立憲民主党の新代表に泉健太氏(47)が決まった。泉新代表は就任会見で「全国的には知名度がない代表なので、これから知名度は高めていかなければならない。立憲民主党の立て直しということでいえば、国民に対する発信が弱くなっていたのではと思うので、やはり味方を増やしていくことが重要だ」と意気込みを語った。
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共産党との“別れ”を示唆
一方で、代表選期間中は踏み込まなかった共産党との選挙協力のあり方について、初めて具体的に言及した。衆院選で共産党と結んだ「限定的な閣外からの協力」について泉新代表は「想定していた結果はなかったので、単に継続ではなく、党としてしっかり総括せねばならない」と見直しを示唆した。
さらに共産党の小池書記局長が29日に「今の立憲民主党は選挙の任期が続く限りは、(約束を)順守する責任がある」と述べたことに対して「我々としては前回の総選挙に向けて交わしたものという理解をしており、現時点で何らかが存在していると言うことではない」と突き放した。
泉新代表の就任会見とほぼ同時刻に行われていた共産党の志位委員長は会見で「日本共産党と立憲民主党との政権協力の合意というものは個人と個人で結んだものではない。これは公党間の合意だ。国民に対する公約だ、ですから我が党としてはこれを誠実に順守していきたいし、立憲民主党さんにもぜひそういう立場で対応してもらいたい」と立憲民主党との協力関係を重ねて求めた。
泉新代表は来年夏の参院選に向けて、野党第一党として共産党をはじめとする「野党共闘」をどう主導できるのか、その手腕も問われることになる。
盛り上がらず、期待せずの代表選
一方、今回の代表選では、共産党と結んだ「限定的な閣外からの協力」をはじめとした野党共闘体制や政府の政策を検証する「野党ヒアリング」の在り方など枝野路線を継承するかが争点となった。だが衆院選で議席を減らした総括もないまま代表選に突入したことで、代表選期間中に行われた論戦では「党の方向性が見えない」と言った声があがった。党の立て直しや「野党第一党の顔」を選ぶ選挙として盛り上がりを欠いたと言える。
ある野党幹部からは「誰が代表になっても共産党との一線は引けない。誰が代表になっても短命に終わるし、分裂含みだ」など冷ややかな声が聞かれた。
さらに地方遊説に足を運んだ党員サポーターからは「何も期待していないし、何も変わらない。政策がよくわからないし、選挙戦も盛り上がっていない」という厳しい声があがった。
立憲民主党を変えられるか
報道各社の世論調査でも衆院選で躍進した日本維新の会に政党支持率が逆転されるケースもみられ、選挙戦を通じて野党第一党としての存在感は決して高まったとは言えない状況だ。また最大の支持母体である連合の芳野会長は共産党との選挙協力について「あり得ない」と釘を刺していて、枝野路線の転換を望んでいる。さらに地方組織の強化や拡大も課題で、新代表就任への喜びもつかの間、目の前には茨の道が広がる。
一方で有権者からは「代表選で野党がどう変わるか楽しみが増えた。そう注目している国民もいる。これまでの批判だけの野党にはならないだろう」との期待の声も聞かれる。
泉新代表は今後、立憲民主党を政権選択を担う政党に変えることが出来るのか、真価が問われることになる。
(フジテレビ政治部 千田淳一)
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