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徽宗皇帝のブログ

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ウクライナ戦争における「認知戦(情報戦)」という巨大戦争
「in deep」記事の一部で2020年のNATOの報告書に書かれた事柄らしい。
まあ、「情報戦争」と「認知戦争」のどこが違うのか、よく分からないし、私はこの種の「新語」は嫌いなのだが、今の世界、特に日本が新聞とテレビにおいてはNATO(DS)による認知戦争(情報戦争)の真っただ中(ほぼ完全な支配下)にあることは明白であるわけだ。ネットもロシア擁護の言説はどんどん削除されているわけで、例によって情報を支配する者は世界を支配するという「ユダヤ議定書」の新ヴァージョンである。

(以下引用)

「認知戦」の概念の出現は、現代の戦場に 3番目の主要な戦闘次元をもたらす。物理的および情報的次元に「認知的次元」が追加された。それは、敵がすでに統合している陸、海、空、サイバーネット、空間の領域を超えて、新しい競争の場を作り出す。


テクノロジーが浸透している世界では、認知領域での戦争は、物理的および情報的側面が行うことができるよりも広い範囲の戦闘空間を動員することができる。


その本質は、人間(民間および軍隊)、組織、国家の支配を掌握することだが、アイデア、心理学、特に行動、思考、および環境の支配も掌握することを含む。


さらに、広く定義された認知戦争の一部としての脳科学の急速な進歩は、伝統的な紛争を大幅に拡大し、より低コストで効果を生み出す可能性を秘めている。


それが 3次元(物理的、情報的、認知的)に及ぼす共同行動を通じて、認知的戦争は孫子にとって大切な戦いをせずに戦闘の概念を具体化する。


なお、「戦争の最高の芸術は戦うことなく敵を征服すること」だ。将来の紛争は、政治的および経済的権力のハブの近くで、最初にデジタル的に、その後は物理的に人々の間で発生する可能性がある。


このように人間を中心とした認知領域の研究は、将来の戦闘エネルギーに関連する戦略に不可欠な新しい主要な課題を構成する。


認知は私たちの「思考機械」だ。


認知の機能は、知覚すること、注意を払うこと、暗記すること、推論すること、動きを生み出すこと、自分を表現すること、決定することだ。認知に基づいて行動することは、人間が行動することを意味する。


この領域で実行されるアクションは、人間の領域に影響を与えるために実行されるが、認知戦の目的は「すべての人々を武器にすること」だ。


状況を好転させるために、NATO は非常に広い意味で定義するように努めなければならず、NATO に特定の戦略的安全と認知戦の分野における、より広範な課題を提供する国際的な関係者の意味と進歩を明確に認識しなければならない。


ここまでです。


> 認知戦争の目的は「すべての人々を武器にすること」だ。


というのが、究極的な目的のようです。


まあ、難しいように考えなくとも、情報やプロパガンダによって「ある国に憎悪を向けさせる」ことで、個人のサイバー攻撃なども自然に増えるでしょうし、経済も十分に戦争目的ですので、ある国への国民の憎悪が高まれば、その国の製品の不買や渡航の停止なども自然に起きてくるものだと思います。


 


なお、この報告書では、ロシアと中国の認知戦についてもふれていますが、特に中国が大きな構築を続けているようです。


> 中国は、その認知的操作領域の一部として「軍事脳科学」を定義している(MBS)。潜在的な軍事用途を使用する最先端の革新的な科学としてのガイダンスとなる。

> これは戦闘と戦闘の概念に一連の根本的な変化をもたらすことができる方法であり、まったく新しい「ブレインウォー」戦闘スタイルを作り出し、戦場というものを再定義している。

> 中国による MBS の開発は、人間科学、医学、人類学、心理学などの学際的なアプローチの恩恵を受けている。また中国の場合、「民間」がこの分野で進歩し、民間研究が軍事研究に設計上利益をもたらしている。 (NATO / Cognitive Warfare


ちょっと探してみしたら、今年 4月のロイターに以下のような報道がありました。抜粋です。太字はこちらでしています。


6番目の戦場 - 「認知戦(Cognitive Warfare)」


2020年10月に行われた中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議において「2035年までの長期目標の制定に関する中国共産党の提議」が審議、採択された。


…軍の近代化に関しては、「人民軍に対する党の絶対的指導を堅持する」とし、「法に基づき軍隊を統治し、機械化・情報化・知識化を融合発展加速させる」との方針が示された。そして、「2027年までに軍隊建立の百年奮闘目標の実現を確保することが目標」とされた。従来は2020年までに「機械化及び情報化を概成させる」としていたが、それらは達成されたと評価…


…2021年4月に公開された米国国家情報長官室の年度脅威評価には、軍事力や宇宙・サイバーと並んで「影響作戦(Influence Operation)」が評価基準として示されている。


影響作戦とは、敵対国が米国に対して経済的、文化的影響力拡大を図るとともに、国家主体で米国のメディア等に自らに都合の良い情報(フェイクニュースを含む)をばらまき、世論を誘導し、国家指導者の政策決定を自らに都合の良い方向に変えるというものである。


これは、人間の認知領域に働きかける新たな戦争形態と言え、第5の戦場である「サイバー空間」に次ぐ第6の戦場として「認知空間」が認識されつつある。


2017年米国防省情報局のスチュアート長官は、「戦争の本質は変わらないが、21世紀の戦いは、動的なものから大きく変わる可能性がある。敵は認知領域で戦争を行うために情報を活用している。戦いの前又は最中に意思決定の領域での情報戦に勝つことが重要である」との見解を示している。


米軍が2017年の段階で、認知領域を戦闘空間と認め始めていることを示している。2020年に示されたNATOの戦略文書には「認知戦(Cognitive Warfare)」という言葉が使用されている。 ロイター 2021/04/30)


ここに先ほどの NATO の文書が出ていますね。


いずれにしましても、これを読みますと、2年前から認知戦は主要国各国で始まっていたと推測できることもわかります。


戦争というと、日本ではメディアも、米国の作家ダグ・ケイシーさんなどが「ガラクタ」と呼ぶ、戦車だ、戦闘機だ、戦艦だというほうの戦争のイメージだけを取り上げますが、すでに、戦争とはそういうものではない、ということが本当に進んでいるようです。


ジェノサイド後の世界 ダグ・ケイシー氏が語る次の「危機」
投稿日:2021年9月19日


複雑な時代の複雑な戦争のようです。

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