https://note.com/hiroshi_arakawa/n/n81e4f19fe914
<転載開始>
未だ実験段階であるレプリコンワクチンが、世界で初めて日本で承認されました。今回承認されたレプリコンワクチンの商品名は「コスタイベ筋注用」、その開発コードが「ARCT-154」です。ARCT-154はコロナウイルスに対するレプリコンワクチンですが、このワクチンは始まりに過ぎないでしょう。今回はNatureに掲載されたレプリコンワクチンについての記事を紹介します。
日本では主に「レプリコンワクチン」と呼ばれていますが、海外の文献ではsa (self-amplifying)-mRNAワクチンと呼ばれる事が多いです。その翻訳として、日本においては自己増殖型と自己増幅型の両方の表記が見受けられますが、ここでは「自己増殖型」と統一させていただきます。
自己増殖型mRNAワクチンが従来型に比べてごく少量の投与量で済むのは、接種後ワクチンが接種者の体内で増えるからに他なりません。しかし、実際のところどれだけ増えるかは未知であり、個人差も大きいでしょう。ARCT-154はスパイクタンパクを抗原とするコロナワクチンですが、自己増殖型mRNAワクチンは今後様々な感染症や癌の予防、治療などに使われる事が予定されています。
記事中では「自己増殖型RNAワクチンは、従来のメッセンジャーRNAワクチンの新たな武器となるだろう」との言葉があります。では果たしてその矛先はどちらへ向かうのでしょうか。
長期間の抗体誘導は免疫系が長期間抗原と反応し続けた結果でしょう。そうした場合、免疫系は抗原を危険でないものと再学習し、免疫反応を抑制するIgG4を誘導します。この様に、長期間の抗体誘導は免疫抑制を引き起こします。
saRNAワクチンの開発企業は、将来的にsaRNA技術が従来のmRNA技術に置き換わっていく事を期待しています。実際、人々がワクチン接種について国や行政、医療機関に疑問を抱かない限りそうなっていく事でしょう。
文中では「saRNAは全く別の獣 (beast)」と書かれています。実際、自己増殖型mRNAワクチンは「ウイルスのように」体内で増殖するため、獣という表現は言い得て妙です。自己増殖型mRNAワクチンでは接種一回あたりの投与量が減らせるために製造コストの削減にも繋がり、製薬メーカーにとっての金銭的な利益は大きくなります。しかしワクチンの増殖自体はコントロールできません。つまりは製薬会社の利益の為にリスクを背負わされるのは他でもない接種者なのです。
mRNA技術は、言うならば人体を薬品工場として利用する技術です。免疫系を刺激するために、細胞のタンパク合成機構によって外来mRNAから抗原タンパクを生産するのがmRNAワクチンの仕組みです。それに対し、自己増殖型mRNAワクチンでは抗原タンパクのみならず、その鋳型となるmRNAも複製され、増殖します。ウイルスのような性質を持つ自己増殖型RNAワクチンでは細胞が言わば「生物学的印刷機」となるのです。
レプリコンコロナワクチンのARCT-154は、蚊によって媒介されるベネズエラウマ脳炎ウイルスの殻の遺伝子をスパイクタンパクに置き換えて作られました。これはまさに殻の無いウイルスというデザインです。そのため、エクソソームを介してワクチンが細胞間を移行する可能性もありますし、他者に伝播する懸念もあります。そのままでは感染性はないでしょうが、将来ウイルスとRNA組換えによってウイルスの感染性遺伝子を取り入れるような「進化」が起こる可能性が否定できません。
(以下省略)
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