我々は毎日のように起こる政治的事件に目をくらまされて、物事の本質を忘れる(まさにユダヤ議定書で嘲笑されている通り)のが常だが、時々立ち止まって、「いったい、報道される世間の出来事は、報道価値があるのか。むしろ有害な、ただの雑音でしかないのではないか」と考えるべきだろう。
特に、最近の「大摩邇」記事などは、ゴミが多すぎる印象だ。また、真面目な政治ブログも、「同じような内容」の繰り返しが多く、読んだ後には徒労感しか残らない印象だ。
かと言って、最近の副島隆彦のように、「政治」から完全に撤退して保身を図るようでは、もはや存在価値がゼロだろう。(彼の過去の仕事の功績は高く評価するが。)まあ、政治的自殺である。
おそらく、DSの水面下工作(脅迫や利益誘導)の結果が、全体的な(あるいはトップランナー的な)政治ブログ衰弱という現象なのだろう。
(以下引用)
今回は「耕助のブログ」で紹介されていた記事を取り上げようと思ったのだけれど、書き始めてネット検索しているうちに方針が変わった。ご紹介しようと思った耕助のブログは「米国は台湾を戦争の引き金にした」というもので、著者はFinian Cunninghamという人だった。
この記事は、「Strategic Culture Foundation」というオンライン時事情報誌に掲載されたもので、調べてみて驚いたことに、ロシアのシンクタンクが発行しているものだという。なるほど、そのようなものが存在しているのだとちょっとびっくり。でも、ロシアにもシンクタンクがあって当たり前かも知れない。
英語版のウィキペディアには「ワシントン・ポスト紙の報告書は、Strategic Culture Foundationが "ハイテク企業の経営者で慈善家でもあるビル・ゲイツが、監視機能を持つワクチンを作る取り組みを主導している" という偽情報も流した」「ポスト紙のレポートはStrategic Culture Foundationを "ニセのシンクタンク" と呼んだ」などと記載されている。アメリカの嘘つきマスメディアが否定的に評価しているということは、逆にかなり信用してもいいのかもしれない。
また、Finian Cunninghamという人物は、詳しいことは分からないのだけれど、「アイルランド出身」「国際問題に関して幅広く執筆」「農芸化学の修士号を取得後、英国ケンブリッジの王立化学協会で科学編集者を務めた後、新聞ジャーナリズムの道に進む」「約20年にわたり、ミラー紙、アイリッシュ・タイムズ紙、インディペンデント紙などの大手報道機関で編集者、ライターとして活躍」などの記載があった。
そうやって検索してているうちに、「平和への展望は? Finian Cunninghamへのインタビュー」という、今回ここでご紹介する記事に突き当たった。内容的に分かりやすく、核心を突いているように思えたので取り上げることにした。もう2年以上前の記事になるけれども古さを感じさせない。
これは「NationofChange」(非営利のニュース組織で、オンラインマガジン、日刊ニュースレター、活動プラットフォームを無料で提供している)という、日本人では感覚がつかみにくい性質を持つウエブページに掲載されたもの。
また、インタビュアーは「John Rachel」(ジョン・レイチェル)という人であり、「小説家、政治ブロガー。これまでに10冊の小説、3冊の政治ノンフィクション、日本での生活に関する逸話集、人魚の食事の好みに関するファンタジー/旅行/料理本を執筆。」
「2006年に米国を離れて以来、34か国に住み、探検してきた。現在は、大阪から1時間ほどの伝統的な日本の田舎町に根を下ろし、4年間連れ添った妻と暮らしている。毎日、周囲の風景に広がる大豆畑や田んぼを自転車で走り、地元の神社で1日に3回鳴るお寺の鐘の音に無限の喜びを感じる。最近の彼は良い波動に浸っている。」
以上はAmazonで発売されている「The U.S. and Perpetual War (English Edition) Kindle版」という著者の紹介に書かれている。私の全く知らない人だけれども、「ふ〜ん、そんな人が日本に住んで活躍しているんだ」と感じる。
では、インタビュー記事の内容をご紹介しよう。
質問1:原子力科学者会報は最近、終末時計の針を真夜中の100秒前に合わせました。これはこれまでで最も終末に近い。あなたはこの悲惨な評価に同意しますか?
返答:米国とロシアか中国、あるいはその両方との間で戦争が勃発する危険性について、重大な懸念があるのは間違いないことだと思う。ワシントンはロシアと中国を挑発的に「国家安全保障上の脅威」と位置づけてきた。このような好戦的な呼称には根拠がない。冷戦は30年前に終結したはずであり、ロシアも中国も、ワシントンに冷戦的な考え方をやめるよう繰り返し求めているが、ワシントンは冷戦時代の敵対心を持ち続け、世界を同盟国とその敵に分けることを望んでいる。
戦争主導の資本主義経済は、戦争になる危険性を犯してまでも、対立や緊張が必要なのだ。米国は台湾をめぐって中国と、ウクライナをめぐってロシアと緊張を煽っている。(※このインタビューはロシア・ウクライナ紛争が始まる前に行われた)共通しているのは、米国が緊張を煽っていることだ。ワシントンは「一つの中国政策」を維持すると不誠実に主張しているが、米国は台湾の分離主義者を徹底的に武装させている。
また米国は、ウクライナの反動的でロシア恐怖症の政権も徹底的に武装させている。戦争のリスクは非常に現実的で高い。そしてそれは、米国の外交政策とその覇権主義的野心の本質を露呈させている。米国は世界を戦争の奈落の底に突き落とそうとしている。
質問2:米国は常に、平和、正義、人権、人種平等などを最大限求めているかのように自分を見せかけています。ところが、世論調査によれば、ほとんどの国々が、実際には米国を最大の脅威とみなしています。どちらが本当ですか?
返答:米国は帝国主義・資本主義の利益を追求するためなら、いつでも、どこでも戦争を起こす無法国家、ならず者国家である。第二次世界大戦以降、米国以上に戦争を行ってきた国はない。それどころか、どれだけたくさんの国が侵略されたことだろうか。「テロとの戦い」や「人権の保護」という、全く嘘の口実のもとに、何百万人の命が破壊されたことだろうか。そうではないと思う人は、自分が受け入れてきた情報を疑ってみるべきだ。米国がロシアや中国、あるいはその他の国々を国際安全保障上の脅威とみなすのは馬鹿げている。
質問3:鶏が先か卵が先かの質問です。米国は、ロシアと中国が急速に軍事力を拡大していると非難し、自国の姿勢と兵器の増加は、敵対するロシアと中国への対応であると主張しています。一方、ロシアも中国も、米国による威嚇と軍事的脅威に対応しているだけだと主張しています。どちらが本当なのでしょうか。
返答:米国はロシアとの軍備管理条約を一方的に破棄した当事者である。それは2003年のABM条約、2019年のINF条約、2020年のオープンスカイ条約になる。これらの条約を破棄したことで、核軍備管理の枠組みが損なわれ、新たな軍拡競争が誘発されている。ロシアのプーチン大統領は、「ブッシュ政権によるABM条約廃棄によって、ロシアは戦略的均衡を回復するために極超音速ミサイルを開発せざるを得なくなった」と述べている。
中国に関する限り、中国が保有する核弾頭は米国の約5%である。ロシアと中国の安全保障政策は、防衛的理由に基づいているが、米国は違う。米国の軍事力は、敵と戦うこと、同盟国を守ること、その他あらゆる想像に基づいている。アメリカは、戦争で、民間人に対して核兵器を使用した唯一の国であり、侵略国である。
そのため、米国の仮想敵国が、米国が先制攻撃を考えていないことを常に確認することは理解できるし、実際に必要である。ロシアと中国は先制攻撃禁止政策をとっている。しかし、米国は核兵器を先制使用する権利を捨てていない。したがって、核兵器を縮小し、世界的な軍縮への道をリードする責任は米国にある。他国を無差別に敵に指定することは、軍拡競争や緊張を煽ろうとするものになる。前述したように、アメリカの企業資本主義とその軍産複合体は、不安と敵意に満ちた世界に完全に依拠しており、麻薬中毒者のようなものだ。定期的に戦争の発作が必要なのだ。
質問4: 米国は帝国的野心を持っていることを常に否定しています。しかし、ほとんどの公平な専門家は、客観的な基準からすれば、米国は帝国であり、歴史上最も強力で広大な帝国であるといいます。 世界で成功し、国民を効果的に保護するために、米国は帝国でなければならないのでしょうか?
返答:米国は世界100カ国以上に約800の軍事基地を持っており、年間約7500億ドルを軍事費に費やしている。これはバイデン政権のインフラ整備法案を凌ぐものだ。米国は、中央アジア、中東、北アフリカの国々を破壊してきた。それは、第2次世界大戦後の70年間どころか、最近の20年間で分かることだ。アメリカは数十カ国で選挙を妨害し、選挙で選ばれた政府を転覆させ、汚い内戦を煽り、政敵を暗殺した。それはすべて、「平和と民主主義」そして「ルールに基づく世界秩序」を促進するためなのだろうか? それとも帝国の利益と目的のためなのだろうか。答えは明白だ。
質問5:米軍の最高司令官たちが最近、警鐘を鳴らしました。彼らは、米国は戦争ではロシアにも中国にも勝てないと結論づけました。そして、これらの軍司令官たちは、「我々は軍事力を劇的に向上させる必要がある」と言っています。この主張と、それを実現するための国防総省の予算の要求をどのように考えますか?
返答:軍産複合体を盛り上げるための、お決まりの悲観主義的な脅し文句だ。兵器企業は議会で最大のロビイストである。政治家たちは彼らの大金で買収され、それに従って票決する。軍事評論家もその大金に依存している。これは1900年代初頭のスメドリー・バトラー海兵隊大将にまでさかのぼる騒動であり、1950年代から60年代にかけての「ミサイル・ギャップ」疑惑もまた、嘘の塊であることが判明した。それは、民主主義を実現する代わりに、アメリカの軍国主義に公的資金を投入するという目的を果たすものだった。何兆ドル、何十兆ドルという巨額の資金が、無駄で不安定で危険な戦争経済を支えるために何十年も浪費され、それが終末時計が真夜中に近づいている主な要因となっている。
質問6:2009年、オバマとヒラリー・クリントンはロシアとの緊張緩和を発表し、協力と理解の拡大を宣言しました。 しかし、2014年になるとオバマは突然方針を反転しました。それ以来、徹底的な制裁体制がロシアに課され、ロシア経済を麻痺させています。ヒラリー・クリントンと民主党は現在、ロシアとプーチンを執拗に悪者扱いし、想像しうるあらゆる害悪が彼らにあると非難しています。メディアでも政府高官の公式発表でも、ロシアは米国及びその特別な友人である英国がお気に入りの、鞭打ちされる少年になっています。 なぜでしょう? 何が起こったのでしょう?
返答:米国は、資本主義・帝国主義体制に由来する理由から、継続的かつ執拗に紛争と戦争を必要としている。もしロシアや中国がなければ、米国の支配者たちは何か別の厄介な国を発明しなければならないだろう。具体的には、ロシアのプーチンに関して、米国や英国は、彼がイエスマンではないため、特に不愉快に思っている。中国の習近平国家主席も同様だ。彼らは自国の国益を守るという強く原則的な立場を持っており、ワシントンの独裁に従おうとはしない。そのため、ワシントンから見れば彼らは耐え難い存在なのだ。
それゆえ、プーチンと習近平の両者を悪者扱いするニュース・メディアの執拗なプロパガンダが行われている。もしプーチンが1990年代にエリツィンが行ったように、アメリカの資本主義的搾取のためにロシアを開放すれば、プーチンは突然ワシントンとそれに従順なマスメディアに受け入れられ、賞賛されるようになることは間違いない。
長くなってきたので、残りは次回に回したい。それにしても、私の意見ととってもよく重なる。日本でもこのようなことを発信できるメジャーなジャーナリストがほしいと思う。でも、日本人の民度ではまだまだかな。それに、仮に存在していたとしても、日本政府と日本のマスメディアに潰されるだけかも。
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