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徽宗皇帝のブログ

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チリには大騒ぎ、ハイチは無視?
「私の闇の奥」より転載。長いので、一部のみ掲載する。
マスコミが何かの事件で騒いでいる時には、その陰に隠して何か別の犯罪が行われている、というのが私の持論であるが、犯罪とまでは言わなくても、報道すべき他の重大ニュースが、隠れていることもある。ハイチの大地震のその後について、世界のマスコミはほとんど報道しない。それにはちゃんと理由があるわけで、ハイチを貧困のままに置いておきたいという世界支配層の意図があるのである。
世界からハイチ救済に寄せられた寄付金や援助金のほとんどが被災者救済には使われず、米国が背後にある産業のために使われることも、これまで使われた金は、NGOやNPOの給与に優先的に使われてきたことなども、はらわたが煮えくりかえる思いがするが、まずは世界中に、マスコミ報道に載らないこのような情報を広げることが大事だろう。人間は、自分の知らないことに対しては行動できないのだから。



(以下引用)


チリとハイチ

 チリ北部のサンホセ鉱山で、8月5日、落盤事故が発生、地下約700メートルに33人の作業員が閉じ込められました。それから69日目に最初の一人が救出され、22時間に33人全部が地上に生還しました。劇的な救出ストーリーは全世界に伝えられ多くの人々に感銘を与えたに違いありません。33人と地上から送られた何人かの救助隊員が全部地上に戻る前に何か支障が起るのではないかと、心配性の私はハラハラしながらテレビを見ていました。とにかく素晴らしい救助作業の成功で目出たい限りです。
 インフォテインメントという嫌な造語があります。インフォーメーションとエンタテインメントを合わせたものでしょう。歳のせいだと思うと少し悲しくなりますが、何事につけても、世の中の人々と一緒になって素直に感動することができず、マスメディアが声高に伝える美談、涙をさそうストーリーを楽しむことも私には難しくなりました。チリの鉱山事故のドラマの現場には、国内国外を含め、千人の報道関係者が集まったと伝えられました。それを伝えるNHK だけでも、女性一人、男性二人がマイクを手にして取材していました。インフォテインメントの言葉のとおり、ニュースは今や商品(コモディティズ)として取り扱われ、しかも、政治的なオマケが意識的に張付けられている場合が多いのです。しかし、ニュースの商品価値とは何でしょう。「スクープ」という言葉を広辞苑でみると「新聞・雑誌・テレビなどの記者が他社を出し抜いて、重大なニュースをつかみ報道すること,また,その記事」とあります。スクープとは、何も有名人の個人的スキャンダルに限られるだけでもありますまい。われわれ一般市民をよほど馬鹿にするのでなければ、刺激的な商品価値のあるニュースを、他社を出し抜く形で報道することは、全メディアをあげてのチリ鉱山事故の騒ぎのただ中でも可能のように、私には思われます。
 ハイチの現地時間2010年1月12日(日本時間13日)、中米のハイチ共和国でマグニチュード7の地震が発生し、直接の死者22万人、負傷者33万人、百数十万人が住居を失い、単一の地震災害としてはスマトラ島沖地震に匹敵する近年空前の大規模なものになりました。それから10ヶ月後の今、私が「スクープしてはいかが!?」と推薦したいのは、 ハイチの悲惨な現状です。少しばかりの誇張が許されれば、ハイチは震災直後の状況から殆ど何らの改善もない悲惨さのただ中に10ヶ月間も放置され続けているのです。とても信じられない大変刺激的なニュースではありませんか。首都ポルトープランスの市内中心を除けば、復興事業は、ハイチの一般大衆に関する限り、殆ど進んでいません。瓦礫の除去さえ進んでいないのです。そして今も、首都の内外、特に市の周辺地域に広がった地域に百五十万人がテントや防水シートの仮住まいで生きています。写真でみると日本のホームレスの人々の寝起きの様子にそっくり、それが150万人、想像を超える情景でしょう。
 去る9月24日、ほんの10分間ほど,集中的な豪雨と突風がポルトープランスを襲い、その結果、死者5名、数百人負傷、数千のホームレスの寝起きの場所が破壊されました。同じカリブ海の国にしても、もし同じような暴風雨がキューバの首都ハバナを襲ったのでしたら、ただ一人の負傷者も出なかったかも知れません。ハイチの人々が蒙ったのは天災ではありません。人災です。
 9月25日、このハイチの惨状に対する小さな抗議デモがニューヨークで行なわれたのですが、そのプラカードには[Where is the Money?]と書いてありました。世界各国の政府がハイチ復興に拠出を誓った110億米ドルのうちの僅か3%しか未だ使われてないそうです。CBSニュースによるとこの他にオックスファムや赤十字のようなNGOにも40億ドルの寄付金が寄せられたとのことですが、その大きな部分は今ハイチに乗り込んでいる約1万人のNGOスタッフの給料生活費として使われているようです。何故莫大な復興費が150万人のホームレスたちの救済に使われないのか?その主要な理由はクリントン前大統領を特使とするアメリカ/国連のハイチ復興計画の基本的な方針にあります。それは、ハイチの人口をアメリカのアパレル産業や農産物輸出業のための超低賃金労働者の供給源に仕立ててゆくという長期計画に基づいていると思われます。お金はこの基本方針の線に沿って、うまくゆっくりと使わなければなりません。この事については、以前にハイチを取り上げた時に論じました。このネオコロニアリズムの恐るべき残忍性も、私から見れば、刺激的な商品価値のあるニュースに思えて仕方がないのですが・・・。

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