【ワシントン西田進一郎】スパイサー米大統領報道官は14日の記者会見で、フリン大統領補佐官の辞任について「フリン氏がペンス副大統領らに誤解を与えたことに大統領は強い懸念を抱き、辞任を求めた」と事実上の更迭だったことを明らかにした。一方で、問題視された就任前の駐米ロシア大使との電話について「法的には問題なかった」と強調。トランプ政権は事態の沈静化を図りたい考えだが、与党・共和党からも調査の必要性を認める声が上がっており、沈静化は見通せない。
ホワイトハウスで国家安全保障問題を担当するフリン氏は昨年12月、オバマ政権(当時)の対露制裁をめぐって駐米ロシア大使と協議した。しかし、そのことをペンス氏らに隠し、それが明るみに出たことを受け、13日に辞任した。
スパイサー氏によると、トランプ政権発足後の1月、フリン氏の電話の問題について司法省からホワイトハウスに説明があった。報告を受けたトランプ氏がホワイトハウス内で調査を指示した結果、法的な問題はないと判明。ただ、ペンス氏らを誤った説明で誤解させたことや他にも問題のある行動があり、信頼を失ったことから辞任を求めたと説明した。スパイサー氏は記者会見で「法的な問題ではなく、信頼の問題だ」と繰り返した。
フリン氏の電話については、民主党が第三者機関による調査を求めている。また、上院情報特別委員会は昨年の大統領選へのロシアの関与を巡る調査を始めており、米CNNによると共和党上院トップのマコネル院内総務はこの問題も委員会の調査対象になるとの見通しを示していると報じた。このため、議会での追及が当分続く見通しだ。
トランプ氏はツイッターに「ワシントンでは不法な情報リークが多い」などと投稿し、フリン氏と大使の電話内容がメディアに漏れたことが問題だと主張し、いらだちをあらわにしている。
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