「ギャラリー酔いどれ」所載の「櫻井ジャーナル」記事を二本転載。
トランプのシリア攻撃について国際政治評論家はあれこれ言っている(たとえば田中宇は、あれは「形だけ」のものである、と言っているようだ。まあ、実際、シリア側の被害は小さいようである。)が、米国のシリア攻撃がこれまでトランプを支持していた人々をがっかりさせたのは確かだろう。トランプは米国内の軍産複合体を批判してきたのに、それに取り込まれたのか、というわけだ。(植草一秀などはこの見方か。)トランプのシリア攻撃によって米国支配層のトランプへの攻撃が止み、むしろ賞賛しはじめたらしいことも、そういう見方に拍車をかけていると思う。今でもトランプを信じたい、という層は、シリア攻撃はトランプの擬態である、と見做しているようである。
まあ、私はヒラリーよりはトランプがマシ、という程度でのトランプ支持だったし、それは正しかったと思っている(何しろ、TPPという「経済的核攻撃」を止めたという大きな功績があるのだから。)が、トランプという人間を高く評価していたわけではない。逆に、トランプ批判派は、彼の政策ではなく人物像だけを批判対象にしすぎていたと思う。特にアメリカ国内でのトランプ批判の声にはそれが多かった。あまり知らない人物のことを例に出すのも何だが、江頭何とかという、よく物議をかもす下品な芸風の芸人が政界に転身して、あれよあれよという間に日本の総理になったようなものではないか。別に江頭何とかには限らない。そういう下品な芸人のほうが多いくらいなのだが、最近の芸人の名を知らない(興味が無いので芸能界情報記事は読まないのである。)ので、彼を例に出しただけだ。
ところで、米国とロシアが実は一度も戦争をしたことが無い、というのは考えてみると面白いことではないだろうか。表面的には、いつもお互いに悪口の限りを尽くし、共に天を戴かざる仇敵のような関係のように見えながら、本当の殴り合いはけっしてしないのである。トムとジェリーのようなものである。「仲良く喧嘩している」wwww
(以下引用)
◆https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704090000/
櫻井ジャーナル 2017.04.09
◎米国の国連大使はさらなるシリアへの攻撃を準備していると発言、
ネオコンはトランプ政権を賞賛
アメリカ軍がシリアの空軍基地をトマホーク巡航ミサイルで攻撃した後、
ニッキー・ヘイリー国連大使はさらにシリアを空爆する用意があると国連で発言した。
☆http://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-syria-un-usa-idUSKBN1792OI
例によってアメリカは証拠を示すことなく「自分を信じろ」と言うだけ。
説得力はない。
2013年にシリア政府が化学兵器を廃棄したことは国連の調査官も認めていることで、
化学兵器を使用する理由もない。
本ブログでも紹介したように、現在、化学兵器を保有しているのは
アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。
アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援する勢力だ。
ちなみに、今回の攻撃で最初に歓迎の意を示したのはサウジアラビア、
次いでイスラエルとトルコだった。
ジョン・マケインやリンゼー・グラハムのような民主党のネオコン議員は
今回の攻撃を賞賛しているが、
ヒラリー・クリントンの場合、攻撃の数時間前、トランプ大統領に対して
シリア政府軍が使っている空港を使えなくするように要求していたという。
☆https://www.independent.co.uk/news/world/americas/hillary-clinton-donald-trump-
syria-air-strikes-chemcial-attack-airbase-cruise-missiles-tomohawks-a7671861.html
クリントンが望むことをトランプは実行したことになる。
これまでロシア政府はアメリカ側の挑発に乗らず、自重してきた。
そこで侮っているのかもしれないが、それはいつか限界がくる。
今回、ロシアの国防省とアメリカのペンタゴンとを結んでいたホットラインは
切られた状態のようで、地中海に入ったロシア海軍のフリゲート艦「グリゴロビチ提督」
もアメリカ海軍の艦船と対峙することになるだろう。
このフリゲート艦に積まれたカリブル巡航ミサイルは
亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速で飛行、
アメリカの艦船にとっては脅威になる。
ところで、アメリカによる巡航ミサイルの攻撃に対し、
シリア側の防空システムは機能していない。
目標になった空軍基地にS-300やS-400は配備されていなかったというが、
イスラエル空軍による攻撃に対しても稼働していない。
役立たずなのか、スイッチが切られているのだろうが、
スイッチが切られていたのなら、今後は侵入機を撃墜する可能性がある。
1991年1月にアメリカ軍主導でイラクを先制攻撃、2月まで戦争は続いた。
この際、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はサダム・フセインを排除せずに停戦、
ポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコンは怒るが、
その際にソ連軍が出てこなかったことから単独で軍事力を行使できる
と考えるようになった。
ソ連消滅後、核兵器は「使える兵器」になったとも考えたようだ。
1992年2月、ウォルフォウィッツたちネオコンは国防総省のDPG草稿という形で
世界制覇プランを作成する。
いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。
アメリカは「唯一の超大国」であり、どの国も脅せば屈するという発想で動き始める。
1990年代、ボリス・エリツィン時代のロシアは西側巨大資本の属国だったが、
21世紀になるとウラジミル・プーチンが再独立に成功、
ウォルフォウィッツ・ドクトリンの基盤は崩れる。
それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進、
核戦争の危機が高まっているわけである。
そうした状況を危険だと考える人はアメリカ支配層の内部にも現れたが、
ドナルド・トランプ政権はネオコンに制圧されたようで、危機は再び高まっている。
ヘイリー大使の発言はそれを象徴している。
◆https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100000/
櫻井ジャーナル 2017.04.10
◎化学兵器をシリア政府軍が使ったとする米政府の主張は偽旗作戦の疑い濃厚、
露軍は応戦の準備
アメリカ軍がシリアの軍事空港を59発の巡航ミサイル(トマホーク)で攻撃した後、
ロシア、シリア、イランは防空体制の強化に乗り出したようだ。
S-300やS-400のような長距離対空ミサイル・システムだけでなく、
中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃
などの配備を進めるようだ。
シリアの北部ではすでに政府軍がアメリカ軍の偵察機を領空外へ追い出すため、
警告の銃撃掃射を行ったとも伝えられている。
☆http://en.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13960120000378
こうした攻撃の口実としてアメリカ政府は
シリア政府軍による化学兵器の使用を主張していた。
当初、ロシア側はシリア軍がアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)の倉庫を爆撃、
そこに保管されていたガスが漏れたと説明したが、
シリア政府側は攻撃していないと主張、爆発の後に偵察機を飛ばしただけだとしていた。
本当に化学兵器が漏れたのかどうかも含め、
本来なら詳しい調査をしなければならないのだが、その前にアメリカは攻撃した。
これまでアメリカは「化学兵器」をシリア攻撃の口実に使おうとしてきた。
例えば、本ブログではすでに紹介済みだが、2013年1月29日にイギリスの
デイリー・メール紙は、「シリアにおいて化学兵器を使い、アサド政権を非難、
国際的な軍事行動に拍車をかける作戦をオバマ政権は認めた」と伝えている。
その2カ月後、アレッポで化学兵器が使われたが、攻撃から間もない段階で
イスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、
また国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも
反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。
☆http://www.reuters.com/article/us-syria-crisis-un-idUSBRE94409Z20130505
その5カ月後、8月にはダマスカスの郊外が化学兵器で攻撃され、
例によって西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、
NATOを軍事介入させようとするのだが、
ロシア政府がすぐ反論したほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が現れ、
☆http://www.mintpressnews.com/witnesses-of-gas-attack-say-
saudis-supplied-rebels-with-chemical-weapons/168135/
ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ
秘密工作チームだという話も流れた。
☆https://sputniknews.com/voiceofrussia/news/2013_10_04/
Group-sent-by-Saudi-Arabia-from-Jordan-is-behind-August-21-
provocation-in-Syria-source-7375/
その年の12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュも
この問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、
実際に使った可能性があるとしている。
国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学の
セオドール・ポストル教授も
☆https://www.documentcloud.org/documents/
1006045-possible-implications-of-bad-intelligence.html
化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を
否定する報告書を公表している。
ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
さらに、こうした化学兵器の使用について、トルコの国会議員エレン・エルデムらは
捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。
化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、
☆https://www.youtube.com/watch?v=MoQPtub9eLs
そこでIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)が調合して使ったというのだ。
この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。
☆https://www.youtube.com/watch?v=fmcH3kP70LU
アメリカ軍がシリアを巡航ミサイルで攻撃したのは4月7日のことだったが、
その2日前、リベラル派として知られているノーム・チョムスキーは
デモクラシー・ナウに出演、
☆https://www.youtube.com/watch?v=fu_5nzvPWao
アサド体制は道徳的に不健全だ。
彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。
アメリカやサウジアラビアなどが侵略部隊としてシリアへ送り込んだ
アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)
による破壊と殺戮には思い至らないようだ。
ホワイトハウスの報道官、シーン・スパイサー説明によると、
事前にロシアへ攻撃を通告したのは軍のチャンネルだった。
アメリカ政府でロシアとの核戦争を避けようとしているのは軍だけのようだが
「リベラル派文化人」も好戦派に仲間入りしたのだろうか?
トランプのシリア攻撃について国際政治評論家はあれこれ言っている(たとえば田中宇は、あれは「形だけ」のものである、と言っているようだ。まあ、実際、シリア側の被害は小さいようである。)が、米国のシリア攻撃がこれまでトランプを支持していた人々をがっかりさせたのは確かだろう。トランプは米国内の軍産複合体を批判してきたのに、それに取り込まれたのか、というわけだ。(植草一秀などはこの見方か。)トランプのシリア攻撃によって米国支配層のトランプへの攻撃が止み、むしろ賞賛しはじめたらしいことも、そういう見方に拍車をかけていると思う。今でもトランプを信じたい、という層は、シリア攻撃はトランプの擬態である、と見做しているようである。
まあ、私はヒラリーよりはトランプがマシ、という程度でのトランプ支持だったし、それは正しかったと思っている(何しろ、TPPという「経済的核攻撃」を止めたという大きな功績があるのだから。)が、トランプという人間を高く評価していたわけではない。逆に、トランプ批判派は、彼の政策ではなく人物像だけを批判対象にしすぎていたと思う。特にアメリカ国内でのトランプ批判の声にはそれが多かった。あまり知らない人物のことを例に出すのも何だが、江頭何とかという、よく物議をかもす下品な芸風の芸人が政界に転身して、あれよあれよという間に日本の総理になったようなものではないか。別に江頭何とかには限らない。そういう下品な芸人のほうが多いくらいなのだが、最近の芸人の名を知らない(興味が無いので芸能界情報記事は読まないのである。)ので、彼を例に出しただけだ。
ところで、米国とロシアが実は一度も戦争をしたことが無い、というのは考えてみると面白いことではないだろうか。表面的には、いつもお互いに悪口の限りを尽くし、共に天を戴かざる仇敵のような関係のように見えながら、本当の殴り合いはけっしてしないのである。トムとジェリーのようなものである。「仲良く喧嘩している」wwww
(以下引用)
◆https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704090000/
櫻井ジャーナル 2017.04.09
◎米国の国連大使はさらなるシリアへの攻撃を準備していると発言、
ネオコンはトランプ政権を賞賛
アメリカ軍がシリアの空軍基地をトマホーク巡航ミサイルで攻撃した後、
ニッキー・ヘイリー国連大使はさらにシリアを空爆する用意があると国連で発言した。
☆http://www.reuters.com/article/us-mideast-crisis-syria-un-usa-idUSKBN1792OI
例によってアメリカは証拠を示すことなく「自分を信じろ」と言うだけ。
説得力はない。
2013年にシリア政府が化学兵器を廃棄したことは国連の調査官も認めていることで、
化学兵器を使用する理由もない。
本ブログでも紹介したように、現在、化学兵器を保有しているのは
アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。
アメリカ、サウジアラビア、イスラエルなどが支援する勢力だ。
ちなみに、今回の攻撃で最初に歓迎の意を示したのはサウジアラビア、
次いでイスラエルとトルコだった。
ジョン・マケインやリンゼー・グラハムのような民主党のネオコン議員は
今回の攻撃を賞賛しているが、
ヒラリー・クリントンの場合、攻撃の数時間前、トランプ大統領に対して
シリア政府軍が使っている空港を使えなくするように要求していたという。
☆https://www.independent.co.uk/news/world/americas/hillary-clinton-donald-trump-
syria-air-strikes-chemcial-attack-airbase-cruise-missiles-tomohawks-a7671861.html
クリントンが望むことをトランプは実行したことになる。
これまでロシア政府はアメリカ側の挑発に乗らず、自重してきた。
そこで侮っているのかもしれないが、それはいつか限界がくる。
今回、ロシアの国防省とアメリカのペンタゴンとを結んでいたホットラインは
切られた状態のようで、地中海に入ったロシア海軍のフリゲート艦「グリゴロビチ提督」
もアメリカ海軍の艦船と対峙することになるだろう。
このフリゲート艦に積まれたカリブル巡航ミサイルは
亜音速から最終的にはマッハ2.5から2.9という超音速で飛行、
アメリカの艦船にとっては脅威になる。
ところで、アメリカによる巡航ミサイルの攻撃に対し、
シリア側の防空システムは機能していない。
目標になった空軍基地にS-300やS-400は配備されていなかったというが、
イスラエル空軍による攻撃に対しても稼働していない。
役立たずなのか、スイッチが切られているのだろうが、
スイッチが切られていたのなら、今後は侵入機を撃墜する可能性がある。
1991年1月にアメリカ軍主導でイラクを先制攻撃、2月まで戦争は続いた。
この際、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はサダム・フセインを排除せずに停戦、
ポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコンは怒るが、
その際にソ連軍が出てこなかったことから単独で軍事力を行使できる
と考えるようになった。
ソ連消滅後、核兵器は「使える兵器」になったとも考えたようだ。
1992年2月、ウォルフォウィッツたちネオコンは国防総省のDPG草稿という形で
世界制覇プランを作成する。
いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。
アメリカは「唯一の超大国」であり、どの国も脅せば屈するという発想で動き始める。
1990年代、ボリス・エリツィン時代のロシアは西側巨大資本の属国だったが、
21世紀になるとウラジミル・プーチンが再独立に成功、
ウォルフォウィッツ・ドクトリンの基盤は崩れる。
それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進、
核戦争の危機が高まっているわけである。
そうした状況を危険だと考える人はアメリカ支配層の内部にも現れたが、
ドナルド・トランプ政権はネオコンに制圧されたようで、危機は再び高まっている。
ヘイリー大使の発言はそれを象徴している。
◆https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100000/
櫻井ジャーナル 2017.04.10
◎化学兵器をシリア政府軍が使ったとする米政府の主張は偽旗作戦の疑い濃厚、
露軍は応戦の準備
アメリカ軍がシリアの軍事空港を59発の巡航ミサイル(トマホーク)で攻撃した後、
ロシア、シリア、イランは防空体制の強化に乗り出したようだ。
S-300やS-400のような長距離対空ミサイル・システムだけでなく、
中距離や短距離の防空システム、あるいは携帯型のシステム、機銃
などの配備を進めるようだ。
シリアの北部ではすでに政府軍がアメリカ軍の偵察機を領空外へ追い出すため、
警告の銃撃掃射を行ったとも伝えられている。
☆http://en.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13960120000378
こうした攻撃の口実としてアメリカ政府は
シリア政府軍による化学兵器の使用を主張していた。
当初、ロシア側はシリア軍がアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)の倉庫を爆撃、
そこに保管されていたガスが漏れたと説明したが、
シリア政府側は攻撃していないと主張、爆発の後に偵察機を飛ばしただけだとしていた。
本当に化学兵器が漏れたのかどうかも含め、
本来なら詳しい調査をしなければならないのだが、その前にアメリカは攻撃した。
これまでアメリカは「化学兵器」をシリア攻撃の口実に使おうとしてきた。
例えば、本ブログではすでに紹介済みだが、2013年1月29日にイギリスの
デイリー・メール紙は、「シリアにおいて化学兵器を使い、アサド政権を非難、
国際的な軍事行動に拍車をかける作戦をオバマ政権は認めた」と伝えている。
その2カ月後、アレッポで化学兵器が使われたが、攻撃から間もない段階で
イスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、
また国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも
反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。
☆http://www.reuters.com/article/us-syria-crisis-un-idUSBRE94409Z20130505
その5カ月後、8月にはダマスカスの郊外が化学兵器で攻撃され、
例によって西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、
NATOを軍事介入させようとするのだが、
ロシア政府がすぐ反論したほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が現れ、
☆http://www.mintpressnews.com/witnesses-of-gas-attack-say-
saudis-supplied-rebels-with-chemical-weapons/168135/
ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ
秘密工作チームだという話も流れた。
☆https://sputniknews.com/voiceofrussia/news/2013_10_04/
Group-sent-by-Saudi-Arabia-from-Jordan-is-behind-August-21-
provocation-in-Syria-source-7375/
その年の12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュも
この問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、
実際に使った可能性があるとしている。
国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学の
セオドール・ポストル教授も
☆https://www.documentcloud.org/documents/
1006045-possible-implications-of-bad-intelligence.html
化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を
否定する報告書を公表している。
ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
さらに、こうした化学兵器の使用について、トルコの国会議員エレン・エルデムらは
捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。
化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、
☆https://www.youtube.com/watch?v=MoQPtub9eLs
そこでIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)が調合して使ったというのだ。
この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。
☆https://www.youtube.com/watch?v=fmcH3kP70LU
アメリカ軍がシリアを巡航ミサイルで攻撃したのは4月7日のことだったが、
その2日前、リベラル派として知られているノーム・チョムスキーは
デモクラシー・ナウに出演、
☆https://www.youtube.com/watch?v=fu_5nzvPWao
アサド体制は道徳的に不健全だ。
彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。
アメリカやサウジアラビアなどが侵略部隊としてシリアへ送り込んだ
アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)
による破壊と殺戮には思い至らないようだ。
ホワイトハウスの報道官、シーン・スパイサー説明によると、
事前にロシアへ攻撃を通告したのは軍のチャンネルだった。
アメリカ政府でロシアとの核戦争を避けようとしているのは軍だけのようだが
「リベラル派文化人」も好戦派に仲間入りしたのだろうか?
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