サミットも近づき、年金の運用損が5兆になるか、8兆になるかという情勢に
胃腸ばかりでなく、しんぞうもキリキリしているしんぞうではないだろうか?www…
それに、ここまで評価損が膨らんだのは急激に円高が進んだからである。
日本株は円高になると値を下げる性質があり、年初からの局面でもちろん下げたのだが…
そのとき、同時に外国の債券、株式もドル安の影響を受けて評価損を膨らませた。
アメリカ国債などは金利が2%を越えていたので、そりゃ買うだろうが、年初から10%値を下げた影響は避けられなかった。
「え!!為替のヘッジ、してなかったの?」ってなものである…
もっとも為替ヘッジをすれば、手数料などのコストも別にかかるし、為替のトレードでも”ヘタ”を打った場合は、損害はさらに膨らんでしまう。
ちなみに年初の局面で円安を加速させた一因は、日本企業の為替ヘッジ行動にもある。
115円だったけ…日本企業は年初の想定為替水準をそこらにおいてあった…
これを割り込むと、決算で発表した「予想利益」を下方修正しなくてはならなくなる…
想定の利益を確保するため、トヨタを筆頭にドルのヘッジ売りが加速したという。
トヨタの売り上げは、2兆円だったけ?そのうちのいくらかをヘッジするわけだから、これの「一部」であってもそれなりの額になったであろう…
「株でバクチを~!」とひとつおぼえで騒いでいる面々は、株よりも債権で損失がでたり、日本企業が活発に為替などをトレードしている経済の現実をどうみているのであろう?
せっせと貯金して、「金利が少ない」とぶつぶつ文句を言う…
しかし、その貯金利息の出所は知らないのであろう?
つい最近までは、国債の運用が多くを占めていた。国債の利払いは税金だから、自分たちの支払っている税金以上の貯金利息がつくわけがない…
銀行の収益は、他にはローンと手数料である。
「便利な口座引き落としを」といううたい文句は…
消費者の利便性を考えた「親切心」によるものだろうか?
振込には手数料がかかる。
ガスや電気の料金のほかに、納税などの引き落としでも手数料は発生しているはずだ。
それはだれが負担しているのかな?
結局はそれも、自治体や「国」が支払っているわけだから、税金である。
で?…
手数料って、一括払いにした場合と分割払いにした場合、どっちが「お得」?…
こういったところに「世の中の仕組み」を考えるヒントは、いくつもころがっている…
それらに全然気づかないような人が、情報洪水のネットから情報をとっていたらどうなるだろう?
情報難民、情報漂流者続出…てなことになりそうだってのは、容易に想像できることである。
さて、ここで話を最初に戻すが…
年金基金は、国債中心の運用から、国内の株式や外国の債券や株式にも投資対象を広げて”多様化”する方向に踏み出した。
国債の利息の出所は所詮税金なわけだし、その国債も超低金利で”ゼロ”に近い。
それがここへきて”マイナス金利”ときたもんだ!!
これでもまだ「国債で運用しろ」とでも言うのか?
ただ、現金をブタ積みにしておけと…
その場合、基金の運営費用はどこから出す?
年金資金から出すほかないよね?
じゃあ、自分で運用しますか…
しかし、自分で運用するったって、所詮出所は株や債券なわけでしょう?
そもそも利息の出所が税金や、株や債券の運用益、ローンや手数料の銀行収益なんだから…
そして、「日本人は保険好き」と言われるが、生保も損保も資産運用部をもってトレードしている。
さあ、バクチなんですか?
「エコノミックアニマル」とまで言われた日本の財閥企業、それいがいの日本企業が…
バクチで損するためにトレードをやってると思いますか?
この26日にロイターが日本の生損保各社の運用方針について報じていました。
金融庁の”ゲキ”が入り、「日本の生損保は運用がへたくそだ!ということかもしれない」と資産運用担当者が、その感想を述べていました。
一部を転載しておきましょう…
[東京 26日 ロイター] - 主要生損保の2016年度資産運用計画は以下の通り。
<国内債券>
日本生命:減少。国債投資抑制。クレジット投資強化。
明治安田:横ばい。慎重に対応。クレジット資産への投資も検討。
第一生命:増加。クレジット投資を強化。国債は償還による自然減で減少。
住友生命:微減。低金利下では超長期債投資を抑制。クレジット投資を拡大。
太陽生命:償還分から緩やかに落ちる。デュレーションも緩やかに低下。
三井生命:償還を中心に1000億円程度減少。
富国生命:横ばい。償還資金1000億円の再投資にとどめる。
朝日生命:償還分を含め900億円減少。
大同生命:残高を横ばい程度。
東京海上:積み増しせず残高減。
三井住友:国内の社債を積み増す。前年度実績800億円には届かぬ規模か。
あいおい:運用の軸。総資産の5割強ほどが円金利資産。
損保ジャ:ALMの観点から必要分を抑制的に投資。
<外国証券>
日本生命:外債は増加。米債中心、ヘッジコスト上昇で欧州債にも分散。
明治安田:外債は増加。為替動向・金利水準に応じオープン外債を積み増し。
第一生命:ヘッジ外債は純増。オープン外債は為替等にらみコントロール。
住友生命:増加。対象国拡大。クレジット積み上げ。円高局面でオープン外債も。
太陽生命:前年度対比でやや増加。ヘッジ比率は70%弱程度見込む。
三井生命:ヘッジ外債、オープン外債をそれぞれ1000億円程度積み増す。
富国生命:ヘッジ外債は300億円増。オープン外債は横ばい。
朝日生命:500億円積み増し、米国債や国内企業のドル建て債券など中心。
大同生命:利息収入の獲得を主な目的に積み増し。
東京海上:500─1000億円増。欧米社債が柱。基本は為替ヘッジ付き。
三井住友:リスク許容内で積み増し。オープン外債や外国株など500億円程度。
あいおい:一定程度は外債投資を考え分散。ポートフォリオ構成比大きく変えず。
損保ジャ:ヘッジ外債を1000億円程度積み増し
<国内株式>
日本生命:内外株で増加。中長期的な収益力向上につながるポートフォリオ構築。
明治安田:横ばい。別途ファンドを通じた投資を検討。
第一生命:株価水準次第で残高を機動的にコントロール。成長株投資は継続。
住友生命:横ばい。環境・社会・ガバナンスの観点で銘柄入れ替え収益力向上。
太陽生命:配当利回りに着目した形でアクティブに対応。
三井生命:横ばい。
富国生命:配当利回りの高い銘柄中心に150億円増。外国株は実質微増。
朝日生命:横ばい、投信などで運用の高度化図る。
大同生命:横ばいないし増加。株価動向に応じて増減。
東京海上:政策保有分1000億円めどに売却。
三井住友:削減する方針を継続。
あいおい:圧縮する方針を継続。早めに売却。
損保ジャ:圧縮する方針を継続。
備考 :東京海上は東京海上日動火災保険
:あいおいはあいおいニッセイ同和損保
:損保ジャは損害保険ジャパン日本興亜
(金融マーケットチーム)
転載終わり~
「株でバクチ」をしている生損保に保険料を払っていない日本人って、どれだけいるのですかね?
こういう現実を知ったうえで「株でバクチを~」と騒いでいるのですかね~(-""-;)…
単に時代の趨勢に取り残されている”ガラパゴス市民”にすぎないのではないでしょうか?
株も含めて、運用せざるを得ない現実に直面しているこのときに…
「株でバクチを~!」と騒いで何の意味があるだろうか?
もっとも金融庁などのケツを叩き、なんとしても年金資産を殖やし、国民の怒りをこれ以上受けないように日本の投資技術を磨くという方向に向かわせる動機付けにはなるでしょう…
しかし、結局は”ゼロサムゲーム”の世界…
世界経済が減速停滞する中で、大きな期待はできません。
むしろ、あれこれ誤魔化して、国民の目をそらしてしまおうという方向に向くリスクの方が高い…
すると、そのとき…
テレビの情報でわかったつもりになってしまう国民は、どうなるのでしょう?
これからもいっそうせっせ、せっせとチンパン踊りを踊りを続ける、加速する…
私としては、株の暴落なんぞより、こっちの方がよっぽど「怖い」のですよ…(^-^)ノ~~んじゃ!!
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