毎日新聞のニュースランキングでも一位になっているようだが、全国紙全部が一面で取り上げるべきニュースである。
自民党内部でも「戦争法案」を危惧する議員は多いようだが、声を上げているのは村上議員一人だけという情けなさである。だが、下記記事のように、保守系大物議員4人が反対表明をしたのは影響力が大きいのではないか。
4人それぞれの発言内容も国と国民を思う真情に溢れ、道理にかなっており、読む側の政治思想の左右を問わず心打たれるものだと思う。全国民の心にこれらの言葉が届いてほしい。
(以下引用)
毎日新聞 2015年06月12日 19時03分(最終更新 06月12日 21時06分)
集団的自衛権行使容認を柱とする安全保障関連法案について、山崎拓・元防衛庁長官ら戦前生まれの政治家4人が12日、日本記者クラブで記者会見を開き、「歴代政権が踏襲してきた憲法解釈を一内閣の恣意(しい)によって変更することは認められない」などと反対を表明した。出席したのは山崎氏のほか亀井静香・元金融担当相=無所属、武村正義元官房長官、藤井裕久元財務相。亀井氏以外は政界を引退しているが、いずれも要職を経験した名だたる保守系政治家だ。彼らがなぜ、反対の声を上げたのか。会見の模様を詳報する。【石戸諭/デジタル報道センター】
「我々の共通点は戦前生まれで、戦争を直接、間接に体験した」。防衛政策に詳しい山崎氏はこう切り出した。4人に共通するのは、集団的自衛権行使容認に対する強い危機感だ。
「安保法制は集団的自衛権行使容認の法整備、自衛隊の活動の舞台を地球規模に広げること。この二つが大きな柱になっている。前者に注目が集まり、自衛隊の海外活動の強化という観点が議論されなくなっている。(安倍晋三総理は)『積極的平和主義』の名の下に、審議を進めているが、この言葉に確たる定義はない。今でも日本は積極的平和主義に徹している。裏付けになっている憲法上の理念は9条に書かれている。『積極的平和主義』は、軍事力を使うことが『積極』の部分に当たるのではないか。これはやってはならない。後方支援は兵站(へいたん)活動であり、戦闘行為をやるということだ」(山崎氏)
亀井氏は国会での議論を批判した。「(自衛隊員に)リスクがあるかないかなんて生易しいものではない。一内閣で議論を進め、しかもそれを一国会でやる。子供が考えてもむちゃなことがまかり通ろうとしている。国会議員だけで国是を変更していいのか。(国の)基本の問題は国民の意思を問うのが当たり前だ」
藤井氏は「集団的自衛権行使容認に問題の根がある。(存立危機事態など武力行使の)『新3要件』はインチキだと思っている。すべて個別的自衛権の話だ」と語気を強めた。「集団的自衛権とは対等な軍事同盟を意味する。中国との問題は、軍事同盟ではなく国連で対応すべきだ。このままでは日本が誤った道を歩む」と警告した。
武村氏は「安倍さんは70年続いた『平和主義』をがらりと変えようとしている。海外で武力行使をしない日本が、行使できる国になる。『専守防衛』こそが最大の抑止力ではないか。安易な解釈改憲という道で、議論が未成熟なまま一挙に手をつけようとしている」と指摘。さらにこう提起した。「自衛力を強化する道を選ぶことはあってもいいだろう。集団的自衛権の導入が必要と考えるなら堂々と国民投票を前提にした憲法改正の道を歩むべきではないか」
山崎氏は自身の戦争体験にも触れ、「空襲で天井を突き抜け焼夷(しょうい)弾が落下してきた。不発弾だったので、命は助かった。山に上がったら福岡市全体が燃えさかっていた。翌日、町中に遺体がごろごろしていた。目を背けるような状況があった」と振り返った。
自民党内で戦争を体験した議員が減るにつれ、安全保障関連の議論が変質してきたという。「今の自民党の政治家はことごとく戦争を知らない世代。平和と安全は、空気や水と同じようにタダで手に入るという感覚を持った世代。安全保障問題に関心がない」(山崎氏)
藤井氏は会見に先立って配布した声明文で、安倍政権に対してこう警告した。「現総理の祖父・岸信介(元首相)が現行憲法では海外派兵はできないし、したがって憲法改正が必要だと考えていたことを重く受け止めるべきである」
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