(以下引用)
マレーシア 消費税を実質廃止政権交代で税率6%→0%に 政治の力で変えられる -どんな選挙がたたかわれたのですか。 消費税が争点に -なぜ、消費税が最大の争点になったのですか。 与・野党の選挙公約を比較すると野党・希望連盟は第一に消費税の廃止を掲げたほか、主婦を対象とした公的年金制度の導入、全国統一最低賃金制の導入、低所得者が私立病院を利用できるための基金の創設、低所得者に対する奨学金の返済停止など、低所得層を重点にした公約を掲げました。 これに対し与党・国民連合は、トップに300万人の雇用機会創出を掲げたほか、最低賃金の段階的引き上げ、低所得層に対する補助金の増額、親の介護のための医療費控除の倍増、住宅貸付所得に対する所得税免除、それに新空港建設や高速道路の拡充などを掲げました。与・野党の最大の違いは、消費税を廃止するか否かでした。 国民に強い不満
マレーシアの消費税導入は2015年4月です。といっても、全く新税というわけではなく、それまであった単段階課税の小売売上税(税率10%)とサービス税(税率6%)を廃止して、多段階の消費税(税率6%)に変えたものです。消費税は物価高騰を招き、国民の不満の的になったのです。 さらに中小事業者の事務負担や滞納問題も大きな問題となっていたようです。消費税廃止を公約に掲げたマハティール元首相率いる野党は勝つべくして勝ったといえましょう。 -税率を6%から0%にするというのはどういうことですか。 「おや、なぜ廃止ではなく0%なの?」と不思議に思う人がいるかもしれません。現地からの報道によると「消費税は準拠する法律がたくさんあり、廃止するためには税制改正の関連法にのっとって手続きを進めなくてはなりません。時間がかかるので、実質的に廃止となるゼロ税率にした」(THE DAILY NNA、マレーシア版、2018年5月17日)というわけです。同紙はまた、財務省は「消費税の廃止に向けて省内で関連法を精査している段階」と報じています。野党・希望連盟の選挙公約が早くも実施に移されたのです。 -消費税廃止後の財源はどうするのですか。 マハティール氏は、「消費税を廃止した場合、代わりの財源として消費税導入時に廃止した小売売上税・サービス税を復活させたい」と言っています。しかし、消費税の税収は売上税・サービス税の税収のおよそ2・5倍もあり、税収不足は避けられないという指摘もあります。これに対しマハティール氏は「歳出には大きな無駄があり、今後切り込んでいく」とし、さらに「石油のロイヤルティーなどからも補う上、消費税廃止により景気の伸びが年6%と予測されるから、不健全財政にはならない」と反論しています。 -日本で消費税をなくすことは可能でしょうか。 ひるがえってわが国においても、野党が力を合わせて国政選挙に消費税廃止を公約に掲げればマレーシアのように政権が交代する可能性があります。その際、出てくるのが、「代わりの財源はどうするのか」という主張です。私たちは「財源はたくさんあります」としっかり反論することができます。 増税中止できる 日本でも増税しなくても財源はある 2017年度は増収試算額は国税と地方税を合わせれば合計38兆円を超えています(上図)。 消費税の税収は約22兆円(16年度)です。 19年10月からの税率10%を許さない運動を大きく広げる時です。 全国商工新聞(2018年6月18日付) | |
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1. 無題