これで、DS懐疑派の隠居爺氏もDSの存在に納得したようだが、それに関して「日本のDS」というものまで考えているのは、勇み足のように思える。
要するに、日本がアメリカの属国であることで利益を得ている上級国民にすぎず、DSというほど力があるわけでもないように私には思えるからだ。まあ、良く言って、日本政府とつるんでいることでDSの命令をいち早く知り、時には政府に干渉して利益を得ているだけではないか。もちろん、そういう存在を「日本のDS」と言っても結構だが、日本の場合は、どこの誰が利益を得ているかが丸わかりであり、たとえば医師会などがDSというのはお笑いでしかない気がする。その手の存在は昔から「圧力団体」として存在したのであり、アメリカのDSはもっと巨大で始末におえない、闇の怪物だろう。
(以下引用)
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今月の16日と18日の当ブログでの記事「平和への展望は? その1」「平和への展望は? その2」では、John RachelによるFinian Cunninghamへのインタビュー記事を取り上げた。John Rachelはアメリカ出身ではあるが現在日本で生活しており、Finian Cunninghamはアイルランド出身であるがロシアと関係が深い人のようだ。共にアメリカのことをよく知っていながら、距離を置いて批判的な視点を持って観察しており、それが私の共感を呼ぶようだ。
同様の記事をもう少し読みたいと思って検索したところ、また面白そうな記事が見つかったので今回はそれを取り上げてみる。同じ2人によるインタビュー記事「米国の外交政策を客観的に見る(An Objective Look at U.S. Foreign Policy)」(2022.10.29)である。
この記事の最初の方で「ディープステート」触れているところが特に私の興味を引いた。「ディープステート」は私が理解できずにモヤモヤしている言葉・概念になる。この2人は「ディープステート」に対してどのような切り口を見せるだろうか。
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John Rachel:私たちは多くの用語や略語を耳にします。「ディープステート」「軍産複合体」「不動産セクター」「支配エリート」「寡頭政治」「ネオコン」。 実際にアメリカの地政学的優先事項を定め、外交政策を決定しているのはどこなのでしょうか? 公式的ではなく、 憲法上でもなく、実際上の問題として。
Finian Cunningham:それらの用語はすべて、アメリカや他の国々における権力構造を表すために使える。支配階級は、主にウォール街や軍産複合体の所有者、そして富の所有者から構成されている。それは、従来の階級分析で説明されているように、資本主義社会の少数(1%)の政治的・経済的権力者たちである。マイケル・パレンティや故ウィリアム・ブルームなどの作家が、それをよく説明している。「ディープステート(深層国家)」という言葉は、どの政党のどの人物が大統領や議会の役職に就いているかに関係なく、継続的な権力や強力な利権が存在していることを暗示するものであり、有用な言葉である。
政治家たちは、支配階級の経済的・政治的利益に奉仕するため、支配階級の言いなりになる。民主党政権であろうと共和党政権であろうと、政権が変わっても政策がほとんど変わらないのは、このような権力が昔から存在しているためである。外交政策がほとんど変わらないのもそのせいだ。アメリカの暗黙の外交政策は、支配階級(ウォール街の銀行、多国籍企業、海外投資家)の帝国主義的利益に奉仕し、軍産複合体を構成する大企業や配下企業の経済的利益のために軍国主義化することである。
例えば、オバマ政権からトランプ政権を経て現在のバイデン政権に至る過去10年間を振り返ってみると、外交政策に根本的な違いはない。民主党から共和党に戻っても、また大統領の性格の違いにもかかわらず。オバマは、中国と敵対することを基調とする「アジアへの基本戦略」を打ち出した。オバマはまた、ロシアとの対決政策も打ち出した。もちろん、オバマがこうした外交政策を考えたわけではない。地政学上のライバルと目される国に対する反感は、冷戦時代から数十年前にさかのぼる。
オバマからトランプ、そしてバイデンに至るまで、侵略的な外交政策が続いているだけでなく、強化されている。これはディープステートが機能していることを物語っている。政治指導者の関心は、事実上の支配者である企業体の資本主義的利益のために、アメリカの帝国的権力や覇権主義的姿勢を中国やロシアに突きつけ、対立することである。
政党は関係がない。アメリカという船は、世界的なライバルと衝突するコースに舵を切っている。それらのライバルは、もちろん「敵」や「脅威」として描かれる。そのようなプロパガンダやナラティブは、対決主義と軍国主義の政策を「合法化(正当化)」するために必要であり、それは犯罪的といってもいいくらいの戦争挑発政策である。
このことは、米国が従属的な "同盟国" に手助けされ、台湾をめぐっては中国に、ウクライナをめぐってはロシアに戦争を仕掛けている理由を説明すると私は考えている。衝突のコースはアメリカ国民のためではなく、支配者層の利益に従って設定されている。
これは、アメリカとその同盟国が根本的に非民主的であることを物語っている。より正確には、アメリカとその属国は独裁国家のように振る舞っている。戦争の固定化には民主的な説明がつかない。国民は軍国主義であるディープステートの人質となっている。
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短いが今日の引用はここまでにしたい。というのも、Finian Cunninghamがどのように "ディープステート" を認識しているか見えてきたからだ。大変に興味深い。
一言でいってしまえば、"ディープステート" とは "財界" のことだ。日本では昔から政財界という言葉が一般的にも使われるけれども、ディープステートはそのうちの政界ではなく、財界にあたる。
何回か触れたことがあるけれども、1971年に日本の国会で、当時の青島幸男参議院議員が佐藤栄作総理大臣に向かって、「総理は財界のちょうちん持ちで男メカケである」と発言したことがある。総理大臣を非難した言葉であることは理解できるけれども、「総理は財界のちょうちん持ちで男メカケ」ということの実態については、あまり理解できなかった。
しかし、アメリカが政党や大統領とは無関係に、ディープステートに支配されて外交を行っているというFinian Cunninghamの指摘は、この点を具体的に考えることを促す。そして彼流に考えていくと、日本のディープステートは財界だけにとどまらず、医師会、特殊法人、宗教法人、アメリカ政府など、日本の政界を牛耳ることのできる国や団体全てが含まれるのではないかと思い当たる。
つまり、財界は日本のディープステートの一部であり、医師会も、アメリカ政府も、その他の団体も、日本のディープステートを構成している。
現在、岸田政権の支持率が歴代最低といえるほど低迷しているが、その理由は、岸田総理が日本のディープステートばかりを気にして、国民のことを一切考えようとしないためだ。分かりやすいといえば分かりやすい。世の中には、上司にはぺこぺことゴマスリばかりで、部下には手の平を返したように横柄になる人がいるものだが、岸田総理はそのようなタイプになる。
支持率が最低であるにもかかわらず岸田総理が辞任しないのは、日本のディープステートの言いなりになっているためであり、つまり、国民の支持はないもののディープステートに可愛がられているのがその理由になる。
岸田総理は歴代総理大臣の中でも権限を持たされていない人であり、あるいは権限を持とうとしない人であり、それゆえ、町役場の係長を連想させる。使いっ走りそのものであり、能登半島地震の復興予算一つ自分では決定することができない。あるいはしようとしない。
そんな岸田総理が増税を打ち出したわけだが、それは、政府のためでも、財務省のためでも、もちろん国民のためでもない。日本のディープステートのためだ。もっと具体的に言えば、増税をすることによって、その金が流れ込んで行く先の組織や人のためだ。それは、財界であり、医師会であり、アメリカであり、中抜きをする特殊法人なども含まれる。
日本は軍事予算を倍増させると決めたようだが、それもディープステートを儲けさせることが目的だ。武器の購入先となるアメリカはもちろんだが、三菱重工などの軍事企業も金回りが良くなることをさぞ喜んでいるだろう。
日本はまだ軍事産業がそれほど巨大ではないことから、軍事予算を増やしても大それたことにはならないかもしれない。しかし、予算を増やすことはその分軍事産業の発言権が増すことにつながる。金が増え、人も増え、それが政治家の懐具合や票に結びつくためだ。
一旦そうなってしまうと、三菱重工などの軍事企業は国からの予算をさらに獲得しようとして、戦争を煽り始める。「危険な中国やロシアが今にも日本に攻め込んできそうだ。日本を防衛するためには軍備の拡張が一層必要である」というデマを流すことになる。日本政府はそれに抵抗できない。そして、そのことが実際の戦争にも結びつくことは、アメリカが現実に示しているとおりだ。
私はこれまで、ディープステートがどのような存在であるかをうまく理解できずに困っていたが、それは、一定の組織を想定していたためだった。どうやらそのようなものではないらしい。同時に、一定の組織がないからといって、存在しないということでもなさそうだ。まるでアメーバのように、自然発生的に、その時々で姿形を変え、つかみ所がなく、しかし、弱い政権であればあるほど政権を支配をし始める。
財界でも、宗教界でも、医者の世界でも、マスメディアでも、そこを牛耳っている実力者というか、ボスというか、そんな者が存在することがある。それは表面上の地位や肩書きで示されるものではなく、実質的な実力者になる。分かりやすくいうと、大きな組織を掌握し、その力によって総理大臣と対等以上の口がきけるような者たちのことだ。
彼らは孤立していることもあるが、手を組むこともある。そして、政府や総理大臣と直接取引を行う。岸田総理のように実績もなければ、頭も悪ければ、根性もなければ、信念やポリシーもなければ、背後に大物もいないという総理大臣は、単なるパシリとして使われるだけになる。
岸田総理はディープステートの顔色をうかがうのことばかりを考えているために、国民のことは二の次三の次になる。能登半島地震で家屋の下敷きになった被災者がたくさんいても、ディープステートの許可が下りないからと無視を決め込む。ワクチンの副作用でどれだけ死人が出ようとも、ディープステートの許可が出ないからと、接種推奨を続ける。ディープステートからやれと命じられれば、ウクライナでもイスラエルでもどこであろうが応援し、中国でもロシアでもどこであろうが敵対する。
仮に日本が民主主義を標榜するのであれば、ディープステート構成員の中で一番力のある存在は国民でなくてはいけない。しかし、現実の日本は、国民が一番力を持たず、岸田総理の聞く力は、アメリカ、財界、医師会、宗教界、マスメディアなどのディープステートにばかり向いている。岸田総理にとって国民は邪魔な存在でしかない。それゆえ国民は酷い目に遭わなければならない。
解決方法はあるのだろうか。残念ながら私には思い浮かばない。愚かな日本人が自らの手で解決するのは到底無理ではないかと感じるからだ。まあ、これからも、どこかよその国が日本のあり方を決めてくれるのだろう。それが日本人にとって、吉となるか凶となるかは分からないが、そのような主体性のない成り行き任せの歴史を持つのが、昔からの日本なのかもしれない。
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