日本の生活保護制度のように、受ける側が屈辱的な感じを与えられる制度とは異なり、国民全員が基本所得を与えられるのだから、恥でも何でもなくなる。主婦も(おそらく子供も)最低限の収入が得られるのだろうから、DV亭主に我慢することも無くなるだろう。つまり、国民全員が「自由」を得るのである。
自由の前提は、金である。生存に必要な収入も無しの自由は、ホームレスの自由である。そんなものを欲しがる人はあまりいないだろう。その一方で、収入を得るために、多くの人が隷属的状態を我慢している。たとえば、子供が親の横暴を我慢するのも、独力で生きる手段を持たない子供の生殺与奪の権が親にあることを子供がうすうすと感じているからだろう。(これは、親が横暴な場合の話であって、愛情で結ばれた家庭の話はまた別だ。)
ということで、私はベーシックインカム大賛成派である。あっしら氏は、この制度によって労働をしない人間が増えることを心配しているようだが、低収入で怠けて生きるというのも一つの人生設計であって、他人がどうこういう問題ではない。労働が神聖だ、などというのはその労働の上がりをかすめて高い収入を得ている上級国民連中の言い草だろう。放っておいても、高い収入を得て贅沢をしたい(より良い生活をしたい)という連中はたくさんいるから、そういう人々が働くに決まっている。そうでなくても、機械化によって労働自体の必要量はどんどん減少し、むしろ「仕事の無い人間」や「仕事の奪い合い」が今の社会の問題なのである。
要するに、自分の希望に反する「奴隷的労働」をする人間が、この制度が導入されたらいなくなる、ということであり、これほど喜ばしいことは無い。
(以下引用)
フィンランドが「ベーシックインカム」(統一最低所得)制度を導入へ:何をしていても誰でも最低収入を政府が保証
http://www.asyura2.com/15/senkyo194/msg/857.html
昨日朝NHKBS1で放送された「フランス2ニュース」は、フィンランドが来年春に導入しようとしている「統一最低所得」制度を扱っていた。
F2の解説者は、無謀で極めて不平等な制度だと批判的に説明していた。
フィンランドが金額などどのような内容で「統一最低所得」制度を導入しようとしているのかは不明だが、簡単に説明すると、生活保護・失業手当・基礎年金(一部)・児童手当など政府部門が様々な条件のもとで支給している給付を、あらゆる人に対し無条件・一律に給付する制度と考えるとわかりやすい。
政府が運営する給付制度を簡略化するとともに運営経費を大きく削減することで成り立つ制度である。
それがどれくらいの比率になるかは“実験”だが、「統一最低所得」を超える収入を望まないひとは、仕事をしないでだらだらと過ごすこともできる。
アラスカやシンガポールで「統一最低所得」制度の実験が行われ、スイスも導入を検討しているとのこと。
フィンランドでは80%のひとが「統一最低所得」制度導入に賛成しているそうだ。
フィンランドの失業手当は600ユーロということなのでそのあたりの金額が最低ラインになるかもしれない。
財源は、生活保護・失業手当・基礎年金(一部)・児童手当を基礎(雇用保険は税に転換する必要)に、それらの給付事業に携わる公務員を削減することで捻出する。
場合によっては、中高所得者が受け取る「統一最低所得」の大部分が所得税として徴収されるかもしれない。
(生活保護制度を考えればわかるが、申請受付→受給資格チェック→恒常的な就労意欲チェックなどのために膨大な数の公務員が運営に携わっている)
私は、労働重視の価値観を持っているので、「ベーシックインカム」(統一最低所得)には賛成ではないが、公的支援のケースが増大する傾向にあるなか費用対効果の観点から、先進諸国は「ベーシックインカム」(統一最低所得)の方向へは動くと予測している。
日本は、「給付付き税額控除」制度さえ導入していないので、まずはそこから始まるだろう。(安倍政権は「給付付き税額控除」制度の導入を模索している)
お金の給付だけではない福祉事業にはそれなりの公務員を確保しなければならないが、お金を給付する事業に携わっている公務員を全面的にカットできるので、長寿化社会で生じると予測されている人手不足の解消にはそれなりに貢献するだろう。
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