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徽宗皇帝のブログ

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人格高潔すぎる国民
「風評被害」というよりも、世の中の消費活動自体が「風評」を元にして動いている部分は大きい。だからこそ企業はイメージCMを大量に撒き散らして消費欲望を刺激するのである。

しかし、消費の前提は、消費すべき「物」が存在することだ。

今回の東日本大震災と原発事故で日本の食糧生産、工業生産が何割か下落するのは火を見るより明らかだ。そして世界の食料生産事情が悪化していることについては1年以上も前からこのブログでも警告してきた。
となれば、これから先、あらゆる食料品、工業製品が値上がりに次ぐ値上がりをするのもほぼ確実だろう。
こういうことを言う人間が増えてくると「買いだめ」が始まって、インフレに拍車をかけることになるから、あまり言いたくはなかったのだが、私が言わなくてもどうせそのうちみんなが言いだすから、言っておこう。

今年の六月ごろからインフレが始まり、それは加速度的に激しくなっていくだろう。どの程度までかなどという予測はできない。現在の2倍程度の物価でとどまればラッキーだろう。つまり、我々の生活はとんでもなく窮乏化するはずである。もちろん、給与が上がることはまず無いだろうから、我々にできる生活防衛は「必要な物以外は買わない」ことくらいだ。つまり、娯楽産業や奢侈産業は軒並み倒産するだろう。減らせないのは、絶対的な支出、つまり生命維持に関わる支出と、税金などの強制的支出だけだ。まあ、最後の最後は、税金不払いという手もあるが、善良な市民はまずそれはやらないだろう。おとなしく税金を払った後で、一家そろって首つり自殺をするというのが日本人だ。


(以下「阿修羅」より引用)


【迫りくる、食料など生活必需品の物価高】

 このように供給に途絶が訪れて値段は急騰するケースが迫っているものがあるのです。それこそが、我々がまさに必要不可欠としている食料なのです。トヨタは部品が手当てできて工場生産を回復させれば、以前の状態に戻ることができるでしょう。しかし現在、壊滅状態となった三陸の漁業はいつになったら元に戻りますか? 津波で壊滅的な被害を受け、塩水だけでなく、がれきの山となった水田や畑は? これらの農業生産が1、2年で元に戻ると思いますか? 灌漑設備が破壊され排水やポンプ、液状化など、一体復旧にどれだけの時間と費用がかかるのか? その上、原発による被害、この震災で被害を受けた東日本6県でコメの生産量は、全国の4分の1を占めるのです。漁業も壊滅、三陸は日本でも屈指の漁場だったわけですが、今回は船だけでなく冷蔵庫や冷凍設備や燃料タンク、造船のドッグ、製氷機など、どうしても必要な設備が全滅状態です。それこそこれも1、2年で完全復旧ができると思いますか? その上、原発による海の汚染です。
 三陸の漁業の全国生産におけるシェアを見てみると、ワカメは8割、牡蠣は3割、サンマは4割、サバも4割、サメは6割です。一方、今回水没したり、がれきに埋まって被害を受けた農地は岩手、宮城など6県でおよそ2万4000ヘクタール、これは東京都内の山手線内の面積の約4倍に匹敵する広さです。

 一般的に農水産物の場合、平常時では1割供給が減ると3割値段が上がり、3割供給が減ると倍に値段が跳ねると言われています。今回は、これらの品だけでなく、複合的に品不足状態が訪れると思いますから、とても倍ぐらいの高騰ではすまないかもしれません。
 突貫工事で復旧を目指しているトヨタの工場とは違います。簡単には回復できないのです。その上、原発の影響で、今後農漁業には放射能汚染のどんな規制が出てくるかもしれません。まさにこれから日本では食の危機が迫ってくるのです。考えてください。例年と違って、本来あるべきこれらの農作物や魚の供給が止まるのは秋からですよ! 本当の意味での供給の途絶、値段急騰の危機はこれからです。
 日銀は、今後出てくる日本企業の予想以上の決算の下方修正をみて、更なる金融緩和に動くかもしれません。そしてこの非常時、そのようなマネーをばら撒く景気対策が世間では歓迎されるかもしれません。しかし、今や世界は、異常なマネー供給の副作用として、インフレの高まりに苦しみ始めています。やがて諸外国と同じように、日本ではもっと激しく、一気に円安と共にインフレが、大きく頭をもたげてくることでしょう。日本だけが違った世界、一人ぼっちでデフレの世界に住み続けると思いますか? 日本は食料自給率4割、食料のほとんどを輸入しているのです。そして今、世界を苦しめているのはこの食料品の高騰なのです。エジプトやチュニジア、リビアや他の中東各国の混乱も食料高騰が原因です。中国のインフレもしかり、世界中が食料の値段を抑えようと必死です。
 今後の日本を考えてください! コメはどうなります? 魚はどうなります? パンや麺の原料の小麦はほぼ100%輸入ですよ。どうして世界的な食料高から逃れることができるのですか! これからではないですか! 国内の有数のコメどころが壊滅、同じく最高の漁場が壊滅、一体どうやって食料を確保するのですか?

 今や風評被害もさらに激しくなってきているのです。穀物や鉄鉱石や石炭などの輸送はバルク船と言って包装しないまま、そのままにして運ぶことが多いのです。ところが現在、外国からの船は日本の近海や東京に近づくのを放射能を浴びるということで嫌ってきているのです。確かに福島原発からの放射能の関東各地に降り注いでいますから、多少の放射能汚染は受けるでしょう。しかし、それを理由にして東京湾への寄港を渋ったり、関西方面に回されてしまうということです。このため東京湾に寄港してもらうには1割程度の割り増し料金を払う必要があるというのです。
 円安と相まってこの状況、また日本が大量の食料を輸入している中国では物価高は収まらず、特に食料は高騰中です。中国の通貨、元の相場は上昇気配です。当然、日本の輸入価格は上がります。
 また統計を見ると、3月の日本の輸入物価は19%上昇、16ヵ月連続の上昇です。この16ヵ月間は円高だったのに、輸入物価は上昇していたのです!
 4月に日本政府は、製粉会社に対しての小麦の引き渡し価格を18%引き上げました。これを受けて大手製粉会社は6月から小麦粉の価格を1割以上値上げします。いよいよパンや麺も値上げが始まります。小麦の国際価格は昨年の1ブッシェル4ドル台から倍の8ドル台後半へと上昇しています。まさに6月に値上げされても第一弾にしか過ぎません。この小麦の値上がりよりもっと激しいのがトウモロコシで、昨年の1ブッシェル3.5ドルから7.7ドルへと高騰です。もはや8ドル台乗せは必至とみられてきました。小麦の過去5年間の相場は平均して、トウモロコシに比べて49%ほど高かったのですが、ゴールドマン・サックスの予想によれば、両者の価格は逆転する可能性が高いとのことです。そうなれば影響を受けるのはどこの国か? トウモロコシの世界最大の輸入国は日本です。トウモロコシは飼料用として膨大な需要があります。牛肉や豚肉、鶏肉などへの値上がりは必至でしょう。一方、原料である綿花の高騰を受けてポロシャツなど繊維製品が米国では値上げが始まりました。このように我々の必需品である食料や衣料、エネルギーは値段が上昇する一方なのです。
 驚くような物価高が迫ってきています。東日本震災が一夜で世の中が変えたように、ある日、日本の風景は急激な変化を見せるでしょう。驚くほどの物価の高騰に人々は声を失うことになるでしょう。被災地の困難を思うと胸が痛みます。しかしインフレという大波が今度は日本全土を包み、あらゆる人達を襲ってくるのです。  

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