「毎日jp」から転載。
マスコミ配信の記事をわざわざ転載するのは、マスコミがやっと本当の事を書き始めたことを示すためだ。インターネットの世界では最初から福島原発事故の被害の大きさが言われていたが、政府はずっとそれを隠蔽していた。枝野(政府)の「安全です」「今すぐには健康に被害はありません」に騙されて、住民の避難場所もこれまでは原発の近距離にとどまっていた。それがいきなり「自主避難せよ」とはどういうことか。記事中にも書かれていたように、避難先も示さず、燃料も食料も与えず、好きな場所に行け、ということは、「政府はいっさい原発退避者の面倒は見ない」と言っているのと同様である。
福島の人々は、津波で一瞬のうちに家財産を失った人々にくらべれば、まだ財産を処分する余裕はあるだろうが、中には避難しょうにも避難できない人々もいる。畜産農家や寝たきり老人を抱える家などだ。そうした人々への対策が、「自主避難勧告」と同時にコメントされて当然のはずである。(私自身は、老人は放射能耐性が高いから、今住んでいる家や病院から動かないほうがいいという意見だが、そうした老人や病人の面倒を見る体制を作る必要はある。具体的には、その要員として引退医者や引退看護師を高額で雇うことだ。もちろん、ボランティアでそれをやろうという奇特な人間もいるだろう)
この大震災が発生した時に私は、この災害が現政権の中心人物たちが真の政治家として覚醒し生まれ変わる機会になるかもしれないという願望を述べたが、その期待は裏切られ続けている。
政府は福島を見捨てた。だが、原発被害はこれではとどまらない。おそらく、関東全域に放射能被害は広がり、東京から遷都するという話も現実化してくるだろう。
(以下引用)
東日本大震災:福島第1原発事故 屋内退避に「自主避難を」 住民困惑、どうすれば
東日本大震災から2週間たっても、東京電力福島第1原発からの放射性物質の拡散が止まらない。内閣府原子力安全委員会は25日、屋内退避の対象となっている住民について、「自主的な避難が望ましい」と助言。文部科学省の測定でも、原発から約30キロ付近の累積放射線量が1日で年間被ばく限度を超える数値となっていることが判明した。巨大地震に続く原発事故に翻弄(ほんろう)される周辺地域の住民からは、戸惑いと怒りの声が上がっている。
◇「祖母も牛もいるのに」
国は自主避難というが、一体どうすればいいんだ--。福島第1原発から20~30キロ圏内に住む住民は高い放射線の検出と政府のあいまいな対応にいらだちと不安を強めている。
飯舘村の搾乳農家、長谷川秀義さん(60)は集落の約半分の住民が避難する中、いまも妻(57)と自宅に残り乳牛30頭の世話を続けている。「村にとどまっていて大丈夫なのか怖いが牛を置いていくわけにはいかない」
両親と子ども4人は19日に千葉県の親戚宅へ避難させた。一方で村に11軒ある搾乳農家はみんな村に残っているという。原乳の出荷停止で憤りは募る。
「搾乳しても牛乳はすべて捨てている。本当に腹が立ってしかたない。出荷停止がいつ解除になるかも分からず、お先真っ暗だ」
同村蕨平(わらびだいら)地区の50世帯160人の大半は栃木県鹿沼市などへ避難しているが、志賀隆修さん(53)も「おばあちゃんと牛を置いていくわけにはいかない」と話す。自宅には妻、三男、寝たきりの祖母がいる。「放射能は不安だが最後までがんばるしかない」。母や妻ら家族3人を避難させた区長の小野隆庸さん(61)も「家族や寝たきりの高齢者がいる家を放っておけない」ととどまっている。
同村の赤石沢潤さん(28)は「母は(放射線量に)神経質になっているが、ほかの家族はそれほど気にしていない。(被ばく線量を測る)スクリーニング検査の結果は異常ないと言われている」と話す。
また、20~30キロ圏内にかかる南相馬市原町地区に住む半杭和子さん(42)は両親とともに、98歳の伯母の介護のために自宅に残る。軽乗用車にはガソリンが半分ほど残っているが、伯母は寝たきりで、4人が一緒に乗ることはできず、途方に暮れている。「避難しようにも移動手段もない。寝たきりの高齢者を受け入れてくれる場所があるかも分からずどうしたらいいか」【樋岡徹也、堀智行、曽田拓】
◇自治体「無責任だ」
福島第1原発の事故をめぐり、これまで屋内退避で安全対策は十分としていた半径20~30キロ圏内の住民に政府が自主避難を促した。対象となる9市町村には現在少なくとも1万1000人が残っているとみられる。突然の政府の方針転換に各自治体から批判の声が上がり、対応を決めかねている。各市町村によると、対象地域で現在も残っている人(対象地域の人口)は▽南相馬市約1万人(約4万5000人)▽飯舘村64人(160人)▽浪江町約100人(約1500人)▽広野町49人(約5500人)▽葛尾村60人(約1500人)▽川内村84人(約2750人)▽田村市740人(740人)▽いわき市約500人(約1900人)▽楢葉町0人(0人)。
南相馬市の阿部貞康秘書課長(56)は「屋内退避でいいというから多くの市民がとどまっている」と憤る。「物資不足、物流停滞を改善させるのが先だ。自主避難に方針が変わっても、燃料や避難先がなく、具体的な手段も示されていない。こんな勧告は無責任だ」
最北部が圏内のいわき市災害対策本部は13日、区域の住民のうち1300人を市内の避難所に移した。市民から「自宅は30キロ圏内か」との問い合わせが以前から多い。同本部は「国から明確な地域指定がない」と困っている。
浪江町役場は「全住民に避難を促していたので戸惑いはない」という。福島市の避難所で暮らしている同町のトラック運転手、鈴木春信さん(63)は「家屋は無事だったので、放射線レベルさえ下がれば一刻も早く帰りたい」と話す。【阿部周一、平川昌範、金寿英、町田徳丈、森禎行】
◇累積被ばく、1日で1年分 放射性物質拡散偏る 政府姿勢あいまい
文部科学省によると、屋内退避指示が出ている30キロ圏内のやや外側でも1日の累積放射線量が1・4ミリシーベルトを超えた。この状況を踏まえ、専門家は避難対策強化を急ぐと同時に、住民の負担軽減の実態に即した対応を図るよう強調している。
丹羽太貫(おおつら)・京都大名誉教授(放射線生物学)は「かなり高い数値だ。甲状腺がんのリスクが大人に比べて高い乳児や子どもは、そこでの生活を避けた方がよい」と懸念する。
福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーを務める山下俊一・長崎大教授は「屋内退避している住民の生活状況の厳しさは極限に達している。現在の避難対象などの範囲は同心円状だが、実際の放射性物質の広がり方は偏りがある」と指示に工夫が必要と訴える。
中川恵一・東京大付属病院准教授(放射線医学)は「長期的な被ばくの健康影響として、発がんの危険性の上昇が考えられる。この数値が継続すると、現在の避難指示範囲を広げざるを得ない。一方で、被ばく限度など日本の数値は国際的に見て厳しく設定され、まだ余裕がある」と見直しの必要性を強調した。
危機管理に詳しい福田充・日本大法学部教授(メディア社会学)は「政府の避難、屋内退避指示は場当たり的だ。今回の『自主避難』も交通手段などを持った強者が避難できるということにつながり、危機管理の基本は最悪の事態を想定することだ」と話す。
99年のJCO臨界事故の際、独自に村民の避難を決断した村上達也・茨城県東海村長は政府の「自主避難」について、「非常にあいまいだ。明確に避難と指示しないと住民は困る。30キロ圏外の住民も今後自主避難を検討することになるだろうが、関係自治体の首長は、住民がバラバラにならないように早急に受け入れ先を手配する必要がある」とした。【大場あい、下桐実雅子、永山悦子、大島秀利、山田大輔】
マスコミ配信の記事をわざわざ転載するのは、マスコミがやっと本当の事を書き始めたことを示すためだ。インターネットの世界では最初から福島原発事故の被害の大きさが言われていたが、政府はずっとそれを隠蔽していた。枝野(政府)の「安全です」「今すぐには健康に被害はありません」に騙されて、住民の避難場所もこれまでは原発の近距離にとどまっていた。それがいきなり「自主避難せよ」とはどういうことか。記事中にも書かれていたように、避難先も示さず、燃料も食料も与えず、好きな場所に行け、ということは、「政府はいっさい原発退避者の面倒は見ない」と言っているのと同様である。
福島の人々は、津波で一瞬のうちに家財産を失った人々にくらべれば、まだ財産を処分する余裕はあるだろうが、中には避難しょうにも避難できない人々もいる。畜産農家や寝たきり老人を抱える家などだ。そうした人々への対策が、「自主避難勧告」と同時にコメントされて当然のはずである。(私自身は、老人は放射能耐性が高いから、今住んでいる家や病院から動かないほうがいいという意見だが、そうした老人や病人の面倒を見る体制を作る必要はある。具体的には、その要員として引退医者や引退看護師を高額で雇うことだ。もちろん、ボランティアでそれをやろうという奇特な人間もいるだろう)
この大震災が発生した時に私は、この災害が現政権の中心人物たちが真の政治家として覚醒し生まれ変わる機会になるかもしれないという願望を述べたが、その期待は裏切られ続けている。
政府は福島を見捨てた。だが、原発被害はこれではとどまらない。おそらく、関東全域に放射能被害は広がり、東京から遷都するという話も現実化してくるだろう。
(以下引用)
東日本大震災:福島第1原発事故 屋内退避に「自主避難を」 住民困惑、どうすれば
東日本大震災から2週間たっても、東京電力福島第1原発からの放射性物質の拡散が止まらない。内閣府原子力安全委員会は25日、屋内退避の対象となっている住民について、「自主的な避難が望ましい」と助言。文部科学省の測定でも、原発から約30キロ付近の累積放射線量が1日で年間被ばく限度を超える数値となっていることが判明した。巨大地震に続く原発事故に翻弄(ほんろう)される周辺地域の住民からは、戸惑いと怒りの声が上がっている。
◇「祖母も牛もいるのに」
国は自主避難というが、一体どうすればいいんだ--。福島第1原発から20~30キロ圏内に住む住民は高い放射線の検出と政府のあいまいな対応にいらだちと不安を強めている。
飯舘村の搾乳農家、長谷川秀義さん(60)は集落の約半分の住民が避難する中、いまも妻(57)と自宅に残り乳牛30頭の世話を続けている。「村にとどまっていて大丈夫なのか怖いが牛を置いていくわけにはいかない」
両親と子ども4人は19日に千葉県の親戚宅へ避難させた。一方で村に11軒ある搾乳農家はみんな村に残っているという。原乳の出荷停止で憤りは募る。
「搾乳しても牛乳はすべて捨てている。本当に腹が立ってしかたない。出荷停止がいつ解除になるかも分からず、お先真っ暗だ」
同村蕨平(わらびだいら)地区の50世帯160人の大半は栃木県鹿沼市などへ避難しているが、志賀隆修さん(53)も「おばあちゃんと牛を置いていくわけにはいかない」と話す。自宅には妻、三男、寝たきりの祖母がいる。「放射能は不安だが最後までがんばるしかない」。母や妻ら家族3人を避難させた区長の小野隆庸さん(61)も「家族や寝たきりの高齢者がいる家を放っておけない」ととどまっている。
同村の赤石沢潤さん(28)は「母は(放射線量に)神経質になっているが、ほかの家族はそれほど気にしていない。(被ばく線量を測る)スクリーニング検査の結果は異常ないと言われている」と話す。
また、20~30キロ圏内にかかる南相馬市原町地区に住む半杭和子さん(42)は両親とともに、98歳の伯母の介護のために自宅に残る。軽乗用車にはガソリンが半分ほど残っているが、伯母は寝たきりで、4人が一緒に乗ることはできず、途方に暮れている。「避難しようにも移動手段もない。寝たきりの高齢者を受け入れてくれる場所があるかも分からずどうしたらいいか」【樋岡徹也、堀智行、曽田拓】
◇自治体「無責任だ」
福島第1原発の事故をめぐり、これまで屋内退避で安全対策は十分としていた半径20~30キロ圏内の住民に政府が自主避難を促した。対象となる9市町村には現在少なくとも1万1000人が残っているとみられる。突然の政府の方針転換に各自治体から批判の声が上がり、対応を決めかねている。各市町村によると、対象地域で現在も残っている人(対象地域の人口)は▽南相馬市約1万人(約4万5000人)▽飯舘村64人(160人)▽浪江町約100人(約1500人)▽広野町49人(約5500人)▽葛尾村60人(約1500人)▽川内村84人(約2750人)▽田村市740人(740人)▽いわき市約500人(約1900人)▽楢葉町0人(0人)。
南相馬市の阿部貞康秘書課長(56)は「屋内退避でいいというから多くの市民がとどまっている」と憤る。「物資不足、物流停滞を改善させるのが先だ。自主避難に方針が変わっても、燃料や避難先がなく、具体的な手段も示されていない。こんな勧告は無責任だ」
最北部が圏内のいわき市災害対策本部は13日、区域の住民のうち1300人を市内の避難所に移した。市民から「自宅は30キロ圏内か」との問い合わせが以前から多い。同本部は「国から明確な地域指定がない」と困っている。
浪江町役場は「全住民に避難を促していたので戸惑いはない」という。福島市の避難所で暮らしている同町のトラック運転手、鈴木春信さん(63)は「家屋は無事だったので、放射線レベルさえ下がれば一刻も早く帰りたい」と話す。【阿部周一、平川昌範、金寿英、町田徳丈、森禎行】
◇累積被ばく、1日で1年分 放射性物質拡散偏る 政府姿勢あいまい
文部科学省によると、屋内退避指示が出ている30キロ圏内のやや外側でも1日の累積放射線量が1・4ミリシーベルトを超えた。この状況を踏まえ、専門家は避難対策強化を急ぐと同時に、住民の負担軽減の実態に即した対応を図るよう強調している。
丹羽太貫(おおつら)・京都大名誉教授(放射線生物学)は「かなり高い数値だ。甲状腺がんのリスクが大人に比べて高い乳児や子どもは、そこでの生活を避けた方がよい」と懸念する。
福島県の放射線健康リスク管理アドバイザーを務める山下俊一・長崎大教授は「屋内退避している住民の生活状況の厳しさは極限に達している。現在の避難対象などの範囲は同心円状だが、実際の放射性物質の広がり方は偏りがある」と指示に工夫が必要と訴える。
中川恵一・東京大付属病院准教授(放射線医学)は「長期的な被ばくの健康影響として、発がんの危険性の上昇が考えられる。この数値が継続すると、現在の避難指示範囲を広げざるを得ない。一方で、被ばく限度など日本の数値は国際的に見て厳しく設定され、まだ余裕がある」と見直しの必要性を強調した。
危機管理に詳しい福田充・日本大法学部教授(メディア社会学)は「政府の避難、屋内退避指示は場当たり的だ。今回の『自主避難』も交通手段などを持った強者が避難できるということにつながり、危機管理の基本は最悪の事態を想定することだ」と話す。
99年のJCO臨界事故の際、独自に村民の避難を決断した村上達也・茨城県東海村長は政府の「自主避難」について、「非常にあいまいだ。明確に避難と指示しないと住民は困る。30キロ圏外の住民も今後自主避難を検討することになるだろうが、関係自治体の首長は、住民がバラバラにならないように早急に受け入れ先を手配する必要がある」とした。【大場あい、下桐実雅子、永山悦子、大島秀利、山田大輔】
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