まあ、ストルテンベルグ発言は西洋的詭弁の一例である。「911」以来、この種の詭弁が西洋人の口から言われるのはもはや耳タコで、何とも感じなくなっている人も多いだろう。そこが彼らの狙いでもある。
つまり、こうした詭弁が日常化すると、しまいには「戦争は平和である」式のナンセンスが堂々と政治的言語となり、社会を支配するわけだ。
言うまでもないが、NATO供与の武器がロシア国内攻撃に使われることは、欧州諸国がロシアとの直接戦争に一歩を踏み出したことを意味する。ヤクザの親分が子分のチンピラに武器を渡して、誰それを殺せと命令したら、その親分は無罪か? そういう意味では日本がウクライナに資金援助したことも同じである。武器や資金を渡した(あるいは陰で操作している)だけだから自分たちに責任は無い、という屁理屈は、その攻撃を受けるロシアには通用しないだろう。当然、武器の供給元である欧州諸国は対ロシア戦争を覚悟する必要がある。NATOというキチガイ組織のために。
「武器使用対象がミサイル基地など、非民間地域だけに限定される」ことが言い訳になるのかどうかが問題になるだろう。それが「誤って」民間地域を攻撃しても、問題無し、という前提で「彼ら」はそういう偽善的発言をしているわけだが。
(以下引用)
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は24日付の英誌エコノミスト(電子版)で、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、NATO加盟国が供与した兵器の一部をロシア領内への攻撃に使用することを認めるべきだとの考えを示した。対象として、ロシアのミサイル基地などを想定している。
ストルテンベルグ氏は「ウクライナ東部ハリコフで続く戦闘で、ウクライナ軍がロシア領内の正当な目標を攻撃できないことが、ウクライナの防御を非常に困難にしている」との見方を示し、「加盟国が供与した兵器の使用制限の一部を解除すべきか検討する時期に来ている」と主張した。
米国やドイツを中心としたNATO加盟国はこれまで、供与した兵器がロシア領内への攻撃に使用されると、ロシアとの緊張がさらに高まるとして、ウクライナに使用しないよう求めている。
このため、ロシアが自国領土内からミサイルや無人航空機(ドローン)を使った攻撃を強めているのに対し、ウクライナは主に火力の弱い自国製のドローンを越境攻撃に使用しており、不満が高まっていた。ゼレンスキー大統領は自国を攻撃する露軍兵器などに対象を絞ったNATO製兵器の使用を要望している。
ストルテンベルグ氏は「ロシアとNATOの本格的な戦争に発展するのを阻止しなければいけない」との認識を示したうえで、「私たちは訓練や兵器、弾薬を提供するが、NATOの領土内からウクライナの作戦に参加するわけではない」と述べた。【ブリュッセル宮川裕章】
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