徽宗皇帝のブログ

私自身は、社会主義とは、生産手段（土地や資本金も含む）をすべて国有化すること、共産主義とは私有財産まで否定し、すべての財産は全員の共有物とすること、と考えている。これは昔、公民の参考書で読んだものを単純化したものだ。となれば、純粋の社会主義も純粋の共産主義も実現はほぼ不可能で、特に共産主義はそうだろう。だが、広義での社会主義、つまり、マルクスなどによって否定された、社会主義思想萌芽期の「空想的社会主義」（この言葉は、マルクスやエンゲルスによる、自分たちの思想を持ち上げるために他をけなすポジショントークのための用語だが、それが見事に奏功して、マルクス以前の社会主義は「無価値なもの」と見做されるようになった。その意味では、マルクス主義は「他の社会主義」の敵ですらあるし、マルクスによってあらゆる社会主義が「社会の敵」と見做されるようになったと私は思っている。漸進的社会主義が社会主義の中心思想であったなら、２０世紀末からここまでの資本主義の暴走は無かっただろう。なお、さまざまな「労働者の権利向上」や「社会福祉制度」は社会主義的な労働運動の成果であり、現在の労働者が社会主義を嫌悪するほどの「恩知らず」は無い。）までを考えるなら、その「空想的社会主義」にこそ社会主義の本質はある、と私は思っている。つまり、社会主義とは庶民の生活と権利の向上を目的とし、それ以外の目的は無い。それは「人道主義」の一つの形なのである。

前にも書いたが、「世の中がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福は無い」という宮澤賢治の言葉は、社会主義思想と言っていい。そして、それが個人の欲望の無制限な追及を社会の原動力とする資本主義や新自由主義と対立するもので、個人の欲望という「現実的な壁」を前にすると実現可能性が低いという意味では「理想主義」的なものだ、ということも分かるだろう。
しかし、これも前に書いたが、「理想主義的なところ」の無い文芸や娯楽作品がゲスなものにしかならないように、理想主義の無い社会はゲスの社会にしかならないのである。強い者が勝ち、弱い者が負けるのは当然の話であり、そんな社会で、生まれて死ぬまでゲスとゲスの騙し合いや殺し合いをするために人類は文明を作ってきたわけではないだろう。
赤ん坊が無邪気に笑う笑顔を見て、あなたは「弱い存在は生きる価値が無い」とするだろうか？

最近、ネットフリックスでアニメ「フルメタルパニック」（本編ではなく、スピンオフ作品だと思う。）を見ていて、この主人公なら「赤ん坊は弱いから生きる価値は無い」と考えそうだな、と思ったものであるwww　もちろん、コメディ的な描かれ方をしていても、結局は「強い者は勝ち、弱い者は負ける。だから強くなるしかない」という思想がこの作品の基本哲学のように思えるわけだ。つまりは、軍備増強論哲学である。自衛隊御用達アニメかwww　まあ、派手に銃砲や爆弾を使っても誰も死なないというインチキが、この作品を成立させているわけだが。（コメディや学園青春ものとしてなら、けっこう面白いから見ているのである。「咲」を麻雀勝負ものだと思うと阿呆らしいが、「甲子園野球」の麻雀版を女子高生がやる話だと見ればなかなか面白いのと同じだ。つまり、「咲」は友情、努力、勝利の話だ。麻雀部分は「オカルト」であり、その描写はほとんど「魔法少女物」であるwww）


（以下引用）

共産主義って本当に間違ってたんか？