては難しいですよね。支持政党があればいいけど、僕なんか支持政党があるわけじゃないし。投票しないとか、白票を入れるのは、結果は何も変わらずにただ割合が下がるだけな気がするから、どこかを選ばなきゃいけないと思う。結局はいまの生活を変えてくれそうな人がいいか、いまの生活を守ってくれる人がいいとか、個々の感情で選ぶしかないんじゃないですか?
ただ、小池さんが「リセットしなくちゃいけない」とか、「しがらみが…」とか、力の強い言葉でイメージ戦略を進めているのは嫌いですね。リベラル派を「排除いたします」は言葉尻だって言ってましたけど。歴史的に言うと、坂本龍馬が「日本を今一度せんたくいたし申候」って言ったのと似てると思うんですよね、言葉の強さが。ただ問題なのは、「そんなにリセットしてほしいと思ってねえ!」っていうこと。いま、この国ダメだってそこまで思ってないと思うんですよね。
このまま小池さんのイメージ戦略にまんまと乗せられると、何年か後には小池さんが女性初の総理大臣になるんだと思います。僕自身もどこに入れるか悩んでますけど、希望の党に国政は無理でしょーって思いますね。
日本新党でも、さきがけでも新進党でもダメで、民主党が政権取ったけど霞が関が民主党に協力しないから、ダメだ!変える!って言った人も何にもできなくて……。自民党に政権が戻ったら戻ったで、霞が関の忖度問題が起きちゃって。その時その時で意見は変わるし、難しいですよね。
政策論っぽく、安倍さんは少子化対策とか幼児教育の無償化とか聞こえのいいことを訴え始めているけど、少子化問題を解決していきましょう!って言う人って逆に胡散臭いなーと思ってしまう。待機児童の問題とかはまだやりようがあると思うんですけど、少子化対策って言ったって、夫婦2人で子どもを2人産んで現状維持、3人産まないと解決しないって話でしょ。それって特に都会では相当難しい。
共働きで家賃と生活費を払って、子どもを産んでも保育園が無くて、教育に金がかかって……って、無理でしょ!家賃の半分を国が出すとか、給料が夫婦2人で月に200万あるとか、そのぐらい根本的に変わらなきゃ解決しない。
現実はこんな選挙だし、理想論だって言われるかもしれないけど、本当に自分の生活より国民のことを考えて、身を粉にして働く政治家って誰なんだろう。何人ぐらいいるんだろ?って思ってしまう。っていうか、本当にいるのか?
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