東方経済フォーラムでの安倍首相スピーチだが、表現がクソ気持ち悪いのは別として、言われた内容は、いわば日本政府の外国に対する公約だから、国民としては知っておいたほうがいいだろう、ということで、まだロクに読んでもいないが転載しておく。そのうち気が向けば読むためのメモだ。
(以下政府広報から転載)
プーチン大統領、お招きに感謝いたします。本年もここ、ウラジオストクで御一緒できることを大変喜ばしく存じます。ブリリョフさん、今年、また御一緒できて、うれしく思います。そして、壇上においでの指導者の皆様。お一人、お一人、どなたも私自身よく存じ上げ、心から尊敬申し上げている方ばかりであります。ナレンドラ・モディ首相、マハティール首相、そしてバトトルガ大統領。プーチン大統領を含め、私たち5人そろうのがウラジオストクだという、そのこと自体に、私は感興を覚えます。壇上の皆様は、いかがでしょうか。そして見えてくるのは、雄渾(ゆうこん)な一筆書きの連結です。北極海から日本海、南シナ海を経てインド洋へとつながる、滔々(とうとう)たる水の流れです。力強い、波濤(はとう)です。今、声を大にして申し上げます。皆さん、未来はここにある。ここにこそ、私たち皆の無限の可能性があるのです。私は本年も、未来と可能性をお話しに、未来と可能性だけをお話ししに、やってまいりました。
さて、お集まりの皆様。今から引用するのは、皆様よく御存じの四行詩です。
ロシアは、頭では分からない。
並の尺度では測れない。
何しろ色々、特別ゆえ。
ただ信じる。それがロシアとの付き合い方だ。
さて、この有名な詩の「ロシア」を「日本」に置き換えていただきたいと思います。日本を、ただ信じるのだとして、何をどう信じればよいのでしょうか。それについて、三つ申し上げます。日本とは、第一に、「ヴァンガード」です。高齢化のような、皆さんがいずれ直面する問題に、世界で誰より先に取り組まざるを得ないからです。第二に、第一の延長で、日本は「ソリューション」です。皆さんが抱える問題に対し、いろんな解が、日本にはあります。第三に、日本は「パートナー」です。皆さんが、信を置ける国。一度約束を結ぶと、子々孫々守って、日本は堅固不抜です。
プーチン大統領、ウラジーミル、会場の皆さんは、今回の私たちの会談が27回目だったことを、御存じないかもしれません。そこはよく知っていただく必要がありますね。皆さんには是非、プーチン大統領と私は、幾度も幾度も食事をともにしたので、皆さんが言う「塩1プード分、一緒に食べた」仲なんだと御理解いただく必要があります。それでこそ、なるほどと、合点いただけることがあるからです。12の国家プロジェクトについてであります。プーチン大統領が懸命に進めている数々の事業です。これを、私始め日本政府はよく知っています。よく調べたからであります。調べたのはなぜかというと、日本はロシアと何の分野で、どう協力するのが最も効果的か考えたかったからでした。プーチン大統領と私は会う度言うのですが、両国関係には無限の可能性があります。その可能性を開花させ、日本とロシアの関係を未来へ推し進めるにはどんな事業が望ましいかと、そこに私たちは目を向けたわけであります。スライドを御覧いただきたいと思います。向かって左側が、ロシアが進める12のプロジェクト。右側が、現在進行中の日露協力の8項目。保健や人口、住宅、都市、環境の向上、中小企業や、労働生産性、雇用のサポート。左側、ロシアのそうした項目と、右側、日本が進める協力のあれこれが、赤い糸でつながるところをじっくり御覧ください。日露の協力8項目は、ロシアの国家的課題にとって、一つのソリューションとなることを望んで選んだものでした。御覧いただくのは、その中間報告です。2分と40秒。短い映像でございますので、どうか御覧いただきたいと思います。
このビデオのプロデューサーは私です、いかがでしたでしょうか。ありがとうございます。皆さんには、何が面白かったでしょうか。私が好きなのはあの、杖(つえ)を借りずにスタスタ歩けるようになった女性です。日本人の歩行速度を調べた調査によりますと、日本の今の75歳は、10年ほど前の65歳と同じ速度で歩いているのだそうです。つまり日本の高齢者は、10年で10歳若返ったことになります。日本の協力が、ロシアのおじいちゃん、おばあちゃんたちを一人でも多くスタスタ歩けるようにできるのを想像しますと、私の顔は思わず綻ぶわけであります。日本はそういう、明るい未来、尽きせぬ可能性を、ロシアの市井を生きる人々にお見せしたい。私たちは、いつもそう願っています。
もう少し、大きな話をします。最初は巨大な廃棄物処理場の話です。ゴミ処理を近代化する必要は、年次教書でプーチン大統領が強調された項目です。皆様、日本の日立造船のグループ企業が、この7月、モスクワ近郊のゴミ焼却プラントを受注しました。処理容量は、日量最大7,600トンです。毎日7,600トンものゴミを燃やすと同時に、150万人分の電力を生み出せます。というと、モスクワ市の電力需要の1割以上が、ゴミを焼くことで賄える計算です。
次は、日本の自動車会社についてであります。各社がお国への関心を高めています。トヨタは、サンクトペテルブルク工場への追加投資として、2028年までに200億ルーブル使います。併せて、いわゆるトヨタウェイを広く伝えようと、サプライヤーの製造ラインを改善し、工場現場で働く人たちの技能を高めています。日本を代表するトラック・メーカーの日野自動車は、モスクワ郊外で工場を建設中です。中・小型のトラックを、年産2,000台規模で生産する計画です。プーチン大統領と私が昨年見学に行った、ここウラジオストクにあるマツダ・ソラーズの工場は、今年6月、エンジンの生産を始めました。年産5万基だそうでして、マツダの世界戦略にとって重要な工場です。
そして、最も胸躍るお話。北極圏のLNG(液化天然ガス)、砕氷LNGタンカー、カムチャッカ半島での積み替えを経て、アジア各国へという躍動的な発展です。昨年お話ししたときは、まだ計画段階でした。今や、日本企業が設計や建設に加わったヤマルのLNG設備は、3系列みな生産、輸出を始め、ついに6月、日本向けが初出荷にこぎ着けました。日本の海運大手・商船三井は、砕氷LNG船を3隻そろえ、ヤマルLNGの輸出に力を注いでいます。
それからアルクティクLNG2事業です。年産2,000万トン規模の巨大LNGプロジェクトに、去る6月、三井物産とJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の出資が決まりました。日本は一大ステークホルダーになり、やがて、ここから採れるLNGの買い手となるでしょう。カムチャッカを越えると、氷との戦いが無用になります。そこで、普通のタンカーに積み替える。これが実現すれば、一筆書きの雄渾な連結の実現です。自由で開かれたインド太平洋とロシアが開発を進める北極海。人類史上初めて、二つの海域が一つとなって、偉大な物流の大道が誕生します。見てまいりましたような実例は、ほんの一部です。この3年間、日露の協力が生んだ民間プロジェクトは、合計200件を優に上回ります。フョードル・チュッチェフではありませんが、日本に対する接し方はただ一つ。「信」を置いていただくことだと繰り返したいと思います。
「信」は、人と人との間で生まれ、人と人をつなぎます。過去1年は、日露関係史上空前の文化交流を続けました。この勢いを、お互いの国中に広げよう。今年6月、プーチン大統領と私はそう決めました。2020年から21年を、日露地域交流年とします。地域と地域、例えば姉妹都市同士の交流に、両国政府は取り組みます。ところで、ウラジオストクに来たいという人が、日本で増えています。私が毎年ウラジオストクを訪問していることも、少しは貢献しているのではないかと思いますが、ともあれ、日本からの観光客、特に女性が増えたので、日本の2大航空会社がどちらも東京と当地を結ぶ直行便の運航を始めます。8項目の協力プランに関わるロシアの企業や研究機関に働く人には、今月から、最長5年の数次ビザをお出しします。ロシアの学生にはどんどん日本に来ていただけるよう、簡単にビザが取れるようにします。
お集まりの皆様。日本では新しい天皇陛下が御即位になり、時代の呼び名が改まりました。新しい時代の幕開けを告げる大きなイベントが、今月20日に始まるラグビーのワールドカップです。なんとその第一戦こそは、日本対ロシアです。私は、もちろん日本の勝利を信じています。すみません、ウラジーミル。でも、ロシア選手の皆さんにも頑張ってもらいたいと思います。日本以外の相手であれば、全て勝っていただいて結構であります。そして来年になると、東京が開く、オリンピックとパラリンピックが待っています。日本に、未来を託すべきは今。私は皆様にそう訴えたい。日本とロシア、一緒に未来をつくるのは、今であります。日本人とロシア人は、労働の喜びを分かち合い、若者同士は屈託のない笑いをともにする中で、歴史上初めて夢を一緒に見る力を、そしてその習慣を育み合っているのではないでしょうか。
ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう、プーチン大統領。ロシアの、若人のために。そして、日本の、未来を担う人々のために。戦いが終わって、来年で75年です。冷戦の終焉(しゅうえん)からでも、30年。私たちは、1956年に、二度と互いに戦わず、相互に敵とみなさず、平和愛好、善隣の原則に立って関係を築いていくことを堅く約束しました。そして今、私たちは、貿易・経済、対外政策、文化・スポーツといったあらゆる分野での相互発展を、同じ方向へと向かわせるべく歩みを加速させています。北方四島での共同経済活動、人と人との交流も、かつてないまでに進みました。日露の新しい協力関係は、我々二人の努力によって、着実に、その姿を見せつつあります。そしてその先に、平和条約の締結という歴史的使命がある。未来を生きる人々を、これ以上、もう待たせてはならない。ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。歴史に対する責任を、互いに果たしてまいりましょう。平和条約を結び、両国国民が持つ無限の可能性を、一気に解き放ちましょう。そのほとんど次の刹那、日本とロシアの連結は、地域を変える。世界を、大きく変え始めるでしょう。会場の皆様、ロシアの全ての皆様、日本が皆様の未来に加える新しい、そして大きな可能性に、想像の翼を、はためかせてください。歴史を、一緒に作りましょう。未来を、ともに、拓(ひら)いていこうではありませんか。
ありがとうございました。
(以下政府広報から転載)
プーチン大統領、お招きに感謝いたします。本年もここ、ウラジオストクで御一緒できることを大変喜ばしく存じます。ブリリョフさん、今年、また御一緒できて、うれしく思います。そして、壇上においでの指導者の皆様。お一人、お一人、どなたも私自身よく存じ上げ、心から尊敬申し上げている方ばかりであります。ナレンドラ・モディ首相、マハティール首相、そしてバトトルガ大統領。プーチン大統領を含め、私たち5人そろうのがウラジオストクだという、そのこと自体に、私は感興を覚えます。壇上の皆様は、いかがでしょうか。そして見えてくるのは、雄渾(ゆうこん)な一筆書きの連結です。北極海から日本海、南シナ海を経てインド洋へとつながる、滔々(とうとう)たる水の流れです。力強い、波濤(はとう)です。今、声を大にして申し上げます。皆さん、未来はここにある。ここにこそ、私たち皆の無限の可能性があるのです。私は本年も、未来と可能性をお話しに、未来と可能性だけをお話ししに、やってまいりました。
さて、お集まりの皆様。今から引用するのは、皆様よく御存じの四行詩です。
ロシアは、頭では分からない。
並の尺度では測れない。
何しろ色々、特別ゆえ。
ただ信じる。それがロシアとの付き合い方だ。
さて、この有名な詩の「ロシア」を「日本」に置き換えていただきたいと思います。日本を、ただ信じるのだとして、何をどう信じればよいのでしょうか。それについて、三つ申し上げます。日本とは、第一に、「ヴァンガード」です。高齢化のような、皆さんがいずれ直面する問題に、世界で誰より先に取り組まざるを得ないからです。第二に、第一の延長で、日本は「ソリューション」です。皆さんが抱える問題に対し、いろんな解が、日本にはあります。第三に、日本は「パートナー」です。皆さんが、信を置ける国。一度約束を結ぶと、子々孫々守って、日本は堅固不抜です。
プーチン大統領、ウラジーミル、会場の皆さんは、今回の私たちの会談が27回目だったことを、御存じないかもしれません。そこはよく知っていただく必要がありますね。皆さんには是非、プーチン大統領と私は、幾度も幾度も食事をともにしたので、皆さんが言う「塩1プード分、一緒に食べた」仲なんだと御理解いただく必要があります。それでこそ、なるほどと、合点いただけることがあるからです。12の国家プロジェクトについてであります。プーチン大統領が懸命に進めている数々の事業です。これを、私始め日本政府はよく知っています。よく調べたからであります。調べたのはなぜかというと、日本はロシアと何の分野で、どう協力するのが最も効果的か考えたかったからでした。プーチン大統領と私は会う度言うのですが、両国関係には無限の可能性があります。その可能性を開花させ、日本とロシアの関係を未来へ推し進めるにはどんな事業が望ましいかと、そこに私たちは目を向けたわけであります。スライドを御覧いただきたいと思います。向かって左側が、ロシアが進める12のプロジェクト。右側が、現在進行中の日露協力の8項目。保健や人口、住宅、都市、環境の向上、中小企業や、労働生産性、雇用のサポート。左側、ロシアのそうした項目と、右側、日本が進める協力のあれこれが、赤い糸でつながるところをじっくり御覧ください。日露の協力8項目は、ロシアの国家的課題にとって、一つのソリューションとなることを望んで選んだものでした。御覧いただくのは、その中間報告です。2分と40秒。短い映像でございますので、どうか御覧いただきたいと思います。
このビデオのプロデューサーは私です、いかがでしたでしょうか。ありがとうございます。皆さんには、何が面白かったでしょうか。私が好きなのはあの、杖(つえ)を借りずにスタスタ歩けるようになった女性です。日本人の歩行速度を調べた調査によりますと、日本の今の75歳は、10年ほど前の65歳と同じ速度で歩いているのだそうです。つまり日本の高齢者は、10年で10歳若返ったことになります。日本の協力が、ロシアのおじいちゃん、おばあちゃんたちを一人でも多くスタスタ歩けるようにできるのを想像しますと、私の顔は思わず綻ぶわけであります。日本はそういう、明るい未来、尽きせぬ可能性を、ロシアの市井を生きる人々にお見せしたい。私たちは、いつもそう願っています。
もう少し、大きな話をします。最初は巨大な廃棄物処理場の話です。ゴミ処理を近代化する必要は、年次教書でプーチン大統領が強調された項目です。皆様、日本の日立造船のグループ企業が、この7月、モスクワ近郊のゴミ焼却プラントを受注しました。処理容量は、日量最大7,600トンです。毎日7,600トンものゴミを燃やすと同時に、150万人分の電力を生み出せます。というと、モスクワ市の電力需要の1割以上が、ゴミを焼くことで賄える計算です。
次は、日本の自動車会社についてであります。各社がお国への関心を高めています。トヨタは、サンクトペテルブルク工場への追加投資として、2028年までに200億ルーブル使います。併せて、いわゆるトヨタウェイを広く伝えようと、サプライヤーの製造ラインを改善し、工場現場で働く人たちの技能を高めています。日本を代表するトラック・メーカーの日野自動車は、モスクワ郊外で工場を建設中です。中・小型のトラックを、年産2,000台規模で生産する計画です。プーチン大統領と私が昨年見学に行った、ここウラジオストクにあるマツダ・ソラーズの工場は、今年6月、エンジンの生産を始めました。年産5万基だそうでして、マツダの世界戦略にとって重要な工場です。
そして、最も胸躍るお話。北極圏のLNG(液化天然ガス)、砕氷LNGタンカー、カムチャッカ半島での積み替えを経て、アジア各国へという躍動的な発展です。昨年お話ししたときは、まだ計画段階でした。今や、日本企業が設計や建設に加わったヤマルのLNG設備は、3系列みな生産、輸出を始め、ついに6月、日本向けが初出荷にこぎ着けました。日本の海運大手・商船三井は、砕氷LNG船を3隻そろえ、ヤマルLNGの輸出に力を注いでいます。
それからアルクティクLNG2事業です。年産2,000万トン規模の巨大LNGプロジェクトに、去る6月、三井物産とJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の出資が決まりました。日本は一大ステークホルダーになり、やがて、ここから採れるLNGの買い手となるでしょう。カムチャッカを越えると、氷との戦いが無用になります。そこで、普通のタンカーに積み替える。これが実現すれば、一筆書きの雄渾な連結の実現です。自由で開かれたインド太平洋とロシアが開発を進める北極海。人類史上初めて、二つの海域が一つとなって、偉大な物流の大道が誕生します。見てまいりましたような実例は、ほんの一部です。この3年間、日露の協力が生んだ民間プロジェクトは、合計200件を優に上回ります。フョードル・チュッチェフではありませんが、日本に対する接し方はただ一つ。「信」を置いていただくことだと繰り返したいと思います。
「信」は、人と人との間で生まれ、人と人をつなぎます。過去1年は、日露関係史上空前の文化交流を続けました。この勢いを、お互いの国中に広げよう。今年6月、プーチン大統領と私はそう決めました。2020年から21年を、日露地域交流年とします。地域と地域、例えば姉妹都市同士の交流に、両国政府は取り組みます。ところで、ウラジオストクに来たいという人が、日本で増えています。私が毎年ウラジオストクを訪問していることも、少しは貢献しているのではないかと思いますが、ともあれ、日本からの観光客、特に女性が増えたので、日本の2大航空会社がどちらも東京と当地を結ぶ直行便の運航を始めます。8項目の協力プランに関わるロシアの企業や研究機関に働く人には、今月から、最長5年の数次ビザをお出しします。ロシアの学生にはどんどん日本に来ていただけるよう、簡単にビザが取れるようにします。
お集まりの皆様。日本では新しい天皇陛下が御即位になり、時代の呼び名が改まりました。新しい時代の幕開けを告げる大きなイベントが、今月20日に始まるラグビーのワールドカップです。なんとその第一戦こそは、日本対ロシアです。私は、もちろん日本の勝利を信じています。すみません、ウラジーミル。でも、ロシア選手の皆さんにも頑張ってもらいたいと思います。日本以外の相手であれば、全て勝っていただいて結構であります。そして来年になると、東京が開く、オリンピックとパラリンピックが待っています。日本に、未来を託すべきは今。私は皆様にそう訴えたい。日本とロシア、一緒に未来をつくるのは、今であります。日本人とロシア人は、労働の喜びを分かち合い、若者同士は屈託のない笑いをともにする中で、歴史上初めて夢を一緒に見る力を、そしてその習慣を育み合っているのではないでしょうか。
ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう、プーチン大統領。ロシアの、若人のために。そして、日本の、未来を担う人々のために。戦いが終わって、来年で75年です。冷戦の終焉(しゅうえん)からでも、30年。私たちは、1956年に、二度と互いに戦わず、相互に敵とみなさず、平和愛好、善隣の原則に立って関係を築いていくことを堅く約束しました。そして今、私たちは、貿易・経済、対外政策、文化・スポーツといったあらゆる分野での相互発展を、同じ方向へと向かわせるべく歩みを加速させています。北方四島での共同経済活動、人と人との交流も、かつてないまでに進みました。日露の新しい協力関係は、我々二人の努力によって、着実に、その姿を見せつつあります。そしてその先に、平和条約の締結という歴史的使命がある。未来を生きる人々を、これ以上、もう待たせてはならない。ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。歴史に対する責任を、互いに果たしてまいりましょう。平和条約を結び、両国国民が持つ無限の可能性を、一気に解き放ちましょう。そのほとんど次の刹那、日本とロシアの連結は、地域を変える。世界を、大きく変え始めるでしょう。会場の皆様、ロシアの全ての皆様、日本が皆様の未来に加える新しい、そして大きな可能性に、想像の翼を、はためかせてください。歴史を、一緒に作りましょう。未来を、ともに、拓(ひら)いていこうではありませんか。
ありがとうございました。
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