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徽宗皇帝のブログ

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一国に二つの「都」という冗談が本気で言われている
大阪都構想(抗争?)に関する住民投票が近々実施されるが、私にとってはまったく対岸の火事であり、興味も無かった。他都道府県の人はすべて同じ気持ちだろう。
「二重行政の解消」がどうこう言うが、あらゆる道府県で傘下の市町村との間での二重行政はあるわけで、なぜ大阪市だけが特権的にその解消を言う必要があるのか、まったく分からない。しかも、下記ブログで書かれているように、大阪都が実現したら、大阪府の財政赤字は巨大な金額に上り、破産自治体となる可能性は非常に高いのである。加えて、府市統合の初期費用も巨大なものであり、それも赤字を積み上げるだけである。それに比べたら、大阪府が大阪都になるメリットなど、話にもならない。
つまり、「破産寸前の男が、恰好をつけて背広を新調して威張ってみせる」というのが大阪都構想であり、その真の姿、真の意図は、府や市の収益部分である上下水道や公営交通機関の民営化、つまり一般企業への叩き売り、企業による私物化だろう。
大阪府民や大阪市民はいったい橋下に何度騙されたら気が済むのだろう。
そもそも、一国に「首都」は二つは無い。「都」と言えば、首都のことを意味するのであり、「田舎」に対する「みやこ」の意味でなら、行政区分としての「都」を使うことは不可能なはずだ。大阪が「都」を名乗るなら名古屋も京都も「都」を名乗っていいことになる。(京都は名前自体に「都」が入っており、実は皇居移動による東京遷都は国民に布告されていない非公式なものであって、名前の通り、本当は今でも京都が「都」なのだという説もある。)
まあ、関東が放射能で住めないというのなら、「遷都」をすればいいだけである。それが大阪であろうと京都であろうと、一部で囁かれている岡山だろうとかまわないが、先に「都」を二つ作っておく、というのはいじましいやり方だ。というより、一国に二つの「都」など、キチガイ沙汰である。




(以下引用)




私が大阪都構想に反対する理由とは

吉富 有治
大阪・中之島

 日ごろ、大阪の地方議員や大阪維新の会の支持者たちと話をしていると、「吉富さんは大阪都構想に反対なのですか、それとも賛成なのですか」と質問されることがある。新聞・雑誌のコメントで維新の会を厳しく批判する一方、コメンテーターとして出演するテレビ番組などで橋下行政をときに肯定的に評価することもあるので、吉富は維新派なのか反対派なのかといった疑問がわくのだと思う。そこで今回は、私が大阪都構想をどう評価しているかについて、ここで明確に答えておきたい。


 結論からいって、大阪都構想には反対である。ただし、都構想が持つ理念については否定していない。これからの大阪府と大阪市の関係性について考えるべき点が多々あると思っている。

 最初に都構想に反対する理由について述べたい。まず、「大阪市」という名称がなくなるとか、あるいは24区が再編されて特別区になれば地域の歴史や文化が破壊されるといった情緒的な反対理由は持ち合わせていない。「北区」や「西成区」の名称が消えて新しい特別区が生まれたところで、時間が経てば誰もが自然と慣れてくると思うからである。

 そもそも私が都構想に反対する理由は1つしかない。大阪府と大阪市の財政問題に尽きるのだ。とくに大阪府の財政状況は悪すぎる。現在の府の借金は総額6兆円を超え、自治体の収入に対する借金返済の割合を示す実質公債費比率は18.1%(2012年度決算、暫定値)と高い。このため大阪府は起債するにも総務省の許可を要する起債許可団体に陥っており、この比率が25%を超えると破綻一歩手前の早期健全化団体へ、さらに35%を超えると財政破綻を意味する財政再生団体へと転落する。大阪市の財政状況も褒められたものではないが、大阪府よりはまだマシである。しかし、大阪府と大阪市が再編して大阪都になるとそうはいかない。マイナスとマイナスを足してもやはりマイナスだ。たちまち自治体破綻への道を突き進む。

大阪破産 / 吉富 有治 著

 公明党大阪府議団の清水義人府議は10月11日の府議会総務常任委員会で、大阪府と大阪市の借金すべてを大阪都が引き継げば、都の借金は総額8兆2000億円となり実質公債費比率は31.1%に跳ね上がるとの試算を提示した。清水府議の指摘に対して大阪府の幹部は「借金の7割を特別区が返済すれば都の破綻は免れる。目下、そのような制度にするよう総務省と協議中」と回答した。だが、かりに府の提案が総務省に認められて"大阪都破産"を回避できたとしても、今度は特別区が実質的に借金まみれとなり、区の自立的な行政運営は難しくなる。このように大阪府と大阪市の借金問題が片づかないまま大阪都を進めてしまうと、米デトロイト市の破綻が大阪でも再現されることになるだろう。これでは大阪の未来はバラ色どころか地獄への片道切符である。だから私は大阪都構想には強く反対するのだ。


 さて、私がこう主張すると「大阪都になれば企業が集まり大阪経済は発展する。税収は増えるので借金は減らせる」とか、「これまで府と市がおこなってきた無駄な公共投資も一掃される」という意見を必ず聞く。しかし、これらも間違いである。そもそも都市制度と景気のメカニズムは別次元。大阪都が完成しても景気が良くなる保証はまったくない。また、大阪のトップが"大阪都知事"1人になったところで、効率的な公共投資ができるとは限らない。東京でも実質的な都営銀行である新銀行東京の経営は決して順調ではない。2008年には経営再建のため東京都は400億円を追加出資しているではないか。大阪府と大阪市が再編されて都知事1人になっても、議会と行政がしっかりしなければ誤った政策をおこなうという見本だろう。

 とは言うものの、現在の大阪府と大阪市の関係が決して良いとは言い難い。府と市の仲の悪さを揶揄した「府市あわせ」状態は、今後も解消する必要があるのは確かである。ただし、その方法が大阪都である必要はまったくない。松井一郎知事と橋下徹市長の二人三脚から誕生した府市統合本部を活用すればいいのだ。まず、この本部に法的根拠を与えて、その存在を恒久化する。次に、誰が府知事と市長になっても、府市相互の利益に関わる政策をおこなうときは互いに協議するといった一文を条例に忍ばせておけば「府市あわせ」の解消も難しい話ではない。コストパフォーマンスが悪すぎる大阪都よりも、現在の制度を活用しながらこれまでの府市の矛盾を解決する方がよほど安くて安全だ。


 なお、上記の話題のほか大阪都構想の現状や限界を知りたい方は拙著『大阪破産からの再生』(講談社)をお読み下されば幸いである。

(2013年11月1日)

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