山本太郎は、期待通りに活躍しているようだ。
彼には戦略眼というものがある、と思う。NHKの国会討論など見る国民は少ないだろうが、「日曜討論」なら見る、という人は結構多いのではないか。それは当然で、最初から質問内容が提出され、それに対する政府答弁も官僚が作文し、政府側議員・官僚はそれを読み上げるだけ、という国会討論など、退屈すぎて、見る気力のある人間は稀だろう。少数議員による、台本無しの討論なら、見ていて面白い部分もある。であるから、野党議員が国民に政治の問題点を訴え、与党責任を追及するなら、国会討論ではなく、他の政治討論番組を積極的に利用する必要がある。それを山本太郎は分かっているようだ。
さて、今後「生活の党」(あの長い名前はやはり、いろいろ問題がある。文章にも書きにくいし、そもそも覚えにくい。)がどうしていけばいいか、ということについて私見を述べれば、今やるべきことは、
議員引き抜き、スカウト
である、と思う。
選挙で当選した無所属議員を選挙後に自党に入れるのは自民党の得意技だが、それを生活の党がやればいいのである。何なら、政党助成金をそのスカウト費に使えばいい。それも「政党を助成する」活動ではないか。(笑)
引き抜きやスカウトというのが聞こえが悪いならば、他党議員や無所属議員の中から「同志を募る」ということだ。山本太郎の掲げる理念にひそかに賛意を持つ議員は他にもいるはずである。で、そういう議員も、他党にいる限りは、党の方針に拘束され、正直な意見を言えない。そういう議員を探して、生活の党に誘うのである。
これは、たった一人がそれ(党移籍)をやっただけでも大きな影響がある、と思う。
議員というものは基本的に日和見主義者である、と私は思っている。政治の潮流を読み、どの勢力に付けば自分にとって有利か、という計算をいつもしているはずだ。無名、弱小議員ほどそういう形勢判断をしているだろう。つまり、たとえば民主党の岡田、前原あたりは、自分の地位は安泰だと思っているから、自分の立ち位置を変える必要性をまったく認めていない。だからこそ、国民の目線からかけ離れた政治言動をしても平気なのである。しかし、同じ民主党でも無名議員は民主党への所属感や所属義務意識などそれほど持っていないだろう。そういう議員を引き抜けばいい。
野党同士で議員の奪い合いをしてどうする、という反論が予測できるが、今の民主党は野党ではなく、第二自民党である。それでも野党は野党だと言うなら、自民党から引き抜けばいい。
私の予感では、まず、一人が生活の党に移籍すれば、下っ端議員たちの間で大きな動揺が起こるはずだ。そして、二人目が入れば、これは新たな政治的潮流だ、という認識になるだろう。
そして、三人目以降は、雪崩のような動きが始まる、と思う。
これは細川モリヒロを立てて日本新党ブームが起こった、あの時のことを思い起こせばいい。誰もが想像しなかった自民党下野、というところまで、あの政治的雪崩現象は行ったのだ。
もちろん、国政選挙はまだ先だが、自民党不祥事が相次いでいる今、内閣総辞職と国政選挙がいつ起こってもおかしくはない。だからこそ、今のうちに準備しなければならないのである。」
慣性の法則は、動いている物を動かすのは困難だが、動き始めると加速が始まり、むしろ止めることすら困難になる、というものだ。それは自然界だけの話ではない。
(以下引用)
山本太郎議員、「NHK討論番組」でタブーに踏み込む(田中龍作ジャーナル)
http://www.asyura2.com/15/senkyo181/msg/831.html
http://tanakaryusaku.jp/2015/03/00010852
2015年3月22日 13:32 田中龍作ジャーナル
街頭で記者会見する山本太郎議員。=11日、渋谷 写真:筆者=
政界とマスコミにとって最も不都合な男、山本太郎議員が今朝の「NHK日曜討論」に初出演した。それも編集のきかない生放送だ。
きょうの日曜討論は「拡大版(※)」ということで「新党改革」の荒井広幸代表らと共に出演した。
「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎共同代表は、自民党の茂木敏充・選挙対策委員長、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行ら与野党の幹部と「地方創生」「原発再稼働」「安全保障」などについて意見を交わした。
司会の島田敏男解説委員は「『生活の党』の山本太郎さん」と紹介した。
山本議員の真骨頂が発揮されたのは「原発再稼働」についての発言だった。
「安倍総理はオリンピックを招致するためにアンダーコントロールとウソをついた。汚染水はもれ続けている。子供たちが危ない。食品検査、ストロンチウムの検査を至急して頂きたい」。
官邸が目をむいて怒りそうなコメントが山本議員の口から飛び出した。マスコミは記事にしないだろう。いや、できないだろう。
NHKは官邸から叱られないだろうか? 「何であんなこと言わせたんだっ」と。
権威の殿堂NHK。22日は紀尾井町の千代田スタジオから生放送だった。=写真:筆者=
原発問題以外でも、山本議員はタブーに踏み込んでいった―
「少子高齢化対策というのなら最低賃金をあげるべき」「消費税を5%に戻し、(最終的には)廃止する」(地方創生についての議論で)
「イラクに派遣された自衛隊員のうち28人が自殺している。若者がこれ以上生きづらくなることを決定しないで頂きたい」。(集団的自衛権についての議論で)
番組終了後、山本議員に感想を聞いた―
「大きく脱線して排除されないように気を付けた。一回だけで(NHK出演を)既成事実化され、伝説にされたくなかった。継続的に出演することが大事」。山本議員はセーブして意見を述べたことを強調した。
「(安倍首相と記者クラブが好んで会食する)寿司の話もしなかったし」とギャグを飛ばす余裕も見せた。
タブーを嫌い真実に目をつぶるNHKが、今後も山本議員を出演させるか、どうか。この国の未来を左右すると言っても過言ではない。
◇
※
「拡大版」でない場合、「生活の党と山本太郎となかまたち」は公職選挙法にもとづく政党の構成要件を満たしていても、NHKの基準は満たしていないため出演できない。改善を求めて同党がNHKに抗議した経緯がある。
(追記)「阿修羅」コメント欄から。
NHK日曜討論:山本太郎議員
「安倍総理はオリンピック誘致のためアンダーコントロールと嘘をついた」
「補給活動だって狙われるに決まってる
https://www.youtube.com/watch?v=NOEC2GdnbCw
「もう原発がなくても電力は足りてるってことは、はっきりしてる。
550日以上原発一基も動かずにこの国の電力は
賄われてるということは、はっきりしてる。
東電原発の事故から一体何を学ぶのかと、
これ以上この地震国でこの発電方法を続けていいのかと、
本当に世界一安全な基準だというのは、
本当に世界一安全な基準ということは言えないわけですよね。
原発事故関連で今僕が一番気にしてることなんですけれども
ストロンチウムの検査をして頂きたい。
東電からの汚染水、25mプールに3000杯ですか、
それ以上に汚染水がダダ漏れになっているという状況、
海に直接流れてるんですよ。
安倍総理、アンダーコントロールという嘘をブエノスアイレスで
オリンピックを呼ぶためにつきましたけれども、
実際にアンダーコントロールなんてできてない状況です。
この中でストロンチウムの検査、食品の検査ができなければ、
子供達の未来が危ない。
至急ストロンチウムの検査をして頂きたい」
「イラク戦争のことを思い出して頂きたいんですけれども
国民には、テレビを見てる皆さんには、
戦闘地域ではない所だと、安全な場所で行われるよ、
給水、給油、医療提供など、ってことが言われてましたけれども
でも実際どうだったか。
戦闘員、兵力の輸送ということまでやらされていたと。
バグダッドに飛行機で輸送するということもやらされていたと。
これ名古屋高裁で違憲判決が出てますよね。
結局、補給活動というのも戦闘行為の重要な要素になるんだと。
狙われるに決まってるんですよ。
イラク戦争に派兵、どれぐらいされましたか、
自衛隊員、一万人ですよ。
一万人の方々が帰って来て、その内、
28人の方々が帰国後に自殺をなさってる。
2012年の日本の自殺率で考えると、
10万人に対して18.5人なんですよ。
帰還された方々がどれぐらいの割合で自分の命を
絶ったかということが分かって頂けると思うんですね。
アメリカで帰還兵となる方、200万人くらいですね、
アフガンとイラク。
この方々で50万人くらいの方々が心にPTSDなどの病気を背負った。
それだけじゃなく毎年250人以上の方々が自殺しているという現状。
ここに注目して頂きたいです。
若者がこれ以上生き辛くなるようなことを政治で決定しないで頂きたい」
<参照>
米兵のタクシー:イラク空輸活動の公文書を防衛省が全面開示
http://ima-ikiteiruhushigi.cocolog-nifty.com/iraq/2009/10/post-1f16.html
集団的自衛権:28人が自殺…真相!戦場に行った自衛隊
https://www.youtube.com/watch?v=dZNzbvt2jbE
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