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徽宗皇帝のブログ

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軍事行動と「ゲーム」
題名だけ読むと、「東洋経済オンライン」は右翼ネット雑誌の正体を自ら暴露したか、と思いそうだし、私は完全にそう思って読んだのだが、中身はむしろ、日本政府の行動の阿呆さを批判するもので、記事の前半は読む価値のあるものだ。
記事前半だけなら、である。これだけなら「赤旗」記事でもおかしくないwww

記事の後半については、題名のいかがわしさと同様、少々首をひねりたくなるが、理屈としては間違ってはいない。だが、政治や軍事を「ゲーム」と思っていると、(もちろん、ここでの「ゲーム」は「遊戯」の意味ではないだろうが、そういう言葉を使っているうちに行動が軽々しくなるものだ。試みに、「ゲーム」という言葉を日本語で言って、下の記事後半が成り立つかどうか考えるといい。そうできないところに、カタカナ語を使うことの「軽薄さ」がある。)やがてとんでもない「現実問題」にぶつかってあわてふためくことになりそうである。
昭和初期の軍人や政治家にとっては、満州経略は「ゲーム」だったかもしれないが、それが日中何百万の血を流す大惨事に発展したのである。自分で自分を戦略家だと思う人間がテレビゲームの前のゲームオタクレベルでしかなかったということはよくあることだ。第二次大戦時の日本軍参謀本部がそれである。





(以下引用)記事の一部を強調したかったが、なぜか色字転換できないので、転載だけとする




中国海軍に対する日本政府の抗議は筋違いだ 「抗議」ではなく「仕返し」をする必要がある
 
 

6月9日に尖閣諸島の接続水域を通過したジャンカイI級フリゲート艦(出所:WIKIMEDIA COMMONS)© 東洋経済オンライン 6月9日に尖閣諸島の接続水域を通過したジャンカイI級フリゲート艦(出所…

 東シナ海における中国海軍の行動が話題になっている。6月9日、中国軍艦が尖閣諸島の接続水域を通過し、15日には沖永良部島の領海部を通過した件だ。


 これに対し日本政府は即座に抗議した。その内容は「日中間の緊張行為を高める」といったもの。日中は領土争いを抱えており、安全保障の分野では対立している。この状況で中国海軍の行動は挑発であるとするものだ。


 だが、日本の立場からすれば抗議をするべきではなかった。事件の本質は尖閣を巡る一種のゲームにおけるルール違反である。それであれば、中国が以降のルール違反を躊躇する対応、つまり「抗議」ではなく「仕返し」をするべきであった。


 こう書くと過激に感じるかもしれないが、決してそうではない。「抗議をしたことの問題点」と「仕返しを行うことの利点」を順を追って説明していこう。


 まず承知すべきは、今回の中国軍艦の行動は完全に合法である、ということだ。9日に中国軍艦が通過した尖閣接続水域は、どこの国の船舶でも自由に航行し、あるいは漂泊もできる。軍艦であれば軍事的な陣形を組み、航空機を発着し、潜水するといった軍事行動も自由である。


 接続水域の性質は、ほぼ公海だ。日本は自国との出入国、関税、環境汚染対策といった権利があるものの、それ以外はなにも主張できない。つまり、日本は中国軍艦の行動に何も言えない。尖閣諸島が日本の領土であったとしても、日本は中国軍艦の今回の通過を「接続水域である」ことを理由に文句は言う資格はないのだ。


 15日の沖永良部島の領海通過も完全に合法である。報道されているように今回の通過は「無害通航」である。これは領海であっても沿岸国に不利益を与えず、遅滞なく通過するかぎり自由に航行できる、というもの。日本は領海における無害通航を世界中の商船・軍艦に認めている。


 さらに通航をする際の事前許可や事前通報も不要としている。ある意味で日本の領海内における航行は完全に自由なのだ。今回、中国は従前から認められている権利を行使しただけであり、それに抗議するのは筋違いである。


 今回の抗議の論拠は、日本の海洋法に対するスタンスともまったく合致していない。


 日本の立場は、「海を自由に使いたい」というもの。海洋国であり、海上輸送や航空輸送から大きな恩恵を受けている。このため航海の自由や上空通過の自由を広く認め、他国にもそれを求める態度を取ってきた。


 例えば、中国が進めている国際法独自解釈への反対がそれだ。最近では、東シナ海に中国が設定した防空識別圏について反対の意思を明確にした。中国は領空の外まで管轄権を主張したが「上空通過の自由が侵害される」と抗議をし、自国の民間航空会社にもその要求を無視することを求めた。


 今回の抗議はこの時の立場に反している。日本は中国軍艦の接続水域通過や領海の無害通航を問題視したわけだが、これは従来の主張である「接続水域での活動は沿岸国からの制約は受けない」や「無害通航には許可や事前通報は不要」といった主張とは相いれないものだ。


 従来のスタンス、航海の自由や上空通過の権利を重視し、中国の国際法の独自解釈に対抗してきたことからすれば、今回の抗議は筋が通らない。その意味で論外ともいえる抗議なのである。


 なによりもおかしな点は、事件の本質と対応がズレていること。今回の事件は接続水域や領海の通過そのものが問題なのではない。にもかかわらず、そのことに抗議した点が対応としてピント外れだ。


 冒頭にも記したが、日本として看過できないのは「尖閣ゲーム」のルールに中国が違反した点である。


 尖閣問題では日中間に暗黙のルールがある。これは相互に無駄なエスカレーションを防止するといったものだ。「現地での対立には軍艦を使わずに巡視船を使う」や「政府は互いに国民感情を刺激することはしない」がそれにあたる。


 だが、中国は今回、安定していたゲームを不安定化させる行為に出た。本来は無駄な緊張を避けるべき尖閣諸島付近に軍艦を送り、それで日本の国民感情を刺激した。そしてそれが沈静化しないうち、さらに不必要な無害通行を行い再び日本の国民感情を刺激した。


 これは日中関係を危くする行為だ。仮に日本の国民感情が爆発した場合、日本政府も強硬態度に出ざるを得なくなる。そうなれば、中国の国民感情も沸騰し、中国政府も強硬態度にでざるを得なくなる。このような負のスパイラルに落ち込んでしまいかねない。


 事態が収拾不能となると、互いに損するだけの応酬が続く。これは2010年の漁船船長起訴や、2013年の尖閣国有化での失敗を思い起こせばよい。尖閣での対立が日中の安全保障関係を悪化させるだけではなく、経済や相互の自国民・財産保護を損なう事態となる。


 この点からすれば、日本は中国にルール違反を繰り返させないような対応を行う必要があった。「そんなことをすれば中国も損をしますよ」といったことが伝わるような仕返しである。しかし日本はそうせず、従来認めていた接続水域や領海の通過についてまで咎め立てるといった的外れな対応をとってしまった。


 では、どうすればよかったのか。


 中国が尖閣での暗黙のルールを破ったのであれば、日本は別の場所で中国に損をさせればよかった。それにより尖閣でのエスカレーションを防止しつつ、中国にルール違反を躊躇させることができる。


 仕返しの具体例としては、南沙人工島の12マイル以内の通過を挙げられる。中国が尖閣付近、目安としての接続水域に軍艦を一回入れるたび、日本も機械的に護衛艦を一隻通すといったものだ。こうすれば中国は尖閣付近での行動には慎重になる。事実上無価値の尖閣での実効支配積み上げを行うと、現実に支配が進んでいる南シナ海の領土主張で切り崩しを受ける。それを避けるために慎重になるだろう。


 なお、人工島12マイル以内の通過は深刻な問題を引き起こさない。日本の立場は南沙人工島には領海は発生しないといったものだが、そこは説明不要だ。「国際法上なんら問題はない」とだけ言えばよい。中国は日本の行為については「無害通航の範囲を超える」といった言い方で不満を述べるかもしれないが、通過自体を問題視することはできないのである。


 こうした日本の行動に対し、中国がさほど強硬な妨害をすることはない。南シナ海の現況では、そうすれば中国が不利になるためだ。異常接近の嫌がらせや体当たり程度はする。だが、そこから先はない。もし日本の護衛艦を沈めることになれば、中国は完全な悪者となってしまう。東シナ海防空識別圏設定での前例もある。中国は飛行計画を通知しなければ撃墜を含む措置をとると宣言した。だが、実際にそれをしなかった日本を含む外国民間機に対して何もしていない。中国としても国際社会の反応や国際法との整合性を取らなければならないのである。


 今後も同じような事態が起こることが予想される。その際、日本は中国への抗議のために営々とはぐくんできた海洋利用自由の原則を歪めるべきではない。繰り返しになるが、正々堂々と「仕返し」することを考えるべきだ。






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