もともとは独特の文化を持つベルベル人なんかが棲んでいるところだったらしいけれど、カルタゴ滅亡後、一時はローマ帝国に組み入れられていたし、またある時はフランス統治下にもあったので、とくに首都チュニス近郊は南仏の街角にいるような錯覚すら覚える(普通に仏蘭西語だしぃ~)。
もとより
アフリカというより地中海沿岸のヨーロッパという感じで女性の服装も(観光客も多いせいだろうけれど)イスラム圏の感じはしない。
地理的にも
シシリア島とは目と鼻の先であり、島のイタリア人からすれば自国の首都ローマよりチュニスの方がはるかに近い。位置関係だけ言えば長崎県の島に住む人が釜山の花火は見ることが出来ても東京の花火など遠すぎてお話にならないとのと同じことであろう。
ただ
それも昼間の話であって夜は地元民のひそかな歓楽店はたまにあったにしても、ヨーロッパで体験するオープンな「不夜城」という雰囲気はまったくなく、暗く治安も悪く物騒だ。
しかし
北アフリカの諸国に中ではチュニジアは「比較的」安全とされており(他の国がひどすぎる?)全体的に親切な国であり観光客に「割と」慣れている。
しかるに
なぜ「割と」といったかといえば、何となく英語を話すとくにアメリカ人には違和感があり敵愾心すら感じられるのは僕の考えすぎだろうか。だって地元の街角のカフェにぶらりと入っても全然英語の通じない店が多かったからである。
だから
かれらが親切だという印象があるのは僕が仏蘭西語「しか」話せないからだったからかもしれない。
とはいっても
ヨーロッパもそうだが、泥棒かっぱらい物乞いの類まで大勢いるのは当たり前、観光地はどこにいっても怪しげな奴であふれており、僕ですらごっそりやられたことがあった。幸いなぜか旅行傷害保険に入ってたのでことなきを得たが、「それでも」まず地元の警察所で(もちろん日本語はおろか英語をしゃべる人すらいない場合が多い)その盗難事件の詳しい調書を書いてもらわないといけないので若干難儀する。
それに
在外日本大使館に行っても、どの国であっても空港にあるような金属探知機のゲートを潜り抜け、刑務所の面会のよう形式で(つまり受付の人との隔たりがある)せっかく久しぶりに使える日本語も小さな穴越しでしか会話できない場合が多い。
したがって
日本以外の国では、何らかの被害に遭わないように余程注意しないと常に危険と隣り合わせである。場合によっては運が悪いと命さえなくしてしまう。
これから
ハイシーズンをむかえ卒業旅行やゴールデンウイークの旅行で海外に行く人は多いだろうけれど、日本みたいに安全で清潔な国は絶対ない。
大げさも知れないが
「僕は」いつも海外はどこであろうともすべて「戦場」であると思っている。日本のような平和な日常などありえないし、まして中近東、アフリカ、中南米に行かれる方はある程度の「覚悟」が必要だと考えている。
運悪く死亡された方には深くお悔み申し上げるしかないが「できれば」不要不急の洋行は避けたいものである。
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