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徽宗皇帝のブログ

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コメ価格暴騰の「犯人」は誰か
「世に倦む日々」記事で、まあ、ご当人も妄想説かもしれないと言っているが、少し面白い見方なので、転載する。少なくとも「関係者は真相を知っている」だろうから、それが表に出てこないのは「全員が黙秘している」という、まさに「オリエント急行殺人事件」ネタという可能性は高いかもしれない。(あまりにも有名な話なので、推理小説のネタバレという禁則を守る必要はないだろう。)しかし、すべてのコメ農家や農協関係者が本当に黙秘できるか? つまり、「オリエント急行」に乗る人間が膨大すぎるようだ。
おそらく、末端関係者はこの価格高騰の謎の真相を知らないし、価格高騰自体は正当だと思っているのである。それは当然だろう。何しろ「時給数十円」の労働である。根本は日本人全体がコメ作り農家をあまりに軽視してきたということに問題があるということだ。
そう考えると、コメ価格暴騰は、日本人全体にとって貴重な「頂門の一針」ではないか? ただし、それは「コメがなければハンバーガーを食べればいいじゃない」となって、日本の農業を壊滅させる可能性も大きいだろう。


(以下引用)

 前回、「オリエント急行殺人事件」の比喩で、関係者の全員がコメ価格つり上げの犯人だと書いた。最初に23年産米の作柄不良と供給不足があり、これを利用した投機筋の買い占めが起こり、価格高騰が始まった。農協と農水省と関係業者がこれに便乗し、価格をつり上げる方向で進め、政治家とマスコミもそれに加担して価格高騰を「自然現象」化して行ったため、高騰は止まらず5キロ4000円を超える水準にまで到達した。JA全中の山野徹が 5/13 に発言した「決して高いと思わない」という本音が、この問題の真相をよく露呈している。関係者全員が意図的に周到につり上げてきたのだ。24年産の新米が出回れば下がるとか、備蓄米が放出されれば落ち着くはずだとか、ウソを重ねて消費者を騙しながら。そして、価格が下がるとか落ち着くという見方を報道で出したときは、必ず、専門家を登場させ、価格は下がらないだろうという予測を言わせていた。

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手の込んだ芝居を、マスコミ(特にNHK)含めた総がかりでやってきた。あらためて確認したいが、24年の主食米の生産量は23年よりも18万トン増加しているのである。23年は猛暑による高温障害で不作だったが、24年は作柄指数102の「やや良」で順調に収穫され、作付面積も増えていた。生産量の増加によって需給は逼迫するはずがなかった。だが、実際の市場では1年で5キロ2000円から4200円に高騰しており、店頭には常にコメが品薄で、小売店には入荷が細く難しく、消費者がコメを探し回る状態が続いていた。流通の末端と消費の現場ではコメ不足が常態化した。明らかに流通過程でコメが隠匿されていて、暴利を得ようと業者が溜め込んでいる卑劣な事実がある。マスコミと政治家はそれを「目詰まり」と呼んでいる。どこまでも「作為」を「自然」にして正当化したい日本の思想性がある。支配層が弱者を言葉で騙す手法がある。


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一体、何が起きているのか。「オリエント急行殺人事件」の比喩記事を上げた後、薄っすらと頭に浮かんだもう一つの仮説がある。農協などが価格つり上げ目的で蓄蔵し供給制限している数量の他に、おそらく、コメ農家が直接売ったり配ったりしている数量が膨大にあるのだ。つまり、江藤拓のような形態でコメを確保している者が相当数いるのである。東京新聞(共同)の記事では、24年産米は、生産量は18万トン増えたのに集荷量が21万トン減ったと書いている。ここに真相の一端が窺える。農家が集荷先である農協に卸してない。昨年の夏から、コメ不足と価格高騰で国民にはコメの入手が大問題になっていた。農家にコネがある者は「何とか分けてもらえませんか」と切願しただろう。生産農家だけでなく、集荷業者にもそうした依頼は横から届いただろうし、そこに地方議員などの政治家が絡んで口利きすれば、農協は「分かりました」と二つ返事で融通したに違いない。


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そうした、いわば「闇米」的に流れたコメが大量にあり、入手した各家庭が数量を備蓄していて、それが現在のコメ不足の正体の一面なのではないか。そう想像する。今、店頭のコメ不足は地方でも甚だしく、東京以上に地方のスーパーが品薄状態になっている。が、何となく、地方の消費者にコメの不足感がない。切実で深刻な窮迫感が強く漂って来ない。本当に困っていて必要な人たちは、そうした「闇米」の方法で調達して問題解決しているのではないか。であれば、その人々にとっては4000円超のコメ価格高騰はただのニュースであり、リアルな生活苦の問題ではないことになる。この推理と仮説が正しいのかどうかは、現時点では証明しようもなく、妄想と言われればそれまでだが、もし核心を衝いていたなら、いずれコメ余剰という展開と帰結になるだろう。各家庭で買い溜めしたコメ(闇米)は消費しなくてはならないからだ。不安心理で余分に備蓄した分は市場での需要減となる。

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