「逝きし世の面影」から抜粋転載。
私がこれまで書いてきたことと内容がかぶるが、私よりは上手く書いているから、読みごたえがある。このあたりでISIS人質事件の総括としたいものだ。
下記部分の前に、共産党の志位委員長が安倍政権批判をした自党議員を「この非常時に政権批判は控えるべきだ」と叱責したということへの批判が書かれていたが、私も同意見である。自分から「大政翼賛会」への参加を志願してどうする。だから共産党は自民党補完政党と言われるのである。
政治家ほど社会情勢に不勉強な連中はいないのではないか。自民党議員はまだ2ちゃんねるを読むくらいの「勉強」はしているようだが(笑)、野党連中はまったくネットに触れさえしないのではないか。せめて最低でも「櫻井ジャーナル」「マスコミに載らない海外記事」の二つくらいは読んで、真の現実世界に目を開くことをお勧めする。
下記記事の中に面白い指摘がある。ISISに拘束されたジャーナリストの中で殺されたのは英米の記者だけで、その他の国の記者は殺されていないらしい。それが何を意味するか。
1)写真や動画はフェイクで、殺されたというのは嘘。最初からその記者たちは英米のスパイでISISの仲間。
2)殺されたのは事実で、その場合、「殺された者」は英米政府と無関係に現地に取材に来た阿呆たち。(とISISが見做す連中。)
の二つが考えられる。
英米両国以外のジャーナリストをこれまで殺さなかったのは、逆にISISが英米両国の関係者であることを示しているのではないか。つまり、他国との関係を今後どうしていくか、けっこう慎重に事を運んでいるのである。ISISがただのテロ組織なら、英米とその他の国との区別などしないだろう。英米両国の記者を殺しているのは、まず英米両国の世論を「反イスラム」に動かす扇動的意図があるに決まっている。
(以下引用)
『半年前の拘束時には単なる落ちこぼれ兵器オタクと報道したマスコミ各社の怪』
ネットにISIS(イスラム国)が殺害したと発表した湯川遥菜氏であるが、半年前の報道が余りにも胡散臭いのである。
去年6月時点のマスコミ報道ですが、一致して、何の知識も経験もバックも無い、まったくの素人が危険極まるシリアに入って拘束された(自業自得とか、自己責任とかの言葉は一回も使わなかったが)アホ臭い偶発的な自業自得の自己責任『事件』であるかの如くに描いていたのである。
ところが、今年に入ると突然報道が違って来ている。
『知識も経験も無い』までは同じだが、バックにそうそうたるメンバーが見え隠れしてるのですから不気味である。
元マスコミ人の岩下俊三さんは自身のブログで、
『湯川が単なる兵器ヲタクでないことは居酒屋で杯を掲げるほど親密な自民党国会議員である元外務官僚(ベネズエラ特命全権大使)国安正昭が彼会社の顧問であることや ご存知元航空幕僚長の田母神俊雄とも(彼は知らないと言っているが)何らかの関与があり、
あまつさえ、湯川遥菜の会社の顧問である元茨城県議で自民党水戸支部事務局長木本信男および信男の長男の自民党市議・木本信太郎がおり、湯川がやっている(とされる)「アジア維新の会」のシリア支援募金の住所が木本信太郎の事務所の住所になっていて担当者名が「きもと」になっている事実。』とした上で、
『湯川が自民党政府の別動隊としてかっての満州浪人的な「役割」があったのではないか』との重大な疑義を推測しているのです。
1世紀遅れの『満州浪人もどき』ですが、今までの成り行きを冷静に見れば十分に根拠があるでしょう。1世紀前の大陸浪人たちですが一匹狼を装っていたが日本軍の上層部とか政府や有力政党の意向に沿って動いていた裏人脈なのです。
「米英以外の人質は解放」 米紙(NHKニュース)
イスラム過激派組織「イスラム国」にこれまでに拘束された欧米のジャーナリストや援助団体の職員などについて、アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」は、アメリカとイギリスの人質の多くが殺害されている一方で、それ以外の国の人質はいずれも無事に解放されていると伝えています。
「ニューヨーク・タイムズ」によりますと、イスラム国がこれまでに拘束した欧米のジャーナリストや援助団体の職員は、アメリカやイギリスのほか、フランスやスペイン、デンマークなど、分かっているだけでも10か国、合わせて21人に上るということです。
このうち、アメリカ軍が空爆を始めた去年夏以降、イスラム国はインターネット上で人質の映像を公開し、空爆の中止などの要求を突きつけたうえで、いずれもアメリカ人とイギリス人の合わせて5人を殺害しています。
また、2人が依然として拘束されたままとみられ、このうち1人は拘束期間が2年以上に及ぶということです。
その一方で、アメリカやイギリス以外の欧米の国の出身者では殺害されたケースはなく、スペイン人のジャーナリスト3人は去年3月、フランス人のジャーナリスト4人は去年4月、半年以上の拘束の後、最終的には解放されるなど、これまでに合わせて14人が無事に助け出されたということです。
ただ、解放にあたって身代金が支払われたかどうかについては、各国の政府は明らかにしていません。
(1月26日HNKニュース)
『21世紀の大陸浪人と和製ランボーとの禍々しいコラボレーション』
激しい内戦下のシリアにトルコから密入国してISIS(イスラム国)に拘束された後藤健二氏ですが、フリージャーナリストとは言うが、仕事の依頼がなければ、単なる失業者ですよ。危ないことは判っていても背に腹は替えられない。
危険は承知でも、一か八かで命がけで危ない仕事を引き受けたのでしょう。
補償額が最高 $50,000,000 (50ミリオン)USドルまで掛け捨てで1日10万円の誘拐保険をかけていたとの情報も有ります。フリーのジャーナリストにしては金がありすぎる。
後から捕まったジャーナリストの後藤氏ですが、友人にははっきりとイスラム国に戦場で武器を持って捕らえられた日本人軍事オタクを救出に行くと言っていたというが基本的に無茶。普通の常識的な判断では『武器をもつ外国人』なら、誰でもスパイを連想するので捕らえれれた場合には最悪の事態が予想される。
日程ですがシリア内は、たったの4日なのですから、もしも救出が本気だとしたら事前に先方(拘束しているISIS側)と綿密に解放までの手はずを打ち合わせている筈なのです。現地ガイドの駄目だの忠告を無視している点からも、自分では何らかの成算があったと想像できるのです。
それで無ければ普通は突っ込まない。
最後のビデオでは何回も、『自分の意思で』、あり失敗しても『自己責任だ』と繰り返していたが、胡散臭い。
話は逆で後藤氏は、日本国内の軍事オタクのスポンサー筋の政府自民党とかタモ神などの次世代の党などの日本の腐敗した右翼勢力の依頼によるシリア入りだったことがうかがわれる。
以前の2003年に起きた善意の日本人ボランティア3人が捕まった人質事件とは大違いで、政府に近い右翼マスコミの産経新聞や読売新聞では自己責任論が一切出ていない。
ところが、戦場で面白半分に自動小銃を振り回していた軍事オタクとか、一人で救出に向かった和製ランボーのフリージャーナリストとか、今回こそ『かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂』で当然の結果である。
後藤健二氏も湯川遥菜氏も、
今回と同じことをすれば誰がやっても99%同じ結果になる。自業自得、自己責任の極みの様な話なのです。
哀れではあるが、自殺願望から日本で唯一のイスラム法学者を自称する同志社大元教授の手引きでISIS(イスラム国)に参加しようとして私戦予備罪で警察に拘束された北大生とほとんど同類項であると言わざるを得ない。
(追記)最新ニュースを参考までに。後藤健二氏の妻のメッセージである。なぜ、「英国の団体」を通じて?
毎日新聞
イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に拘束されているジャーナリスト、後藤健二さんの妻は、フリーランスジャーナリストを支援する英国の団体を通じて29日、初めて声明を出した。英国の団体に寄せた声明の内容は以下の通り。
私は後藤健二の妻です。後藤はシリアで武装集団に拘束されているジャーナリストです。彼は2014年10月25日に私の元から連れ去られ、私は彼の解放のために水面下で動き続けて来ました。私は子供や家族を守るためにこれまで何も話さずに来ました。
夫と私には2人の小さな娘がいます。健二が出発した時は我々の赤ちゃんはまだ3週間です。姉はわずか2歳で、父親に再会することを望んでいます。
私の夫はシリアの苦境に陥った人たちを報道するためにシリアに行った、いい人です。私は健二が(昨年8月身柄を拘束された)湯川遥菜さんを捜そうとしたのかもしれないとも思っています。私は湯川さんの死に悲しみ、私の思いは彼の家族に向けられています。私は彼らが経験したことが痛いほどわかります。
私は(昨年)12月2日に健二を拘束したグループから電子メールを受け取り、健二がトラブルに遭っていることに気付きました。(今年)1月20日、湯川さんと健二の命と引き換えに2億ドルを要求している映像を見ました。それ以来、彼の命を救おうとして、犯行グループとの間で何度かメールでやりとりしました。過去20時間以内に、誘拐犯は最も新しく、そして最後の要求と思われるメールを送ってきました。
「このメッセージを国際的なメディアに公表しろ。さもなければ次は健二だ。もし1月29日の日没までに、健二と交換するためにサジダ(死刑囚)をトルコ国境に連れて来なければ、ヨルダン人パイロットは直ちに処刑される」
私はこれが夫にとって最後のチャンスになることを恐れています。そして、彼の解放を確実にし、ヨルダン人パイロットの命を守るには、あと数時間しか残されていません。
ヨルダンと日本の政府には、2人の命がかかっていることを理解してほしい。私は両国政府による全ての努力、両国国民の思いやりに感謝します。
私は幼い頃、家族とヨルダンで暮らし、12歳までアンマンの学校に通いました。そのため、ヨルダンとその国民に親愛の情と懐かしい思い出があります。
最後に、私の娘たちと私への支援に対し、感謝します。夫とヨルダン人パイロットの命のために祈ります。
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