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徽宗皇帝のブログ

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パレスチナ・イスラエル・米国
「薔薇、または陽だまりの猫」というブログから転載。
長文の引用になるので前説は省略するが、パレスチナの現実についての(西側寄りではない)詳しい情報が豊富な記事である。
なお、同ブログの別記事で触れられているが、ガザ地区はイスラエルによって実質的に占領された地区であり、イスラエルはガザの住民を保護する責任があるにも関わらず、逆に同地区住民を虐殺している(これは戦争ではなく、一方的虐殺にすぎない。)という事実を全世界は最大の犯罪として取り上げる必要があるだろう。




(以下引用)*管理画面と実際の画面が異なり、行分けが見づらくなっているので、元記事を直接ご覧になるほうがいいかもしれない。


【ガザ】Q&A イスラエルの目的と合衆国の関与/岡真理さん から

2014-07-31 16:17:23 | 世界

京都の岡真理です。

ここ数日の日本のマスメディアの報道によれば、イスラエル軍はハマースその
他の勢力が掘ったトンネルを破壊するためにガザを攻撃しているのだそうです。

最初は、イスラエル人の3人の少年の誘拐と殺害に対する懲罰として始まったと
される戦争が、ハマースのロケット弾攻撃を止めさせるための攻撃となり、そし
ていつの間にか、ハマースその他が掘ったトンネルを破壊するための攻撃という
ことになっています。

ガザ侵攻の狙いがころころと変節する一方で、最初から一貫して変わらないのが、
民間人に対する意図的な攻撃です。昨日、再び、1000人以上が避難していた国連
施設の学校が爆撃され、少なくとも20人が殺されました。(イスラエル軍は
「ハマースのロケット弾によるもの」とお決まりの応答です。)市場も爆撃され、
15人が殺されました。

イスラエルの真の狙いは何なのでしょうか。

また、繰り返されるイスラエルによるガザの虐殺に、アメリカ政府はどのように
関わっているのでしょうか。

3人の有識者によるQ&Aをご紹介します。

■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
http://imeu.org/article/faq-the-assault-on-gaza-israeli-aims-us-involvement

FAQ ガザに対する攻撃:イスラエルの目的と合衆国の関与

IMEU / 2014年7月30日

回答者:
●ダイアナ・ブット 
人権弁護士、ラーマッラーを拠点に活動するアナリスト、PLOのマフムード・
アッバース議長およびパレスチナ代表団のもと顧問。

●ユーセフ・ムナイェル 
ワシントンDCのエルサレム基金およびパレスチナ・センター事務局長

●オサーマ・ハリール 
シラキューズ大学准教授 専門は米国と中東の関係史。アル=シャバカ:
パレスチナ政治ネットワークの共同創設者

■Q-イスラエル当局は当初、イスラエルのガザ侵攻はパレスチナ武装勢力のロケット
攻撃を止めさせるためだと言っていました。ガザに拠点を置く諸勢力との長期にわたる
停戦を破ったのはイスラエルであり、それによってロケット弾の発射と現在の流血の事
態を招いたのですが、そうした事実とは裏腹の主張です。
侵攻が始まると今度は、イスラエル当局は、ハマースその他のガザの諸勢力が掘ったト
ンネルの破壊が軍事作戦の主目的だと言い始めました。イスラエルのガザ侵攻の本当の
目的とは何なのですか?

●ダイアナ・ブッ(DB)―イスラエルは、何がガザ侵攻の目的か、明確には述べていま
せん。むしろ、何を実現しようとしているのかについて、その都度、立場や論点が変わ
っています。最初、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、[イスラエル]占領
下の西岸で3人のイスラエル人の少年を殺害したことでハマースを懲らしめるのが狙い
だと示唆していました。ハマースが3人の死に関与しているという証拠など何もないに
もかかわらず、です。後になってネタニヤフは、ガザからロケット弾が発射されるのを
止めさせるのが目的だと述べました。でも、ガザからそれらのロケット弾が発射された
のは、イスラエルが今回の攻撃を開始した「あと」なのです。

ネタニヤフが述べる侵攻の目的はころころ変わるにしても、明らかなことは、この攻撃
の効果として、パレスチナ人の生活とインフラが破壊されるということです。今日まで
に250人の子どもを含む1200人のパレスチナ人が殺されました。うち80%が民間人で
す。イスラエルは、パレスチナ人の家や病院やモスクや学校、そして上水や下水施設を
攻撃しており、直近では、ガザ地区唯一の発電所も攻撃し、ガザには発電機のほかは、
いかなる電力の供給源もなくなってしまいました。発電所に対するこの攻撃で、水や下
水をくみ上げることができなくなり、また病院で生命維持を図っている者たちは、今や
、死なないためには発電機だけが頼みです。国連の算定では、(170万の総人口のうち
)24万人が家を追われ、8000軒以上の家が全壊もしくは半壊です。

自らを守る術のない、ガザに閉じ込められた民間人を情け容赦なく爆撃することに加え
て、イスラエルはガザ地区の中深くまで立ち入り禁止区域を設けました。今やガザ地区
の44%にパレスチナ人は足を踏みいれることができないと推定されています。居住区
一帯をイスラエル軍に破壊されてしまった挙句に、です。

●ユーセフ・ムナイェル(YM)-イスラエル自身、[目的が何か]分かっているのか疑
問です。彼らはこの6年間に、ガザで大規模な軍事攻撃を3回、行っていますが、自分た
ちの目的を実現するには、軍事力は不適切だという事実を証明しただけです。トライす
る過程で、彼らは何百人もの民間人を殺して、すでに占領し植民地化し、封鎖したパレ
スチナ人の住民たちの敵意をさらに買いました。

彼らはガザを、定期的なメンテが必要な機械の一部品のように扱っています。ただし、
そのメンテとは爆撃によってなされるわけですが。これに関して何の戦略もなければ、
繰り返し計画される戦争には何の道徳性もありません。戦略の欠如ゆえにイスラエルは
ガザから身動きできないのです。彼らはこの状況を自分でエスカレートさせ、そして地
上戦に踏みこみました。彼らは、パレスチナ人の戦闘員がこれほど苛烈に闘い、自分た
ちに甚大な軍事的損失を与えることに成功するとは予想だにしていませんでした。これ
が結果的に、煽られたイスラエルの市民が、決定的な勝利(などというものはそもそも
不可能なのですが)なしに作戦が終了するのを受け入れることをますます困難なものに
しています。好きな時に始め好きな時に終えることのできる戦争だったはずが、消耗戦
になってしまったのです。その最大の犠牲をはらっているのが、ガザの民間人です。

●オサーマ・ハリール(OK)-これまでのガザ侵攻同様、イスラエルの説明は時ととも
に移り変わっています。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、イスラエル占領
下の西岸地区で3人のイスラエル人の少年が誘拐され殺されたのは、ハマースの責任と
主張したことでガザへの攻撃が始まりました。そのあと、イスラエルにロケット弾が撃
ち込まれるのを防ぎ、トンネルを破壊するためだ、と変わりました。以前と同じくイス
ラエルのレトリックは「限定的作戦」から「必要に迫られた戦争」ないしハマースに対
する「正義の戦争」に変わりました。

しかし、そもそもの最初から、ネタニヤフの真の狙いは一貫しています。まず、最近、
実現したファタハとハマースのあいだの統一の合意を切り崩すこと。ネタニヤフは、パ
レスチナの統一がイスラエルに対して交渉の席に戻れと圧力をかけることにつながると
理解しています。2点目は、ジョン・ケリー国務長官主導による合衆国が仲介している
交渉の失敗についてオバマ政権からの批判をかわすことです。

過去数か月のあいだ、オバマ政権の高官は公的な場でも私的な場でも、ネタニヤフをパ
レスチナ人との交渉、とりわけイスラエル占領下の西岸において継続する入植地建設に
関する交渉を失敗させたとして非難してきました。10年以上にわたり、ネタニヤフは一
貫して、和平プロセスを反故ににしようと画策してきました。彼は、最初に首相を務め
たとき(1996-1999)、交渉を頓挫させるという自分の役割を臆面もなく遂行
しました。同じように、彼は先日、ガザからのロケット攻撃は、イスラエルが西岸を手
放すことは出来ないことを示していると述べています。ガザに侵攻することで、彼は、
パレスチナの主要な党派間のさらなる不和の種をまいているのです。そうなれば、和平
交渉は無期限に延期されるでしょう。

■Q-イスラエル警察のスポークスマンが最近、事実として認めたことですが、先月起
きたイスラエル占領下の西岸における3人のイスラエル人少年の誘拐と殺害は、イスラ
エルのネタニヤフ首相の主張とは裏腹に、ハマース指導部が是認したものではありませ
んでした。首相は西岸における過酷な弾圧とガザに対するイスラエルの現在の攻撃を正
当化するために、行方不明になった少年たちを利用したのでした。ネタニヤフが考えて
いる政治的なエンドゲーム[勝負の詰め]とはどのようなものでしょうか。

●DB-ネタニヤフはパレスチナ人が多少なりともふつうの生活らしきものを送る能力を
もっている限り、これを破壊しようとしています。イスラエルが課す残忍で違法な封鎖
は、ガザ地区を野外監獄に変えてしまいました。開発の展望もなければ、ふつうの経済
、ふつうの生活の展望もありません。ガザは空から海から毎週のように攻撃されている
のですが、それらに加え、2008年以来、イスラエルの3回に及ぶ大爆撃作戦は、パレス
チナ人の生活をめちゃくちゃにしてしまいました。ふつうの生活にいつかは戻れるとい
う展望さえ持てないほどに。避難民モニターセンターによると、今回の攻撃前夜、
12,500人のパレスチナ人が、2008‐09年のイスラエルの攻撃で家を失い、依然として
避難生活を続けていました。ネタニヤフはこのような軍事行動をとることでイスラエル
国民の支持は得るかもしれませんが、指導者として何のヴィジョンもありはしません。

●YM-私が考えるに彼は、パレスチナ人に対して[パレスチナ]統一のいかなる試みも
粉砕しようとしています。このことは、和解合意が調印された日から、彼の公然の目標
でした。彼はまずこれを、和平交渉の失敗に対する非難をかわすために利用し、そして
、今日に至る道を進み続けました。戦争というものが、別の手段による政治であるとす
るなら、ガザに対するこの戦争は、パレスチナの統一をぶっ壊すという政治的な狙いを
持っています。

国内的には、彼の狙いは、自分の右派政権への支持を固めることです。これは、とりあ
えずはかなり成功しています。しかし、この戦争に対するイスラエル国民の支持として
永続的効果をもっているかどうかは不透明です。もしかしたら、単に国家の一大事に結
束している、というだけであって、やがて、この戦争の指揮を誤ったとして政府が矢面
に立たされるかもしれません。そうであったとしても、せいぜいのところ、責めを負う
政治指導者の首がすげかわるだけで、イスラエル社会全体の右派的な感情にいささかも
変化はないでしょう。

ネタニヤフの動機は、シニカルで身勝手です。まず、彼には国内的な政治的狙いがあり
ます。ネタニヤフのこれまでの危機対応を批判してきたイスラエルの右派の潜在的ライ
ヴァルを弱体化するということもそこには含まれています。アヴィグドル・リーバーマ
ン外相や、ナフタリ・ベネット経財相、クネセト(イスラエル国会)の副議長、モシェ
・フェイグリンのような人物らが、誰がパレスチナ人やガザ問題に関してとりわけ、よ
り強硬かを競い合っているのです。

最近の世論調査によると、イスラエル市民の圧倒的多数がガザ侵攻に賛成しています。
このことが、ネタニヤフに、2012年のハマースとの停戦合意に戻れなくさせています。
このときの停戦合意は、イスラエルに対しては十分発揮され、しかし、ガザのパレスチ
ナ人にとってはそうではありませんでした。[合意条件であった]封鎖は解除されなか
ったからです。イスラエルの政治コメンテータの中には、ネタニヤフが2012年の停戦合
意に戻るのは「政治的自殺」だと示唆している者もいます。したがって、彼はハマース
もガザの封鎖もこれまでどおりにしておいて、ハマースに対して「勝利」を宣言するこ
とができるということを示さなければならないのです。

ネタニヤフは最後には、和平プロセスと二国家解決の息の根を止めることを望んでいま
す。パレスチナ統一を切り崩し、西岸とガザの地理的、政治的分断を維持することで、
ネタニヤフは、パレスチナ人が自分たちの国家をもつという希求をパレスチナの民族運
動もろとも終わらせることができると信じているのです。同じ勢いで継続する入植地建
設によって、イスラエルは西岸と東エルサレムの支配を維持し、ガザはますます人間の
住めないところになっていきます。

2008年11月にオバマが大統領に選出されてから、イスラエルはガザに対し3回の大攻撃
を行い、1700人以上のパレスチナ人民間人を殺害しました。うち、およそ600人が子ど
もです。

イスラエルはキャスト・レッド作戦を2008年のオバマの大統領選出と、彼の宣誓式のあ
いだに実行し、この作戦のあと、オバマ大統領は、戦争犯罪や人道に対する罪に問われ
ているイスラエルの高官が処罰されないよう、国連のいわゆるゴールドストーン報告を
無効にするのを助けました。これらガザに対して繰り返される攻撃では、さまざまな人
権団体が、イスラエル軍によって犯された一連の戦争犯罪と人道に対する罪を記録して
います。オバマ政権はこれらの戦争で共犯しているのでしょうか。

●DB-2008年のガザに対するイスラエルの攻撃以来、合衆国はイスラエルに、軍事援助
や兵器という形で180億ドル以上を供与しています。合衆国はガザ地区の人口のおよ
そ43%が14歳以下であることを十分、認識していますし、人口の80%が今、イスラ
エルとなっているところから来た難民であることも知っています。合衆国は、自分たち
がイスラエルに供与している兵器が、合衆国の法を侵犯して、民間人に対して用いられ
ていることもよくよく承知しています。ネタニヤフが欲しているのが、そして実際に効
果的に手に入れているのが、追放され、国をもたない、難民たちに対するイスラエルの
血も涙もない封鎖を続け、この地上でもっとも恐ろしい兵器のいくつかで彼らを爆撃す
ることに対するゴーサインであるということも、合衆国は十分、分かっています。

イスラエルの行動に対する合衆国の共犯は、軍事援助の提供を越えて広がっています。
合衆国はイスラエルの戦争犯罪を止めさせる行動をとることを拒否し、国連がイスラエ
ルを非難しようとする努力を妨害しています。合衆国は国連の人権理事会で、イスラエ
ルの行動についての国際調査に反対した唯一の国です。調査されれば、ガザにおいてイ
スラエルが犯している戦争犯罪が明るみに出ると分かっているからです。

合衆国は、パレスチナ自治政府に対し、国際刑事裁判所(ICC)に署名しないよう大き
な圧力をかけており、パレスチナ自治政府が国連でさらにパレスチナ国家への支持を求
める行動をとったり、ICCに署名したりしたら、自治政府に対する援助を打ち切ると脅
かしています。

●YM-もちろんオバマ政権は共犯です。とくにオバマ自身が共犯者です。合衆国はイス
ラエルを制御できる唯一の強国ですが、そうなってはいません。オバマ政権は、それ以
前の多くの政権同様、イスラエルを公的に批判することを避けています。それをすると
、国内で、政治的コストが高くつくからです。しかし、オバマはそれを打ち破るべきで
す。人間としてオバマは、ほかのすべてのまっとうな人間同様、民間人の死とガザの大
虐殺に憤らなければならないのです。ほんの少しの勇気があれば、彼自身は、これを変
える力をもっているのです。でも、彼はそうしません。これは恥ずべきことであり、恥
辱です。

イスラエルの人権侵害への合衆国の共犯には、長い歴史があります。オバマ政権は、ガ
ザ紛争についての国連の事実調査団の報告(ゴールドストーン報告)を握りつぶそうと
画策しました。国連報告が発表されるとすぐ、オバマ政権は調査結果を台無しにしよう
と組織的に動きました。オバマ政権はまた、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバ
ースに対し、国連の人権理事会でこの報告を棚上げするよう圧力をかけました。代わり
に、イスラエルに対し入植地建設を凍結し、有意義な交渉に戻るよう圧力をかけるから
と約束をしたのです。
ところが、イスラエルは交渉の席につくことを頑なに拒否し、パレスチナ人の権利の大
規模な侵害をアメリカは依然、支援し続け、国連その他の国際機関でイスラエルを護っ
ているのです。

■Q-オバマ政権がイスラエルに与えている揺るぎない支援にもかかわらず、イスラエル
政府が入植地の拡大やその他の問題に関して合衆国の公式の政策を組織的に侵犯してい
るとき、イスラエルの高官はますます声高に、ガザでの停戦を仲介しようと努力するオ
バマ大統領やジョン・ケリー国務長官を攻撃しています。

最近、あるイスラエルの高官が匿名でケリー長官のことを、その停戦案ゆえにイスラエ
ルに対し「戦略的テロ攻撃」非難しました。イスラエルと合衆国のあいだのこのような
対立は、二国家の長期的関係においてどの程度、重要でしょうか。

●DB-大して重要なこととは思いません。イスラエル政府が公然と合衆国政府や、大統
領を侮辱したり、反対したりするのはこれが初めてではありません。

2009年にバイデン副大統領がエルサレムに到着したときのことを思い出してください。
イスラエル政府はわざわざ、新たに入植地を拡大すると発表したのです。合衆国が中止
しろと呼びかけているのに。2002年、イスラエルが西岸で大量虐殺を行ったあと、ジョ
ージ・ブッシュ大統領はイスラエルに西岸から「即時」引き上げるよう要求しましたが
、イスラエル軍は戦車ひとつ動かすことなく、その後さらに6週間も居座ったのです。
合衆国は、イスラエルが合衆国を侮辱することに関しては、気骨を欠いています。そし
て、これらの侮辱にもかかわらず、わざわざ、さらに多くのお金や政治的援助をイスラ
エルに与えることになるのです。


●YM-私は重要で忘れてはいけないことだと思います。ケリーはウクライナで危機が起
きかけているのに、何もかも放り出して停戦を仲介するため現地に飛びました。停戦は
間違いなくイスラエルに益するものであったはずですが、イスラエルはこれを全員一致
で拒否しました。平手打ちを喰わされたようなものです。

今、大きな揺り戻しが来ていますが、イスラエルがワシントンに送ったメッセージは明
白でした。「助けが必要なときは、我々の方からそう言う。そうでないかぎり、お前た
ちは、無条件に我々を支持すると言っていればよいのだ」ということです。これらすべ
ての光景はまた、叩きのめされたケリーが、オバマ在任中の最後の2年間、もう一度、
和平交渉に関わるのをためらわせるには十分です。

イスラエルは自分を養ってくれる者の手を噛むことにかけては長い歴史があります。不
幸にもワシントンもまた、自分の手を噛む者をさらにもてなすことで応えるということ
にかけて長い歴史があります。この問題についての合衆国の世論が、イスラエルに対し
てより批判的な方向に発展していけば、これは将来的には変わるかもしれませんが、短
期的には変わらないというのが私の気持ちです。

●OK-悲しいことに、この口頭の手厳しい意見や侮辱は合衆国とイスラエルの関係に重
大な影響を与えはしないでしょう。これが初めてではないのです。アメリカの当局者に
ついて、イスラエルのカウンターパートからこの種の厳しい意見がなされてきました。
イスラエルを同じように支援していた過去の政権もまた、愚弄や嘲りの的になったので
す。

加えて、ネタニヤフの政府は、アメリカの政治カレンダーをよく分かっており、中間選
挙が近づいているので、連邦議会とオバマ政権のどちらもイスラエルのガザ侵攻を支持
すると認識ています。イスラエルはまた、選挙のあと、ひとたびオバマが「レイムダッ
ク(任期の残りを消化するだけの役立たずの大統領)」になれば、イスラエルを新たな
交渉の席につかせようと圧力をかけたり、妥協を強制したりする力は大幅に制限され、
自分に残されたわずかな政治資本を和平プロセスに使いはしないだろうと踏んでいるの
です。

[翻訳:岡 真理]
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