この企画をした編集者は偉い。
「真面目なものは売れない」と大衆を馬鹿にしたマスコミ人も多いだろうが、大衆の嗅覚はインテリより鋭いこともある。今、何が問題なのかをタイムリーに取り上げたのが漫画雑誌である「ビッグコミックスピリッツ」であるのがいい。漫画雑誌だからこそ、抵抗なく買えるのである。
自分の懐から360円を出して「日本国憲法」の小冊子を買ったという、その行為が尊い。
お爺さんもお婆さんも選挙権を得たばかりの18歳も買うといい。
(以下引用)
売り切れ続出「スピリッツ」付録「日本国憲法全文」特集を読んでみた
エキサイトレビュー 2016年7月6日 10時00分
ライター情報:大山くまお
いよいよ目前に迫った参院選。
今回の選挙の争点の一つが、憲法改正だ。
憲法とは国の最高法規であり、国のあり方を定めるものだが、意外なことにそれほど話題になっていない。自民党、公明党らの「改憲勢力」が、具体的にどんな形で憲法改正をしたいのかを明らかにしていないのも大きな要因だろう(2012年に自民党が憲法改正草案を発表している)。
世論調査では、改憲勢力が国会発議に必要な3分の2議席に届きそうな勢いだという。
なんとなく憲法変わっちゃいそうだ。
と、その前に、今の日本国憲法をもっと知ろう、という試みが行われた。
7月4日発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』が「日本国憲法全文」のとじ込み冊子を特別付録として発売したのだ(360円・税込)。
すでに売り切れが続出しているという噂も聞くが、どのようなものなのか、実際に入手してみた。
44ページの冊子には、日本国憲法の全文と、浅野いにお、若杉公徳、吉田戦車、ゆうきまさみらの人気作家陣の見開きイラストが13点入っている。
憲法は前文2ページと本文12ページ。「憲法ってこんなに短いんだ?」と驚いた人も多いかもしれない。憲法に対して、なんとなくとっつきづらいイメージを抱いていた人に、憲法が実は手のひらサイズだったことが伝わっただけでも、この試みは成功だろう。
本誌には18歳のアイドルたちが憲法について語っているグラビアと、ノンフィクションライターの神田憲行氏による憲法の解説記事が掲載されている。
神田氏による解説は非常に平易で、『スピリッツ』のマンガのキャラクターたちの生活にも憲法がかかわっているというところからスタートし、憲法の三大基本原理「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」などについて語られている。
解説の中で、大きなポイントになっているのが「憲法は国民の権利を応援してる」という視点だ。第十三条「個人の尊重・幸福追求権」の「幸福追求に対する国民の権利」の部分を取り上げ、「国民は自分が決めた通りに、自分の理想に向かって生きていく権利がある。そのために日本国憲法は応援する」と解説されている。
なお、本誌には掲載されていないが、自民党の憲法改正草案をインターネットでチェックしてみると、この第十三条には「公益及び公の秩序に反しない限り」という一文が加えられている。
アイドルたちの中で、憲法に関して踏み込んだ発言を行っているのは、東京女子流の新井ひとみだ。
「日本国憲法を初めて読んでみて、いいこと書いてあるなぁと思いました。…
『第三章 国民の権利及び義務 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する』が特に気に入りました。表現することは自由で、憲法に守られているんだって。私も表現者のひとりなので、心強く感じました」
「後はやっぱり、第九条 戦争の放棄ですね。私は絶対戦争は嫌なんです。日本国憲法を守っていってもらいたい。だって、いいこと書いてあるんですから!」
ちなみに自民党の憲法改正草案では、新井のお気に入りだった第二十一条に、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という条文が新設される。
また、第九条に関しても、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」という条文が新設される。新井が好きな憲法はずいぶん変わってしまうようだ。
解説の神田氏は、「私たちは憲法について積極的に知ろうとしてこなかったと思います」「しかしもう、受け身ではいられません」と説く。
憲法を変えようが、守ろうが、まずは元になっている憲法を知ることから始めるのは当然のこと。
参院選への投票はもちろん、もし改憲勢力が圧勝したとしても、今後続く憲法改正の議論についていくためにも、日本という国を形づくる憲法について知っておかなければならないだろう。
今後は『スピリッツ』だけでなく、『週刊少年ジャンプ』や『VERY』や『CanCam』や『コロコロコミック』にも憲法の付録をつけてバラ撒けばいいんじゃないかと思う。
自民党による日本国憲法改正草案はこちらから読むことができるので、興味のある人は読んでみてください。
(大山くまお)
「真面目なものは売れない」と大衆を馬鹿にしたマスコミ人も多いだろうが、大衆の嗅覚はインテリより鋭いこともある。今、何が問題なのかをタイムリーに取り上げたのが漫画雑誌である「ビッグコミックスピリッツ」であるのがいい。漫画雑誌だからこそ、抵抗なく買えるのである。
自分の懐から360円を出して「日本国憲法」の小冊子を買ったという、その行為が尊い。
お爺さんもお婆さんも選挙権を得たばかりの18歳も買うといい。
(以下引用)
売り切れ続出「スピリッツ」付録「日本国憲法全文」特集を読んでみた
エキサイトレビュー 2016年7月6日 10時00分
ライター情報:大山くまお
いよいよ目前に迫った参院選。
今回の選挙の争点の一つが、憲法改正だ。
憲法とは国の最高法規であり、国のあり方を定めるものだが、意外なことにそれほど話題になっていない。自民党、公明党らの「改憲勢力」が、具体的にどんな形で憲法改正をしたいのかを明らかにしていないのも大きな要因だろう(2012年に自民党が憲法改正草案を発表している)。
世論調査では、改憲勢力が国会発議に必要な3分の2議席に届きそうな勢いだという。
なんとなく憲法変わっちゃいそうだ。
と、その前に、今の日本国憲法をもっと知ろう、という試みが行われた。
7月4日発売の『週刊ビッグコミックスピリッツ』が「日本国憲法全文」のとじ込み冊子を特別付録として発売したのだ(360円・税込)。
すでに売り切れが続出しているという噂も聞くが、どのようなものなのか、実際に入手してみた。
44ページの冊子には、日本国憲法の全文と、浅野いにお、若杉公徳、吉田戦車、ゆうきまさみらの人気作家陣の見開きイラストが13点入っている。
憲法は前文2ページと本文12ページ。「憲法ってこんなに短いんだ?」と驚いた人も多いかもしれない。憲法に対して、なんとなくとっつきづらいイメージを抱いていた人に、憲法が実は手のひらサイズだったことが伝わっただけでも、この試みは成功だろう。
本誌には18歳のアイドルたちが憲法について語っているグラビアと、ノンフィクションライターの神田憲行氏による憲法の解説記事が掲載されている。
神田氏による解説は非常に平易で、『スピリッツ』のマンガのキャラクターたちの生活にも憲法がかかわっているというところからスタートし、憲法の三大基本原理「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」などについて語られている。
解説の中で、大きなポイントになっているのが「憲法は国民の権利を応援してる」という視点だ。第十三条「個人の尊重・幸福追求権」の「幸福追求に対する国民の権利」の部分を取り上げ、「国民は自分が決めた通りに、自分の理想に向かって生きていく権利がある。そのために日本国憲法は応援する」と解説されている。
なお、本誌には掲載されていないが、自民党の憲法改正草案をインターネットでチェックしてみると、この第十三条には「公益及び公の秩序に反しない限り」という一文が加えられている。
アイドルたちの中で、憲法に関して踏み込んだ発言を行っているのは、東京女子流の新井ひとみだ。
「日本国憲法を初めて読んでみて、いいこと書いてあるなぁと思いました。…
『第三章 国民の権利及び義務 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する』が特に気に入りました。表現することは自由で、憲法に守られているんだって。私も表現者のひとりなので、心強く感じました」
「後はやっぱり、第九条 戦争の放棄ですね。私は絶対戦争は嫌なんです。日本国憲法を守っていってもらいたい。だって、いいこと書いてあるんですから!」
ちなみに自民党の憲法改正草案では、新井のお気に入りだった第二十一条に、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という条文が新設される。
また、第九条に関しても、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」という条文が新設される。新井が好きな憲法はずいぶん変わってしまうようだ。
解説の神田氏は、「私たちは憲法について積極的に知ろうとしてこなかったと思います」「しかしもう、受け身ではいられません」と説く。
憲法を変えようが、守ろうが、まずは元になっている憲法を知ることから始めるのは当然のこと。
参院選への投票はもちろん、もし改憲勢力が圧勝したとしても、今後続く憲法改正の議論についていくためにも、日本という国を形づくる憲法について知っておかなければならないだろう。
今後は『スピリッツ』だけでなく、『週刊少年ジャンプ』や『VERY』や『CanCam』や『コロコロコミック』にも憲法の付録をつけてバラ撒けばいいんじゃないかと思う。
自民党による日本国憲法改正草案はこちらから読むことができるので、興味のある人は読んでみてください。
(大山くまお)
PR
コメント