マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-3ab9d9.html
<転載開始>
2025年1月2日
Moon of Alabama

 高く評価されているウクライナ人ジャーナリスト、ユーリ・ブトゥソフが(ウクライナ語で)新設された第155旅団の背景記事を発表した。同旅団はポクロフスク市付近の東部戦線のウクライナ軍陣地の穴を埋めるため急遽配備されたが、最近失敗に終わっていた。

 この旅団はゼレンスキー政権とウクライナ最高司令部の虚栄心プロジェクトだった。欧米諸国で訓練と装備が行われるはずだった14新旅団中の一つだった。第155旅団はフランスで訓練を受けるよう指定されていた。

 最高司令部による組織的混乱が失敗を招いた。配属された兵士の多くが前線に到着する前に脱走した。刑事事件として捜査が開始されたが、この混乱の責任者が責任を問われることはまずないだろう。

 この旅団は2024年3月に編成された。2024年9月、旅団の中核部隊は訓練のためフランスに送られ、旅団の他の新兵の多くは(多かれ少なかれ)ウクライナで訓練を受けた。11月下旬、まだ旅団指揮官がフランスにいる間に、旅団歩兵の大部分がポクロフスクに送られたが、そこで旅団はすぐ行き詰まった。

 ブトゥソフは下記のように書いている(機械翻訳を編集)。  
第155旅団は2024年3月に編成を開始した。旅団指揮官には経験豊富な将校ドミトリー・リュムシンが任命され、期待が持てる内容だった。「OKザーパド」(Operation command Zapad 西部作戦司令部)司令官シュヴェデュク将軍、参謀総長セレツキー大佐、現地軍司令官パヴリュク将軍が旅団編成と人員配置を担当した。

 しかし、最初からOKザーパドには指揮官も兵士も武器もなく、新部隊を編成するための資源もなかったことが判明した。第155旅団の編成は、最初の日から文字通り全ての構成要素において継続的な組織的混乱で、誠実に任務に就こうとする者には多大な労力が要求され、編成当初から部隊の無断放棄により大きな損失が発生した。

 第155旅団の徴募スケジュールと各月の人員数と括弧内にその月の脱走兵数を示す。

3月 46 (3)
4月 123 (6)
5月 217 (31)
6月 1978 (185)
7月 3882 (310)
8月 2748 (217)
9月 3253 (187)
10月 3211 (339)
11月 5832 (448)
 経験のない新兵が旅団に無作為に配属され、必要に応じて(訓練を受けていない状態で)他の場所の欠員を補充するため旅団から引き抜かれた。この過程で1,700人以上の兵士が脱走した。  
実際、旅団の徴募は6月に始まったが、十分な訓練を完了する時間がなかった。なぜなら、7月と8月に、2550人以上の軍人が他の部隊補充のため第155旅団から引き出されたたためだ! つまり、旅団長と大隊長が配置した適任者のほとんど全員旅団から連れ去られ、実際、3月から6月までの4か月間の作業が全て無駄になったのだ。つまり、この旅団の構成は8月に新しい方法で編成され、その後...我々は9月末のフランス旅行まで残っている全員を準備するよう命令を出した。

 その結果、155旅団の一部として軍人1924人がフランスに派遣されたが、そのうち1年以上の軍事経験があったのは僅か51人、1年以下の経験があったのは459人で、大半の1414人は入隊して二か月未満しか服務していなかった。中には軍事経験のない新入隊員が約150人含まれていた。選抜は一切行われず、基礎訓練も受けずにフランスに送られた。フランスで逃亡者が最も多くでた。合計兵士約50人がフランスに逃亡した。

 つまり、陸軍司令部とOKザーパドは、多くのことを学べる組織化され統制された軍隊ではなく、旅行中に組織化され、お互いに、そして指揮官とも知り合うはずだった軍服を着た大勢の人々、つまり将校の約30%をフランスに送り込んだのだ。

 旅団司令部全体がフランスで訓練を受けている間、旅団司令官や大隊司令官の立ち会いなしに新人が何千人も入隊し、その結果、10月と11月にはウクライナで700人以上が入隊直後に旅団から脱走した。脱走した連中は指揮官に会ったことがなかった。
 旅団の兵士約2,000人がフランスで訓練を受けている間、新兵約4,000人が旅団に追加配属され、多かれ少なかれ(指揮官なしで)ウクライナで訓練を受けた。  
11月15日以降、旅団兵士はウクライナへの帰還を開始し、フランス人教官が最高点を付けた将校クラスを修了するための訓練計画に従って、旅団本部は留まった。

 旅団司令部は11月30日にウクライナに到着したが、リュムシン旅団長は訓練センターで待機していた新しい部下4000人と知り合う時間がなく、帰国した部下と予定されていた追加演習を実施し、必要な知識を全て得る時間もなかった。

 旅団本部と大隊指揮官が不在だったため、OKザーパドとCSR指揮官は、訓練を受けていない調整の行き届いていない人々をポクロフスク地域に移送し始めた
 旅団司令部がフランスから戻った時、歩兵部隊は既に前線に展開していたことがわかった。

 名目上、旅団はフランスから完全な装備を受けていた。大砲と装甲車があった。だが、ウクライナ軍が供給するはずの物資が不足していた。旅団にはドローンも電子戦装備もなかった。戦場を一望する手段も、動くものなら何でも即座に攻撃するロシアのドローンから身を守る手段もなかった。旅団が前線に持ち込もうとした新しい重装備は、割り当てられた位置に到着する前に破壊された。更に、ウクライナ軍が旅団に供給したウクライナ製120mm迫撃砲弾は全て欠陥品で効果がないことが判明した。

 ドローンや大砲もない大混乱の中、旅団は割り当てられた戦線を維持できず、ロシア軍による突破を招いた。

 旅団指揮官は、この出来事に何ら対応できなかったため直ちに解任された。

 9月に、経験豊富な旅団を補充不足で廃隊にしたまま、新旅団を創設するウクライナのやり方は、深刻かつ体系的な誤りだと私は指摘した。  
経験豊富な旅団は、元の兵力の3分の1未満になるまで前線に留まる。戦闘中は補充されない。その代わり、新たに動員された兵士は、前線での経験が全くない新しく編成された旅団に配備される。

 より良い方法は、兵士の3分の1を失った部隊を交代させ、新兵で補充してから戦闘に再投入することだ。その結果、軍の全ての部隊に同じ人数の兵士が加わり、経験豊富な兵士が混ざることになる。
 ブトゥソフの記事は、まさにこの問題を指摘している(機械翻訳を編集した)。  
第155旅団の次に、経験豊富な部隊、第1空挺師団「ダ・ヴィンチ」、第25空挺旅団、第68猟兵旅団がある。これら旅団は歩兵人員が著しく不足しており、このため広範囲の部隊を維持できない。また経験豊富な無人機部隊、司令部、指揮幹部があり、迅速に訓練して戦闘準備の整った動員兵を育成できる。だが経験豊富で戦闘準備の整った旅団には人員が与えられず、前線を安定させられない。第155旅団と同様、政治プロジェクトに人員が割り当てられており、2024年に新たに編成される旅団もあるためだ。ゼレンスキー大統領が話したのと同じ14旅団だ。
 たとえ完璧に組織されていたとしても、ウクライナ軍がロシア軍に勝つ可能性はなかったろう。だが防衛線を維持し、政治過程のための時間を稼ぎながら、損失を最小限に抑えることはできたはずだ。

 その代わりに、上位指揮官の虚栄心のために虐殺されるのだ。  
国の最高政治・軍事指導部は、第155アンナ・キエフスカヤ旅団を組織的に準備・訓練しようともせず、戦闘準備の整ったチームを自ら作り上げる時間を旅団指揮官に与えることもなく、実際は旅団を弄んでいた。

 旅団の兵士はゼレンスキーのPRプロジェクトの人質となったが、実際それを適切に実行するための努力を当局は一切しなかった。

 これとは別に、軍司令部についても言及しておく価値がある。軍司令部は現在、真実を隠蔽し、国家捜査局(SBI)の事件を利用して自らの責任を回避しようとしている。
 第155旅団は現在解散しており、その下部部隊のいくつかは他旅団補充のために移動している。他の多くの同胞と同様、この件にジャーナリストのブトゥソフは激怒している。  
「旅団編成のため、人材や資金や時間を彼らは費やしたが、戦闘能力が低いため、旅団として使用するのは事実上不可能だ。…本来の目的に使えないなら、なぜ旅団を作ったのか? 自己宣伝や記事のためか? マクロンとの会談のためか?」

 第155旅団の一員として数十人がポクロフスク近郊で命を落としたのは、任務設定や計画や組織化における諸君の過ちが主要因の基本的混乱や準備不足のせいによるものだが、ゼレンスキーよ、ウメロフよ、シルスキーよ、それだけの価値はあったのか? 第155旅団を一体どのように、このような状態に陥れたのか、同盟諸国やウクライナ国民の巨額資金を一体どう費やしたのか、前線を強化する代わりに、予備軍の組織や訓練を、一体どう混乱させたのか、諸君はSBI捜査官に証拠を提示するのだろうか?

 この件の真の責任者たるあなた方が真っ先に法の裁きを受ける時が来るよう私は願っている。
 第155ウクライナ旅団の物語が特別なのは、十分記録されているという点のみだ。過去数年にわたり、ウクライナ軍司令部は、このような失敗を何度も繰り返してきたが、そこから少しも学んでいないようだ。

 この件が引き起こした悲しみや悲嘆や怒りは、ウクライナという国に長く付きまとうことになるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/01/ukraine-the-story-of-the-155th-brigade.html#more

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■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! ウクライナの国家捜査局が、第155機械化旅団から、1700人以上の兵士が脱走したことを刑事事件として捜査開始!】ゼレンスキー氏の「政治広報プロジェクト」で新設された旅団の実態は、兵士のほとんどが十分に訓練も受けていない新兵、指揮官達の95%が戦闘未経験者だった! 陸軍司令部は、戦闘経験豊富な旅団司令官を前線着任直後に解任! 前線には必要な装備が支給されず、届いた戦車や装甲車、迫撃砲はすべて欠陥品!(『センサー・ネット』、2025年1月1日)