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徽宗皇帝のブログ

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財務省の「財政赤字」の内実(追記あり)
前回のアジコさんの漫画に出てきた「財政赤字」や「健全財政」という、財務省の詐術(税金を上げ、国民福祉を削減する口実)について、中野剛志が「国力とは何か」(講談社現代新書2011年刊)に書いた文章を引用する。
中野は元経済産業省官僚で、経済にも官僚の内実にも詳しい。

(以下引用)赤字は徽宗による強調。三つ目の引用文は、やや論点が日本の財政から外れるが、「財政赤字」などより大きな危機について述べており、それはトランプ2.0でまさに現実化したのである。

我が国は、世界最大の対外債権国であり、政府部門も民間部門も、債務の海外依存度が低く、国民経済の独立性はある程度確保されている。(徽宗注:「ある程度」というのは、属国ゆえの束縛がある、という意味かwww)そして、国債は自国通貨建て内国債を基礎としているため、その債務残高の大きさにもかかわらず破綻を恐れることなく、機能的財政(徽宗注:臨機応変な財政政策)を実現することが可能だという、大きな利点も有している。」(同書241P)

「なお、我が国の国債は、その九割以上が内国債となっている。我が国では、機能的財政が有効となる前提が満たされているのである。これに対して、アメリカやドイツの内国債の比率は五割程度であり、財政破綻したギリシャは三割以下であった。」(同書192P)

「戦後、我が国は、アメリカの軍事的な庇護(徽宗注:庇護が目的ではないが、結果的にはそうなっていた。)の下、経済的繁栄を謳歌してきた。しかし、アメリカにはもはや協調的な国際秩序を維持する力も意志もなく、むしろ他国の富を収奪せざるを得ないところまで追い込まれている。我が国は、国民を自力で防衛しなければならなくなっているのである。」(同書240P)


(徽宗追記)内国債と外債の違いの説明を太字で追記しておく。これで、なぜ日本は内国債比率が高いかの理由も分かる。(つまり、1割弱の外債比率は1968年以前に発行した外債の未償還分である。)
この内国債と外国債(外国発行の債券と区別できないので外債とするのが適切)の違いが分からないで、財務省の言うことを信じて日本は借金国家だと信じている人(政治家のほとんどがそうである。枝野などもその馬鹿のひとりだから消費税減税に反対している。)は多い。
内国債は政府が自国民から借りたもので、返済も自国民に行われるので、「国家の富の減少」にはならない。それに対して外債は外国からの借金なので、その返済は国家の富の減少になる。下の引用文の下線も徽宗による強調。


国内で発行される国債を内国債(内債)、海外で発行される国債を外国債外債)という。ただし、日本国政府による外国債の発行は、1968年度(昭和43)以降は行われていない。


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