(引用2)は、消費者庁が、安部政権の後ろ盾の一つの読売新聞の邪魔になっている、という記事である。要するに読売お得意の「押し売り」を禁じる法案が作られようとしたから、読売が激怒して安部総理に談判して、消費者庁島流しという妙な事態になった可能性もあるわけだ。
「善意に(悪意に、か)」解釈すれば、福島原発から飛散し続ける放射能から官庁を脱出させ、漸次的に首都機能の関西移転をしていく心算かもしれない。まあ、東京はワシントンDCのように国会議事堂だけがあればいいのではないか。国会議事堂も移転してもいいし。その方がこれまでの異常な東京一極集中の是正にもなり、それはそれで悪いことではないと思う。京都は文化庁を京都へ移転させようと運動しているようだし、安部政権の掲げる政策の一つ、「地方活性化」のためには首都機能(政府機能)分散が一番有効であることは確かだろう。今回の消費者庁移転の名目も「地方活性化」であるようだし。
首都機能の地方移転が進めば、最終的には「遷都」もありうるだろう。つまり、国会議事堂と皇居の移転だ。それはまだだいぶ先のことだと思うが、戦争よりも経済活性化に役立つだろう。戦争はただの大量消費活動、金の無駄遣いだが、遷都は新たなビジネスチャンスを生む。
いずれにしても、政府機能を一箇所にまとめたら、新たな権力と金と人の一極集中を生むだけである。つまり、中央だけ栄えて地方は衰退していくことになる。
(引用1)
消費者庁、地方移転を明記 徳島へ、政権方針
河合達郎、石井潤一郎
2016年1月13日06時43分
安倍政権は、地方創生策の一環として検討している政府機関の地方移転をめぐり、消費者庁を移転対象とする方針を固めた。政府として3月末までにまとめる移転方針に、消費者庁の移転を明記する。移転先は誘致活動を展開している徳島県とする方向で、具体的な移転規模や時期などは4月以降に調整する考えだ。
関係者によると、消費者庁を所管する河野太郎消費者相が、地方移転を担当する石破茂地方創生相と断続的に協議。消費者庁について、本庁の機能を含めて徳島県に移す方向で一致したという。同庁の移転をめぐっては、徳島県が「消費者行政で全国モデルとなる各種の施策を実施している」などと実績を訴え、候補地に名乗りを上げていた。
河野氏は12日の閣議後会見で、消費者庁の地方移転について「3月の時点では『ゴー(決定)』だと思っている。極めて前向きに考えていきたい」と明言。河野氏は今後、同庁長官ら幹部を1週間程度、試験的に徳島県に勤務させたり、4月には国民生活センターの一部業務を同県内に移したりして、移転に伴う課題や対処方法を詰める方針だ。その試験運用の結果をもとに、どれぐらいの業務をいつ移転させるかを決める。
政府機関の地方移転をめぐっては、消費者庁のほか文化庁も有力な移転対象の候補となっており、京都府が誘致活動を進めている。政府は有識者による検討会議を設けており、3月中に移転方針を決める。文化庁の移転は、それまでに判断する方向だ。(河合達郎、石井潤一郎)
(引用2)
読売新聞の大チョンボ
『週刊現代』古賀茂明「官々愕々」より
安保法案が違憲であることが明白になった。安倍政権にたてつくことに及び腰なマスコミも、今頃になって政権監視の役割を果たしているフリを始めた。
そんな折、マスコミと安倍政権の「癒着」を示す大ニュースを発見した。
ことの発端は、老人などの消費者被害で問題化している訪問販売の規制強化の議論が、政府の消費者委員会特定商取引法専門調査会で始まったことにある。
現在、政府は、「特定商取引法」で、消費者被害が出やすい訪問販売について規制をしている。
その中の重要な柱が、「再勧誘禁止」(同法3条の2)。一度断られたら、再度勧誘してはいけないということだ。違反には行政処分もある。消費者から見れば当然のことだが、実際には、玄関口で断ってもなかなか帰らずにしつこく勧誘したり、一度帰っても再度勧誘に訪れたりということが横行している。その結果、気の弱いお年寄りが狙われて高額な契約を結んでしまうというような被害が出るのだ。
また、悪質なものでなくても、見ず知らずの人に静かなプライバシー空間での生活を邪魔されたくないという人も多い。
消費者庁の調査でも、実に96・2%の人が今後訪問勧誘を受けたくないと答え、過半数が、自らが要請していない訪問販売は禁止して欲しいと答えている。
そうした消費者の声を受けて、消費者庁は、訪問販売お断りを示すステッカー表示のある家への訪問を禁止する制度の導入を検討中だ。
もちろん、関連業界団体は猛反発し、族議員と所管官庁を使って裏で猛烈な反対運動を始めた。そんな業界の一つが新聞業界だ。新聞は販売部数が年々落ち込み、訪問販売で何とか下支えしている。これができなくなると死活問題だから、自民党などに強力な圧力をかけている。
表向きは「活字文化の維持」だが、そのためには迷惑な訪問勧誘も認めろというのだから、あまり分がある話ではない。
そうした焦りがあったのか、業界のドン読売新聞が大ポカを演じた。舞台は6月10日の消費者委員会特定商取引法専門調査会。読売新聞東京本社山口寿一社長が業界の利益を守ろうと失言をした。「断られたけれども(新聞を)とっていただくということも多々あるんですね」。
読売新聞は、断られても粘って勧誘をしている、つまり「再勧誘禁止」違反だととられかねない発言だ。これに気づいた委員達の間に失笑が漏れると、同社長は「笑わないで下さい」と制止し、その後長々と言い訳をした。その全てがビデオで公開されたのだ。
しかも、驚いたことに、同社は、山口俊一消費者担当大臣や河上正二消費者委員会委員長などに謝罪を求める抗議文を送り、その抗議文の写しを菅義偉官房長官にも送ったという。
違法行為ととられる失言を笑われて逆切れし、さらにマスコミの支配者、菅官房長官に言いつけた。「俺には菅がついてるんだぞ」という恫喝である。
前代未聞の大失態。しかし、公開の調査会に来ていた大手新聞はもちろん報道せず。自分達の利権のためにだんまりを決め込んだ。
安倍政権と癒着した日本の大新聞。どこまでも腐っている。
『週刊現代』2015年7月4日号より
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