「ギャラリー酔いどれ」所載の「長周新聞」記事の一節である。
なぜ安倍政権が、日本人には何の関わりもなく、自衛隊員の命を危険にさらすだけの、「無意味な」南スーダン派兵にこだわるのか、ということ、そして南スーダンの内戦とは何なのかを根本から説明した良い記事である。この部分だけを読むほうが、問題の本質がはっきり理解しやすいと思うので、部分転載にした。
つまり、南スーダンの内戦とは中国とアメリカの代理戦争だ、というのが一番簡潔な理解になる。その代理戦争のアメリカ側の下請け軍隊が日本自衛隊だ、ということである。日本にとって、そして自衛隊にとってこれほど馬鹿馬鹿しい戦争は無い。
戦争そのものが不道義なのだから、戦争をする側のどちらに理があるかを言っても無意味かもしれないし、べつに私は中国の回し者でも何でもないが、比較で言うなら、この代理戦争において正当性があるのは中国側だろう。
80年代に発見された南スーダンの油田の多くは、
今も中国の国営石油会社が握り、中国人労働者が多数働いている。
鉄道・道路などのインフラ整備にも巨額の支援金と労働者を送り込んでいる。
中国は南スーダンだけでなくアフリカ各国に進出している。
アメリカも90年代末からアフリカ対策に本腰を入れ始めた。
93年には中国が支援する北部のスーダン政府をテロ支援国家に指定し、
SPLA(南スーダン人民解放軍)の支援を本格的に始めた。
つまり、南スーダンの産業の基幹は中国が作ったものであり、アメリカはそれを強奪しようとしているわけである。巨額の投資をした中国がそれを守ろうとすることは自然だろう。要するに、「目障りだが特に悪事はしていない企業家」と、それを襲ってカネを奪おうとする「強盗」と、どちらに理があるか、ということだ。
事態の本質がこうであると分かれば、強盗の味方をするために駆け付けた日本の自衛隊も、日本政府も、その政府を支持する日本国民も国際犯罪者集団である。
私が心ある自衛隊員なら銃を横にではなく「上」に向ける。それで死刑にされようが、南スーダンでの犬死により意義のある死だ。まあ、南スーダン派遣を命令されたら辞任する、だけでも十分だ。なあに、人間、土方をしても生きてはいける。
不義不正で得た飯を美味いと思うようなら人間をやめたほうがいい。
(以下引用)
☆自衛隊は何を守るのか 米国の下請軍隊
世界的に南スーダンが内戦状態にあると認識され、現地の状況を知る専門家らが共通して、
「自衛隊を撤退させるべき状況にある」と警鐘を鳴らすなかで、
なぜ安倍政府がこれほど南スーダンPKOへの自衛隊派遣にこだわっているのか、
自衛隊が南スーダンでなにを守っているのかは、
この混乱をひき起こしている原因に目を向けなければ理解できない。
イギリス・エジプトの植民地をへて独立したスーダンは、
独立当初から植民地統治下の分断政策ともかかわって、
アラブ系の北部とアフリカ系の南部との内戦が続いた。
そこにアメリカをはじめとする「国際社会」が強力にかかわり、
内戦を終結させるとともに、それまで「国」 「国家」という概念のなかった
南スーダンを分離・独立させ、
ばく大な援助と開発によって新国家をつくり上げようとした。
しかし、独立と同時に南スーダン内部での権力闘争が激化し、
一つの国が形成されぬまま今に至っている。
背後にあるのが、冷戦終結後、猛烈にアフリカ大陸に進出し覇権を求めている中国と、
出遅れたアメリカの権益争奪戦である。
80年代に発見された南スーダンの油田の多くは、
今も中国の国営石油会社が握り、中国人労働者が多数働いている。
鉄道・道路などのインフラ整備にも巨額の支援金と労働者を送り込んでいる。
中国は南スーダンだけでなくアフリカ各国に進出している。
アメリカも90年代末からアフリカ対策に本腰を入れ始めた。
93年には中国が支援する北部のスーダン政府をテロ支援国家に指定し、
SPLA(南スーダン人民解放軍)の支援を本格的に始めた。
自国の石油確保を外交・軍事の重要な柱としたアメリカは、
2001年の同時多発テロを契機に「不朽の自由作戦」と銘打った作戦を開始。
「テロとの戦い」を掲げてアフガニスタンへの空爆を開始するとともに、
サハラ砂漠と南西アフリカ、アフリカの角など世界6カ所への同時作戦を展開した。
この作戦に自衛隊の動員を何度も要求してきたのがアメリカで
アフリカの角では「ソマリアの海賊退治」を口実に自衛隊が出動した。
歴史的に植民地宗主国なり、北部スーダンの為政者なりがつくり上げてきた民族対立、
一部の利権に群がる権力者と国民の矛盾を利用して
中国とアメリカが権益争奪戦をくり広げており、
それらの思惑が絡んだ長期にわたるばく大な支援が、
現地リーダーたちの利権と依存体質をつくり出し、
むしろ内戦を長期化させてきたこと、
現在の南スーダンの状況がその延長線上にあることを、専門家らは指摘している。
さらに、表向きには「内戦の終結」や「武器禁輸」が叫ばれるにもかかわらず、
南スーダンには多くの武器が流入している。
反政府軍にはスーダンを経由して中国製の武器が流れ込んでいたり、
政府軍にはウクライナなど東欧諸国から攻撃用ヘリも含む武器が流れ込んでいる
といわれている。
イスラエルからウガンダを通じて武器が輸出されていることも明らかになっている。
「資本主義最後のフロンティア」とも呼ばれるアフリカ大陸において、
内戦が続くことによって武器輸出でもうける国があり、
また「紛争状態の脆弱な国家であるほど土地収奪とその後のビジネスが展開しやすい」
と公言する投資家など、背後で内戦状態を引き起こしている者がいるからこそ、
内戦が終わらないのである。
これまで日本は武力行使をせず、武器輸出もしない国であることが認知されてきた
からこそ、NGOやJICAなどの活動は好意的に受け止められてきたといわれる。
安倍政府はそうした世界的な信頼を捨て、アメリカの要求に従って
米軍の下請軍隊として日本の若者を世界各地の権益争奪戦に動員しようとしている。
南スーダンでの駆けつけ警護や宿営地の共同防衛は、
今後自衛隊をアメリカ軍の世界戦略に動員する出発点になっているからこそ、
「戦闘」を「衝突」といい替えてでも派遣を継続しようとしているのにほかならない。
なぜ安倍政権が、日本人には何の関わりもなく、自衛隊員の命を危険にさらすだけの、「無意味な」南スーダン派兵にこだわるのか、ということ、そして南スーダンの内戦とは何なのかを根本から説明した良い記事である。この部分だけを読むほうが、問題の本質がはっきり理解しやすいと思うので、部分転載にした。
つまり、南スーダンの内戦とは中国とアメリカの代理戦争だ、というのが一番簡潔な理解になる。その代理戦争のアメリカ側の下請け軍隊が日本自衛隊だ、ということである。日本にとって、そして自衛隊にとってこれほど馬鹿馬鹿しい戦争は無い。
戦争そのものが不道義なのだから、戦争をする側のどちらに理があるかを言っても無意味かもしれないし、べつに私は中国の回し者でも何でもないが、比較で言うなら、この代理戦争において正当性があるのは中国側だろう。
80年代に発見された南スーダンの油田の多くは、
今も中国の国営石油会社が握り、中国人労働者が多数働いている。
鉄道・道路などのインフラ整備にも巨額の支援金と労働者を送り込んでいる。
中国は南スーダンだけでなくアフリカ各国に進出している。
アメリカも90年代末からアフリカ対策に本腰を入れ始めた。
93年には中国が支援する北部のスーダン政府をテロ支援国家に指定し、
SPLA(南スーダン人民解放軍)の支援を本格的に始めた。
つまり、南スーダンの産業の基幹は中国が作ったものであり、アメリカはそれを強奪しようとしているわけである。巨額の投資をした中国がそれを守ろうとすることは自然だろう。要するに、「目障りだが特に悪事はしていない企業家」と、それを襲ってカネを奪おうとする「強盗」と、どちらに理があるか、ということだ。
事態の本質がこうであると分かれば、強盗の味方をするために駆け付けた日本の自衛隊も、日本政府も、その政府を支持する日本国民も国際犯罪者集団である。
私が心ある自衛隊員なら銃を横にではなく「上」に向ける。それで死刑にされようが、南スーダンでの犬死により意義のある死だ。まあ、南スーダン派遣を命令されたら辞任する、だけでも十分だ。なあに、人間、土方をしても生きてはいける。
不義不正で得た飯を美味いと思うようなら人間をやめたほうがいい。
(以下引用)
☆自衛隊は何を守るのか 米国の下請軍隊
世界的に南スーダンが内戦状態にあると認識され、現地の状況を知る専門家らが共通して、
「自衛隊を撤退させるべき状況にある」と警鐘を鳴らすなかで、
なぜ安倍政府がこれほど南スーダンPKOへの自衛隊派遣にこだわっているのか、
自衛隊が南スーダンでなにを守っているのかは、
この混乱をひき起こしている原因に目を向けなければ理解できない。
イギリス・エジプトの植民地をへて独立したスーダンは、
独立当初から植民地統治下の分断政策ともかかわって、
アラブ系の北部とアフリカ系の南部との内戦が続いた。
そこにアメリカをはじめとする「国際社会」が強力にかかわり、
内戦を終結させるとともに、それまで「国」 「国家」という概念のなかった
南スーダンを分離・独立させ、
ばく大な援助と開発によって新国家をつくり上げようとした。
しかし、独立と同時に南スーダン内部での権力闘争が激化し、
一つの国が形成されぬまま今に至っている。
背後にあるのが、冷戦終結後、猛烈にアフリカ大陸に進出し覇権を求めている中国と、
出遅れたアメリカの権益争奪戦である。
80年代に発見された南スーダンの油田の多くは、
今も中国の国営石油会社が握り、中国人労働者が多数働いている。
鉄道・道路などのインフラ整備にも巨額の支援金と労働者を送り込んでいる。
中国は南スーダンだけでなくアフリカ各国に進出している。
アメリカも90年代末からアフリカ対策に本腰を入れ始めた。
93年には中国が支援する北部のスーダン政府をテロ支援国家に指定し、
SPLA(南スーダン人民解放軍)の支援を本格的に始めた。
自国の石油確保を外交・軍事の重要な柱としたアメリカは、
2001年の同時多発テロを契機に「不朽の自由作戦」と銘打った作戦を開始。
「テロとの戦い」を掲げてアフガニスタンへの空爆を開始するとともに、
サハラ砂漠と南西アフリカ、アフリカの角など世界6カ所への同時作戦を展開した。
この作戦に自衛隊の動員を何度も要求してきたのがアメリカで
アフリカの角では「ソマリアの海賊退治」を口実に自衛隊が出動した。
歴史的に植民地宗主国なり、北部スーダンの為政者なりがつくり上げてきた民族対立、
一部の利権に群がる権力者と国民の矛盾を利用して
中国とアメリカが権益争奪戦をくり広げており、
それらの思惑が絡んだ長期にわたるばく大な支援が、
現地リーダーたちの利権と依存体質をつくり出し、
むしろ内戦を長期化させてきたこと、
現在の南スーダンの状況がその延長線上にあることを、専門家らは指摘している。
さらに、表向きには「内戦の終結」や「武器禁輸」が叫ばれるにもかかわらず、
南スーダンには多くの武器が流入している。
反政府軍にはスーダンを経由して中国製の武器が流れ込んでいたり、
政府軍にはウクライナなど東欧諸国から攻撃用ヘリも含む武器が流れ込んでいる
といわれている。
イスラエルからウガンダを通じて武器が輸出されていることも明らかになっている。
「資本主義最後のフロンティア」とも呼ばれるアフリカ大陸において、
内戦が続くことによって武器輸出でもうける国があり、
また「紛争状態の脆弱な国家であるほど土地収奪とその後のビジネスが展開しやすい」
と公言する投資家など、背後で内戦状態を引き起こしている者がいるからこそ、
内戦が終わらないのである。
これまで日本は武力行使をせず、武器輸出もしない国であることが認知されてきた
からこそ、NGOやJICAなどの活動は好意的に受け止められてきたといわれる。
安倍政府はそうした世界的な信頼を捨て、アメリカの要求に従って
米軍の下請軍隊として日本の若者を世界各地の権益争奪戦に動員しようとしている。
南スーダンでの駆けつけ警護や宿営地の共同防衛は、
今後自衛隊をアメリカ軍の世界戦略に動員する出発点になっているからこそ、
「戦闘」を「衝突」といい替えてでも派遣を継続しようとしているのにほかならない。
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